ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

単焦点にも匹敵する描画性能をもつ高倍率望遠ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5 / ズイコー 望遠ズーム 50-250mm F5
ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★☆
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

◆愛称 「こうばいりつ」
5倍という、OMズイコー最大のズーム比を持つレンズだ。よって「高倍率」と呼ぶ。

◆良いところ
OMズイコー最大のズーム比5倍。にもかかわらず、けっこうコンパクトだ。明るさはF5で暗いが、当時のレンズとしては、凄いのではないか。5.6とかになってもおかしくはなかったのではないかと感じる。

描写はズームらしくないシャープな絵が撮れる。レンズ交換をしたくないシチュエーションで大活躍だ。

100mm付近が特に優れているといわている。正直、私にはよくわからなかった。ただ250mmまで伸ばすと少し色が落ちるように感じる。

◆悪いところ
やはりズッシリと重い。まあ5倍の高倍率だ。致し方ないだろう。

カメラに着けてストラップで下げてると、重力にしたがって自然とズームが勝手に望遠側に移動する。これは「直進式ズームレンズ」の全て共通に言えることだが。

フード内臓はありがたい。ただ、望遠側では役に立っているのか不安になる。かといって望遠側用のフードを付けるとズームの意味がなくなってしまう。これも高倍率望遠ズームの宿命か。

◆エピソード
私がこのレンズを手に入れたのは、85-250mm F5と撮り比べしてみたいという理由だけだった。こっちが後発なので、当然それなりに性能が上がっているのではないかと思った。それにかつての憧れの「直進式ズームレンズ」だ。それでためしてみたくなったのだ。

85-250mm F5は回転カムズームで、フォーカシングリングとズームリングが分離した2リング方式だ。だがこの新型の50-250mm F5のほうは、直進式ズームレンズで、リング一つでフォーカシングとズームを両方まかなう方式だ。左右に回してピントをセットし、前後に動かすことでズームをセットするのだ。

MFからAF方式に切り替わる過程でこの直進式ズームレンズは全滅し、2リング方式が現在の常識だ。だが、当時は2リング方式が古臭く、直進式ズームが最新式で憧れだったのだ。持ち替えなくてもいいので、アクティブな撮影に向くのだ。皮肉なもので、この憧れのズーム方式は若い人には理解されてない。


<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

マクロも対応、万能の高倍率標準ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5/ズイコー 標準ズーム 35-105mm F3.5-4.5
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5
  • 画 質  ★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

◆愛称 「しんいり」
zuiko 35-105mm F3.5-4.5は、高校生の時の写真部の後輩が持っていたレンズだ。なので「新入り」

このレンズもOM20の発売とほぼ同時に登場した。なので古参からみれば新入りだ。

◆良いところ
何といっても広角~中望遠と、もっとも使用頻度の高い焦点距離をカバーしさらにマクロまでできるその「万能性能」だろう。

画角にあった距離でのピント合わせも自由自在だ。旅行にもってこいだ。実は愛称についても「ばんのうくん」とかにしようかと考えていたぐらいだ。

画質は甘く柔らかい。なんとなく古いエルマーやズミクロンのような滑らかさだ。ここは経年劣化もあと思うし、好みも分かれるだろう。ズイコーの特徴であるカリカリの色乗りコッテリした硬めが好みの人には向かないかもしれない。

コントラストは確かに弱いが、画風次第だろう。モノクロにはいい感じに撮れると思う。

最短撮影距離は1.5mだが、Close Focus機構で0.31mまで接近できる。Close Focusとはマクロのことだ。ただエクステンションチューブが内蔵されていると同等の機能と考えればよい。そのままレンズそのものが前に繰り出してより近くまで寄ることができるのだ。近距離収差補正機構があるわけではないので収差の影響は多分にでそうだが、便利な機能だ。

色合いは明らかに他のズイコーとは違う風味。実はこのレンズ、TokinaのOEMなのだ。その証拠にzuiko 35-105mm F3.5-4.5と全く同じスペックのレンズがTokinaから同じ時期に出ている。見た目もそっくりだ。

「S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5」のように「S」がついているのがOEMとのことだったが、zuiko 35-105mm F3.5-4.5については、SがついていなくてもOEMなのだ。ZUIKOはよほどOEMとはいいたくなかったのだろうか。(わたしはごく最近まで純正と思い込んでいたが。)

80年代中盤ごろからにわかにズームレンズがブームになった。OLYMPUSもその時流に乗るためズームレンズの発売を目指すのだが、いかせんレンズ専業メーカに後れをとっていた。開発コストを抑えながら素早く販売したい・・その解決方法がOEMによる提供をうけることだ。自社開発ではどうしても後れを取ってしまうからだ。

当時のターゲットユーザは若者にシフトしていた。若者はお金がないから何本もレンズが揃えられない。多少の品質よりは、安価で広角から望遠までカバーしマクロ機能までついた、万能性の高いレンズのニーズが強くあった。こうした背景からこのレンズはトキナーの提供により生まれたのだろう。

よく見てみるとzuiko 35-105mm F3.5-4.5だけは他のズイコーレンズとは明らかに見た目のデザインがかなり違う。絞りの位置もマウント側だし、マクロ機能をClose Focusと表記するのもこのレンズだけだ。

◆悪いところ
このレンズは前期型と後期型があり、大きさと刻印表記が若干違う。

〇前期型
・S / N <500,000:重さ460g、全長106mm、最大径86mm、最小系42mm、赤外線集束ドット(赤色)がある

〇後期型
・S / N> 50,000:重さ470g、全長107mm、最大径87mm、最小系38mm、赤外線集光ドットなし

このレンズの描写性能はあまりよく言われていないのが現実なのだが、おそらく前期型の性能評価がいろいろいわれているのだろうと思う。

やはり後期の方が光学性能は優れているようだ。後期型であればそこそこの評価できる性能のようだ。もし中古で探す場合は、後期型を強くお勧めする。ただ出荷量が少なかったようで、後期型は中古市場では見つけるのが大変だ。

◆エピソード
80年代の初頭、高一の時にアルバイトで貯めた貯金を全額はたいて親にも泣きついて得た資金で何とか買ったのがOM10とs zuiko 35-70mmF3.5-4.5だった。カメラ屋の主人がずいぶん薦めてくれて値引きも大きかったのだ。するとその年の秋にはOM20が発表された。ははーんそういうことかと。当時の高校生としては大人の巧みな商売の一端を知ることのできた瞬間だ。

その後学校に写真部を作って、2年生になって後輩ができた。その後輩がOM20を持ってたのだがそのOM20のキットとしてついていたのがzuiko 35-105mm F3.5-4.5だった。

先輩である私のOM10+zuiko 35-70mmF3.5-4.5と後輩のOM20+zuiko 35-105mm F3.5-4.5、明らかに後輩が上位グレードにあたる。先輩としては苦労してなけなしのこずかいと貯金をはたいてなんとか手に入れたのだったが、そんお後輩はあっさり親に買ってもらったものだった。

なんとも鼻につく生意気な後輩で、機材に対してはなんとも悔しい思いがあったが、次第にその写真の作品の腕前で優位に立つことができた。先輩としての意地というやつかな。

現在でも機材の良し悪しやグレードの高い低いで自尊心がくすぐられるものだが、それを写真の出来栄えに変えて精進したいものだ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

OMズイコー最後のレンズにして最高描画の大口径標準ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8/ズイコー 標準ズーム 35-80mm F2.8

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★☆
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

◆愛称 「ずーむだま」
OMズイコーでは35-70域の標準ズームは、35-105も含めると6本もある。zuiko 35-80mm/f2.8はその中でも極めて優秀なズームだ。私がつけるレンズへの愛称にはちょっとしたルールがあって、優秀レンズに対しては称号として「たま」を付けるようにしている。OMズイコーのF値2.8通しの高級版ズームレンズ。なので「ズーム玉」だ。

◆良いところ
1994年11月、10年という時を経てOM3がOM3Tiとして復活した。このzuiko 35-80mm/f2.8はOM3Tiとのセット販売向けに特別開発されたものだった。

このレンズの性能を考える時にOM3Tiがどういう目的で再現されたかを考える必要がある。ちょっと歴史講義ぽくなるが、それまでの流れを説明する。

1986年7月OM-4Tiが発売開始。OM-4のマイナーチェンジだが、これはヒットしロングセラーになった。ところが同10月に発売のOM707が大失敗。その後AF特許の問題もあって、当分はAFに手が出せなくなった。1988年OM101を発売するがまたしても大失敗だ。その後しばらくロングセラーのOM-4Tiに頼って難をしのぐ。そして1994年11月、6年間ぶりの一眼の発売となるのがOM3Tiだ。

これまでビギナー向けで失敗しているので、今度のOM3TiはOM4Tiよりもより上位を目指すセミプロユーザがメインターゲットとなる。そのOM3Tiにセットとして開発されたのがzuiko 35-80mm/f2.8だ。当然プロも納得する妥協を許さない高性能レンズでなければならない。

こうして別格で秀逸、そして価格も格別なこのzuiko 35-80mm/f2.8が生まれたのだ。最高の性能なのは当たり前だ。ED(特殊低分散)ガラスや異常分散レンズがふんだんに使ってあり。まさにオリンパスの技術の粋を集中し威信をかけた開発だったに違いない。

◆悪いところ
問題はレンズが大きいことだ。

オリンパスはコンパクトさと描画性能の両方を優先したレンズが多く作っている。その犠牲になったのが絞りの明るさだ。明るさと引き換えにコンパクトで高い描画性能を実現してきたといっていい。

ところがこのレンズはズームで2.8と明るく高い描画性能。おのずと大きさが犠牲になる。他社のように描画性能を犠牲にしないそのこだわりは賛美すべきだろう。

OMズイコーとしては異質の62mmフィルタを使う。ここにきて49mm,55mmというフィルター系統一というこだわりを捨てた。それは思うにオリンパスとしても新しいZUIKO時代の幕開けのようなものを考えていたのではないだろうか。

ところが、OMシステムそのものが2003年生産及び販売を終了してしまう。もっと長く続けてほしかったものだ。OMズイコー最後のレンズは、オリンパスらしくはない大きく重たいレンズだが、華々しく素晴らしい描画性能を持った最新のズームレンズだったのだ。

◆エピソード
zuiko 35-80mm/f2.8は、前述のとおりOM-3Tiと同時発売になったOMズイコー最後のレンズとなった。(コシナOEM製のOM2000と同時発売のOEMズイコーレンズ、OM701/101用AFレンズを除く)

しかもOMズイコー最初で最後の花形フード。私はこの花形フードが欲しくてたまらなかった。

最初にヤフオクで落としたzuiko 35-80mm/f2.8には花形フードがついてなかった。なので、花形フードだけをあっちこっち探し回ったが出回っていない。それはそのはず、最後に発表されてたレンズだけに生産量がすくないのだ。それで致し方なくフード欲しさにもう一本zuiko 35-80mm/f2.8をヤフオクで落とした。

その大きさと重さのために、s zuiko 35-70mm/f3.5-4.5ほど気軽く持ち出せないが、ここぞというときに使っている。高級ズームらしい使用感だ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF

当時の最先端AFを実現したOMズイコー唯一のレンズ

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF / ズイコー AFズーム 35-70mm F4 AF

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF

◆愛称 「ろぼこっぷのてき」
80年代の初頭、これが発表された当時は、まだまだAF技術は発展途上であったので、コンセプト的な商品だったのだろう。

だが各社AF時代の幕開けとしてしのぎを削って発表していた。ペンタックスが一眼レフのAFとして初めて市販化し、次いでOLYMPUSがOM30とzuiko 35-70mm/f4 AFで実現。キャノンやニコンはまだまだ後発だったのだ。

当時はフォーカスセットが現在のようなリニア式モータなんてないものだから、普通のモータでフォーカスリングを手の代わりに回してくれる。たいして早くはないし正確ではないが、ゴッツイ駆動部が突起していてたいそう仰々しい。

当時私は、このAFという新時代の夜明けをカメラ屋でまさにこのOM30とzuiko 35-70mm/f4 AFで体験した。その第一印象が、「ロボコップででてくる敵側のでかくて動きの悪いロボ」だったのだ。

◆良いところ
OM-30に取り付つけ、M.インフォーカストリガーコード、ワインダーを併用することでピントのあった瞬間にレリーズされる「ゼロインフォーカス」機能による撮影が可能となるった歴史的なAFレンズだ。

ところで、このAFレンズと、コシナからOEMで供給されていたS ZUIKO 35-70mm/f4はAF機構部分を除いてレンズの形状はそっくりだ。レンズ機構はコシナが供給し、オリンパスがAF駆動部分を担当したのだろう。いずれにしてもS ZUIKO  35-70mm/f4は、AFに転用されるほどの評価があったということだ。

◆悪いところ
冒頭の愛称の説明でも書いたが、このレンズはAFの幕開けとして。ニコンやキャノンがまだ取り組んでいない段階でペンタックスに次いで発表された製品だ。

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF話題の製品となり、OM30との組み合わせによるオートフォーカスの必要性が注目され「ゼロインフォーカス」などAFによる新らたな可能性を提案した形となった。オリンパスとしてもどうだ~という気分だっただろう。

ところがだ。たいして人気を得ることはできなかった。当時のオートフォーカス一眼レフカメラは「ロボコップの敵」のように、でかくて動きの悪い未成熟の製品としてしか消費者には映らなかったのだろう。

そこに1985年2月、まさにAF革命が起きた。「ミノルタ α-7000」の発表だ。このオリンパスの努力をあっさり超える爆発的な超ヒット商品が登場したのだ。その数年後、私も、家族が増え、中古のα-7000に乗り換えたのだった。(現在また戻ってきたが・・。)

◆エピソード
前日のとおり私は80年代初頭の高校生のころカメラ屋の店頭で初めてzuiko 35-70mm/f4 AFを触った。自動でピントをあわせてくれるオートフォーカスというものに興奮したものだ。

だがなじみの店主は「こんなん役に立たたないよ」と鼻で笑う感じだった。まあそれもそうだ。当時としてはモータでのピント合わせは随分遅い。人間の力にはとても及ばないものだった。

「ゼロインフォーカス」といえばカッコイイ。だが、相手がこちらに向かってくる際にピントが合えばシャッターが下りる仕組み。つまりレンズ側のモータがあまりに遅いので、こちらから適正ピントにまで移動して撮影することを提案した商品だ。商品のデメリットを出さずにメリットに変えた売り方だ。まあさすがに商魂たくましいというか、、、モノはいいようだな。

ま、でも売れなかった。そんな使い方だけのためにはチト高すぎたんだよね。


<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF  良好 保存&常用

 

<作例>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4

どこか高級感のあるコシナのOEM。安定の描画性能

OLYMPUS OM-SYSTEM S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 / ズイコー 標準ズーム 35-70mm F4
S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★
S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4

◆愛称 「せんぱい」
80年代初頭の高校生の時に初めて買ったレンズがOM10とキット販売されていたs zuiko 35-70mm F3.5-4.5だった。今回紹介するs zuiko 35-70mm F4よりワングレード下だった。文化祭だったと思うが、先輩がOM2Nとこのs zuiko 35-70mm F4を「どうだ~」と言わんばかりに誇らしげに持っていた。いいなぁと思ったものだ。

で、先輩が持っていたので「せんぱい」と呼ぶようになった。

◆良いところ
開放からなかなかキリッとしたシャープな描写をしてくれる。70側も35側もどちらも安定した描写性能だ。安心して使える感がある。

s zuiko 35-70mm F3.5-4.5ほどの軽さや携帯性は持っていないが、しっかりした作りを感じつつ、重量はとても軽い。プラレンズだが安ものの感じがしないのがいい。

◆悪いところ
高校生のころ男同士でこそこそ、女子の批評をしたことはなかっただろか。あの子はあの子よりかわいいとか、あの子よりスタイルがいいとか・・・。比較対象がいるから評価がしやすくなるものだ。

このs zuiko 35-70mm F4は、なにかと比較の基準にされてしまう傾向がある。

s zuiko 35-70mm F4よりzuiko 35-70mm F3.6は明るい。とか、
s zuiko 35-70mm F4よりs zuiko 35-70mm F3.5-4.5はちっちゃくてかわいいとか、
s zuiko 35-70mm F4よりzuiko 35-105mm F3.5-4.5は一層望遠が使えて便利だとか、、
こんな具合にである。

つまりは中立的な立ち位置にある。特徴がないのが特徴ということか。だが、特段大きな欠点もないのが特徴でもある。

◆エピソード
S ZUIKOと「S」が付いているのはサードパーティ製を表している。コシナのOEM製だ。写りは納得である。

28-48mm F4のところでも書いたのだが、普通はOEM製だとしてもわからないようにするものであって、堂々と「これはよその製品だよ。うちでは作ってないよ。」とわざわざメーカが表記するなんてこれは他の製品なら珍しいことだ。オリンパスとしてはリスクをとったのだろうか。もし評判が悪くなった場合に「うちのじゃないもーん」と逃げ切れるとおもったのか?

でも結果としては高評価になったのだ。オリンパス純正でないにも関わらず結果素晴らしい評価を上げた。「S」が付けなきゃオリンパスの評判になっただろうに。

ところで、35-70mm F4 AFというOMズイコー唯一のAFレンズがある。当時はまだAF技術は発展途上であったので、コンセプト的な商品だったのだろう。このAFレンズと、このコーナーで紹介している35-70mm F4はAF機構部分を除けばほかはそっくりだ。全てコシナに作ってもらったとみるか、レンズ機構はコシナが供給し、オリンパス(もしくは他の外注企業)がAF駆動部分を担当したか、そのどちらかだろう。いずれにしても35-70mm F4は、AFに転用されるほどの評価があったということだ。

<諸元>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6

大口径を目指した妥協のない描画設計の標準ズーム

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6 / ズイコー 標準ズーム 35-70mm F3.6
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6

◆愛称 「あごがれのずーむ」
35-70という標準ズームの帯域は本数が多い。

1994年奇跡の復活を遂げたOM3Tiと同時に「zuiko 35-80mm/f2.8」が発売されるまでは、このzuiko 35-70mm/f3.6が最高スペックの標準ズームだった。

私が高校生のころの80年代前半にはまだ「zuiko 35-80mm/f2.8」がなくて「zuiko 35-70mm/f3.6」が憧れの存在だったのだ。

◆良いところ
考えてみれば、コシナからOEM提供の「S ZUIKO 35-70mm/f4」があるが、0.4の差でしかない。性能はあまり違いが感じられないが、「zuiko 35-70mm/f3.6」の方が大きくズッシリしている。解像度も高く、コントラストよく色乗りのいい画質だ。

ところで、通常は「F3.5」が多い。にもかかわらず「F3.6」としたところがOLYMPUSらしい。おそらくだが、このわずか0.1のこだわりがあったに違いない。F3.5で設計した場合にわずかの品質低下が許せなかったのだ。

描画性能にこだわり、ギリギリ許せたのがF3.6だったのだろう。当時としてはF4が普通だったのでF3.5でもF3.6でも大口径ズームと認められたのだ。そんな0.1のこだわりを感じ信頼してこのズームで撮影してみようという気持ちにさせられるのだ。

◆悪いところ
「35-70mm」とはとても思えない望遠のような大きさだ。現在だったらF2.8でもおかしくないのにF3.6 だ。

当時はまだオリンパスはズームレンズの開発が始まったばかりで技術集積がこれからという時代。その時代のハイエンド版だ。大きさが犠牲になったのも致し方ないのだろう。

◆エピソード
たまたまなのか、ネットでゲットしたこの「高級35-70mm」は不満があった。1本目はレンズは申し分ないが筐体が傷が目立った。2本目は筐体はとてもきれいなのにレンズがちょっと曇っていた。

そこでネットは諦め、銀座の中古カメラ店数件をじっくり散策して、高かったが納得いくものをゲットしたわけだ。でもよく考えたら最初の1本目と2本目をニコイチすればいいのができたことに気づく。

そこで知り合いの修理士に頼んでつくってもらったところ素晴らしくいい状態のものができた。なので現在そっちをメインで使っている。後の銀座でじっくり選んだ方は現在売り出し中だ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5

軽量コンパクトで癖のない優秀な写り。最高の餅撒きズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5/ズイコー 標準ズーム 35-70mm F3.5-4.5
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★☆
  • 総合評価 ★★★☆

◆愛称 「ぷられんず」
S ZUIKOと「S」が付いているのはサードパーティ製を表している。コシナのOEM製だ。小さく軽く性能もよい。銅鏡など主要部品の多くがプラスチックでできているが当時はプラによる銅鏡レンズはまだ珍しい部類だった。レンズまでプラスチックという噂があったが筐体のみプラでレンズはガラスだ。高校生のころ仲間に「プラレンズ」と言われてちょっとムカッとした記憶がある。

◆良いところ
重量190g。とにかく軽い。プラスチック製で安っぽいが、写りは期待以上だ。

コントラストが高く発色もクリアでシャープな写りを見せてくれる。

OM ZUIKOは35-70領域をカバーするズームが6本もある。その中では最も安価でコンパクトだが、最もシャープでかつ色乗りも良いのではないかと思う。

小型軽量で寄れるため旅行や登山等で活躍してくれる。クロ-スフォーカスと書かれた領域では30cm近くまで寄ることが出来、この当時のズームとしてはがんばっていると思う。

F値が変動するが、内部機構の工夫により、F4.5以上に絞ってあれば絞り環の表示どおりの絞り値で撮影できる。

銅鏡や絞りリングがプラスティックになっているところのだが、デザインで工夫されているのか全くチープな印象を与えるない。持って見て「あっ、かる~」って思っちゃう。

◆悪いところ
やむを得ないが、F値は暗く開放は変動する。

広角側では歪曲収差が少々目立つように思う。格子状の物体や建物はなるべく避けた方がいいだろう。

広角側の35-50mm前後ではシャープで非常によく写るのだが、テレ端では若干色が地味になるなど描写が落ちる傾向にあると感じた。

◆エピソード
80年代の初頭、私が生まれて初めて買ったカメラOM10のキットで付いてきたのがこのレンズだ。愛称の説明でも書いた通り、軽量のため銅鏡などの本体にはプラスチックを多分に使っている。今となっては小さく軽く性能も良く評判のいいレンズでお気に入りの一つなのだが、高校生のころこのレンズを手にしたての私はそれが安っぽくて不満だった。

所詮、付録でついてきた安物レンズというイメージだ。ズームはいいのだが、F4.5という暗さも不満だったし、コシナのOEM製で純正ではないというのも青二才の当時の私には劣等感の材料になっていたのだ。やはり、冷たくずっしりとした重みのある明るい単焦点がいいなとあこがれていたものだが、面白いもので月日がたち、現在では思い出とともに大切な宝のレンズになっているのだ。

OM開発責任者だったかの米谷美久氏はOMシステムの開発にあたって、「“大きい”、“重い”、“音が大きい”という三大悪を排除するのだ」という思想によりOMシステムを設計したという。このレンズは最もその思想に近いレンズだろう。今ではごもっともなことなのだが、当時の高校生(私)は、より大きく・よりずっしり重く・風格のあるレンズに憧れていたという、なんとも皮肉な話だ。

<諸元>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5

コーティング MC
画角  63-34°
レンズ構成 8群9枚
絞り・形式/範囲  自動/3.5-22
最短撮影距離  0.45m
最近接撮影範囲  21.7×14.5cm(CF, 70mm)
ピント調節方式 回転ヘリコイド
全長/最大径  51mm/62mm
質量  190g
フード φ51mmかぶせ
フィルター φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥34,000

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

<作例>

ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2

ソフトで柔らかくレトロな情景とポートレートに最適

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2 ズイコー 標準 55mm F1.2

 
  • 画 質  ★★☆
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★
ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2

◆愛称 「あとむくん」
zuiko 50mm/f1.2の前身のレンズだ。

かつて標準レンズといえば50mm F1.4が一般的だったのだが、当時の大口径ブームにより、各社は競ってF1.2の標準を開発しはじめた。しかし、当初50mmの焦点距離でF1.2を実現するのは技術的に難しかったようで、初期のF1.2レンズは、僅か長焦点の 55~58mmクラスになっていた。

OLYMPUSもその時流に合わせ開発したのがこのzuiko 55mm/f1.2だったようだ。

50mm近くにまでレンズの屈折率を上げ、かつ明るいレンズを作るために酸化トリウムを使ったと言われている。このトリウム、実は放射能が出るらしい。なのでこのようにトリウムを使ったレンズをアトムレンズと言われているのだ。ただ人体にはほとんど影響はないらしい。ガイガーカウンターで計測すればわずかに針が振れる程度なのだそうだ。

そこでzuiko 55mm/f1.2を「あとむくん」と呼ぶようになったのだが、トリウムは旧式の50mm /f1.8や50mm/f1.4でも使われていたこともあるようで、アトムレンズはこのレンズだけではなかったようだ。アトムレンズはたいてい古くなると黄変するので、黄色いレンズはアトムレンズの可能性があると考えてもいいだろう。

基本的にフイルター枠が銀縁のタイプはこれで、後期の黒縁のタイプはアトムレンズではないはずだ。

◆良いところ
正直言って、この初期の 55~58mm級のF1.2レンズは、ただ明るいだけであって描写力は不満が残るものが多い。特にF1.2開放の描写性能はかなり落ちる傾向がある。

一般的にはシャープで固めな描写なOMズイコーにしては、このzuiko 55mm/f1.2は(珍しく)柔らかく綺麗なボケが魅力的な描写だ。

開放は「とろん」としたとても優しい描写だ。ピントが合えばとても線の細い描写となる。F2.8まで絞ればシャープとなり普通にも使える。開放では(よく言えば)ソフトフォーカスみたいになるので、ポートレートとして使うのが最適だ。風景はしっかり絞って使いたい。

40年以上も前のレンズで、オールドレンズというよりはクラシックの域にあるレンズといってもいいかもしれない。街をレトロな描写で撮影したいときにもいいと思う。
たとえるなら角のあるとんがってた人が、年をとって親父になると、まあるく柔らかくなったようなイメージ。でも頑固でこだわりを持ち続けている、そんな描写だ。

◆悪いところ
zuiko 55mm/f1.2は太くずっしり重く、クラシカルな要素たっぷりのOMズイコーだ。一時期、意外にも高値になっていたようだが、いまの基準では評価の低いレンズかもしれない。ただクラシックレンズの描写に近いので、それが情緒的でいいね。という人もいるので、評価は二分されるだろうな。特に開放ではもやもやした感じが賛美別れるところ。やわらいのが好きな人にはいいが、OMズイコーらしいキリッとしてコントラストもしっかりしているのが好きなひとには物足りなくなるだろう。

初期型のフィルター銀枠はフレアやにじみがすごい。またレンズはアトムの影響か、黄変(黄土色に変色)してる(焼けてる)ことが多いが、後期型の黒枠になるとにじみは少く、黄変もしていないことが多いようだ。ちなみにどちらもシングルコートしかない。

何年かすると絞りに油が染みて動きが鈍くなるらしい。定期的なメインテナンスが必要になるのかな。

◆エピソード
銀枠のOMズイコー のなかで一番好きだ。M-1のシルバーにつけるととてもかっこいい。大きなレンズに気持ちも踊ってしまう。できればM-SYSTEMの銘のついたzuiko 55mm/f1.2がほしいんだよな。そもそも存在するのかすらわからない。誰か教えてほしい。⇒みつけました。ありました。買えなかったです。( ノД`)シクシク…

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<諸元>

ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2

コーティング MC
画角 43°
レンズ構成  6群7枚
絞り・形式/範囲  自動/1.2-16
最短撮影距離  0.45m
最近接撮影範囲  23x15cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  47mm/65mm
質量  310g
フード  φ57mmかぶせ
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  調査中

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z030  M-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2(銀枠)  良好 保存&常用
Z031 ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2(黒枠)

 

<作例>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

イザという時のコンパクト軽量な安定したマクロ性能

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5 ズイコー マクロ 50mm F3.5

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★★☆
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

◆愛称 「こまくろだま」
zuiko 50mm/f3.5といえば、かの銘玉中の銘玉だといえるzuiko 50mm/f2の”廉価版”としての位置づけだ。にもかかわらず評価はとても高い。F2もF3.5もどちらも優秀レンズの称号として「たま」を愛称につけたくて「おおまくろだま」と「こまくろだま」と名付けた。

◆良いところ
収差がよく補正されていて解像度はとても高い。絞り開放から非常に緻密な描写をするレンズで、非常に安定した描写性能を示す。先ほどzuiko 50mm/f2の”廉価版”としてのF3.5と書いたが、マクロレンズとしてzuiko 50mm/f3.5はいたって普通のことだ。スペックは普通だが、なによりもこのコンパクトさでそれを実現したマクロ性能の方を称えたい。

とにかくコンパクトなマクロレンズなので持ち運びがとても楽。普通撮影でも十分な能力なので、いざというときに備えて一本常備しておきたくなる。

◆悪いところ
普通の標準と同じように考えたらzuiko 50mm/f3.5は”暗い”ということになるが、デジタルでの利用でそんなに気にする人は少なくなっただろう。ただ、ボケはちょっと硬い感じで美しくはない。なので、むしろしっかり絞ってマクロにも使うという人にはとてもいいとおもう。

絞り開放では若干フレアが残り、少し滲んだような描写になる。しかしピントの芯そのものはしっかりしている。一段のF5.6まで絞ると非常にクッキリとする。一番美味しい絞りはF5.6だろうな。

ちなみに、このレンズの絞りリングはF4という設定がない。F3.5の次はF5.6にしかクリックできないのだ。まあしょうがない。

◆エピソード

ある一日がかりの資格試験を受けに行ったその昼休み、近くの公園で花が奇麗に咲いているので、このレンズで撮影してみた。あまりに奇麗にとれるので夢中になりすぎて、午後からの試験をすっぽかしたことがある。それだけ病みつきになれるレンズなのだろう。軽くてコンパクトで性能のほどよいレンズならzuiko 50mm/f3.5がお勧めだ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

コーティング MC
画角  47°
レンズ構成  4群5枚
絞り・形式/範囲  自動/3.5-22
最短撮影距離  0.23m
最近接撮影範囲  7.2×4.8cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  40mm/60mm
質量  200g
フード  不要(公式には)
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥62,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z029  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2

通常撮影でもマクロでも秀逸な描写力。至高の標準

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2 ズイコー マクロ  50mm F2

  • 画 質  ★★★★★★
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★★

◆愛称 「おおまくろだま」
オリンパスの力を示す銘玉中の銘玉だ。この50のマクロにはzuiko 50mm/f2の他に50mm/f3.5という”廉価版”が用意されている。どちらも評価の高いのだが、特にF2の方はF2という明るさをマクロで実現しつつ、ずっしりとした重みと大きなレンズが所有欲を満たしてくれる。どちらも優秀レンズの称号として「たま」を愛称につけたくて「おおまくろだま」と「こまくろだま」と名付けた。

◆良いところ
そもそもマクロレンズとは、近接撮影ゆえに収差の影響が大きくなる。その収差を極限に抑えようとするとどうしても開放F値をおさえておくのが普通で、たいていのマクロはF3.5よくてもF2.8が普通だ。そんな中で当時F2を実現したのがOLYMPUSのすごいところだ。

zuiko 50mm/f2は、明るさとマクロ撮影の両面での描写性能を実現するというたいへんな技術力が必要だったに違いない。

とても開放からシャープでちょっと絞ればかなりキリリとした描写だ。そのうえ硬すぎるということもない。そしてボケがやわらかく美しい。ボケが大きくふんわりしてピンのあった部分はキリリとするそのメリハリの良さは私の大好きなところだ。

◆悪いところ
OM ズイコーらしくないその大きさかな。(当時の他社より製品よりは小さい方と思うが。)鏡胴が太く、重量もずしりとしている。でもこれだけの性能のレンズだ。全く気にはならない。ただどうしてももう少し軽いのがいいということなら「こまくろだま」のzuiko 50mm/f3.5マクロを選択すればいい。性能もそこそこだ。

◆エピソード
このzuiko 50mm/f2はマクロらしい風貌だ。とても所有欲を満たしてくれてとってもお気に入り。これと90F2マクロとのセットで持ち出すことが多い。前面レンズが奥に引っ込んでいるためフードが不要とのことになっているが、フードはつけた方がよさそうだ。フレアにやられたことはないが、いちおう念のためだ。omfanのimaiさんのHPを参考に、コンタックスのメタルフード(No.4)をつけてる。

<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2

コーティング MC
画角  47°
レンズ構成  7群9枚
絞り・形式/範囲  自動/2-16
最短撮影距離  0.24m
最近接撮影範囲  7.2×4.8cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  55mm/69mm
質量  320g
フード  不要(公式には)
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥100,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z028 ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>