2倍程度のいもズームと思いきやプロも認める高性能
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4/ズイコー 望遠ズーム 75-150mm F4
|
◆愛称 「いもれんず」
どうもOMズイコーの中望遠~望遠はずんぐりむっくりしたデザインが多い。みた目の印象が「イモっぽい」のだ。なので総じてこれらをいもレンズと呼ぶ。(性能はイモではない)200mm/F4は「おおいも」で200mm/F5は「こいも」、85-250mm F5は「ながいも」となる。そのなかで75-150mm F4は代表的な「いもレンズ」なのだが、決して性能はイモではない。
◆良いところ
ズームレンズの黎明期から登場しておりロングセラーとなったレンズだ。そのため中古市場でもあちらこちらで安価でみかける。
そのため”廉価版”として安物の印象が残るのだが、ところがどっこい。意外にも描写力はとても優れているのだ。
赤城耕一氏著「使うオリンパスOM」においても高い評価を与えている。
「画質は驚くほど高く、実にシャープなレンズである。特に75ミリ側が優れているようだ。ズイコーにしては特に硬いという印象がなく、階調再現に優れているところも評価したいし、モノクロにも抜群の相性をみせる。カラーの再現も現在のレンズと比較しても全く問題がなく、ヌケがよいため品の良いレンズのように思える。」
◆悪いところ
ズーム比はわずか2倍。ズームとしての実用価値は高くはない。むしろズームとは思わず135mmF4と思って、多少引きも寄りもできると考えた方がいいかもしれない。単焦点と考えても問題ない描写力だからだ。
実は発売最後までマルチコートにはならなかった。刻銘には「F.ZUIKO」という表記ではなく単に「ZUIKO」となっているにも拘わらずだ。
そのため、逆光に弱いのが欠点だ。組み込みのフードがあるがちゃっちので、しっかりしたフードをつけよう。
◆エピソード
80年代初頭の高校生のころは望遠ズームが一般にも広がりを見れている時期だった。それまでは100mm/135mm/200mmという単焦点をつかうのが一般的だったため、最初のころはまず135mmが欲しいと考えていた。ところが一気に望遠ズームがブームになり、やっぱり望遠といえばズームでしょ、という時代になったのだ。そこで検討していた135mmF3.5よりも明るさがさほど変わらないなら75-150mm F4のズームのほうが、いいじゃないかということになった。当時はレンズ性能よりもコストと使い勝手が優先されたのだ。(その後ほどなくして135mmF3.5はカタログからも姿を消した)
私が初めて買った望遠系レンズこそ、この望遠ズーム75-150mm F4となる。カメラ歴としては2番目にゲットしたレンズだ。中古で買った。ズームとはいえ2倍程度のズーム比。現在では大した性能ではないズーム性能だろうけれども自分としては初めての望遠でもあり、お気に入りのレンズだ。
愛称は「いもレンズ」だけにイモっぽくてダサいのだが、小さく軽いのがいいところだ。
最近になって、当時のプロの間ではずいぶん評価が高かったことを知り意外な感じがした。当時の高校生でも買える比較的リーズナブルな価格で、出荷本数が多いのかそこらじゅうの中古屋で目にする。ごくそこら中にありそうなイモっぽいズームだが高性能だっただなんて。
こういうことがあるのがOMズイコーなんだよなぁ。
<諸元>
ZUIKO AUTO-
|
|
<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
Z0 | 良好 | 保存&常用 |