失敗するから面白い「オールドレンズ」の魅力

今では、カメラといえば「デジタルカメラ」が当たり前の時代だが、昔は「フィルムカメラ」(銀塩カメラ)が当たり前だった。(先日社員にこの話をしたところ「フィルム」を知らない若い社員がいてショックだったが・・・。)

当時、銀塩カメラに使われていたレンズは今では「オールドレンズ」と呼ばれ、最近人気が出てきたようだ。※今更かな?
(先日、旧知の中古カメラ屋さんに久しぶりに顔をだしたら、最近久々に売れ行きがいいとのことでホクホク顔だった。前会った時は「つぶれそうだ」って嘆いてたんだけどなぁ。)

その理由の一つが、レンズ交換式のミラーレスカメラの大ヒットだろう。
この数年、キットレンズを卒業して別売レンズに挑戦する人も増えてきたが、更なる選択肢として“オールドレンズ”が注目されてきている。
最新のミラーレスカメラに専用マウントアタプターを介して往年のレトロなレンズ
をくっつけて撮影を楽しむスタイルだ。

まさにそれのスタイルを「王道だ!と思って半年前からOM-ZUIKOで始めてきたわけだ。

最新鋭レンズがその進化の過程で失ってしまった“個性”を色濃く残していることがオールドレンズならではの特性だ。OM-ZUIKOのもつ個性的な魅力をミラーレズが引き出してくれているわけだ。

かつて多くのカメラ愛好家を魅了した往年の名玉はもちろん、中堅クラスのレンズでもその面白さを味わうことができる。私のように「普通に撮るだけなのはもう飽きた」そんなふうに思い始めているカメラファンが増えているってことだろうか
今のカメラは、露出(光の量の調整)も自動だし、ピントはAF(オートフォーカス)で自動で決めてくれる。手ぶれ補正もあったりして精度は抜群。色や雰囲気まで自動で手堅くしっかり写してくれる

つまり、「失敗しない」のだ。

撮影者はカメラを向けてシャッターを押せばよい。出来上がる写真が予想どおり。何も考えなくても、見たとおりの景色をほぼ間違いなく記録してくれる。

その点オールドレンズは、ピントは手動で合わせなければならず、絞り(光の量をコントロールする機能)も手動だ。あえてオートを捨てて、マニュアル操作でいろいろ自分で考えないとならないが、それが逆に自分だけの写真を作ることができて楽しいのだ。

例えて言えば、車好きの人があえてオートマチック車ではなくミッション車で運転するようなもの。(このたとえも若い人には無理があったかな??)

また、精度も高くないのでフォーカスが甘くなったり、白飛びしちゃったりとクセが強いものが多い。でもそれが味になったり、予想の付かないものが撮れたりと写真の意外性を生み出してくれる。

どんな風に写ったかな?と結果を見るのが楽しみになるのだ。
もっと写真を楽しみたいならオールドレンズがおすすめ!

オールドレンズは種類も豊富で、中古カメラ市場でも1,000円~と安価で手に入る。掘り出し物を目当てに中古カメラ屋を回るのも楽しいものだ。

15年ぐらいの昔は、カメラといえばフィルムが当たり前で、1本のフィルムが24枚か36枚撮り。たしか1本400円ぐらい。(さらに現像費用とプリント費用が掛かり、24枚で1,000円前後だったかな・・・。)

一枚一枚が貴重でしたからシャッターボタンは気軽には押せなかった。

出来あがった一枚一枚はとても大切なもの。だから仕上がりが楽しみで、みんなで一枚一枚を楽しんだ・・・その写真の情景は強く記憶に・心に残ってきた。
現在では1枚のSDカードをセットすれば、あとは何枚でも撮れる。(16GBのSDカードで一般的なカメラで軽く1000枚以上は撮れます。メモリーが切れる前に電池が切れそうだが。。。)

撮った写真はちゃんと確認しているだろうか?あとから整理するつもりで撮り貯めて、結局パソコンにコピーしてそれっきりってことになってないだろうか?
~バシバシと撮った写真、記憶にも残らず蔵の中~
PCの不具合で消えちゃってても気づかなかったりして・・・。

最近のカメラ市場を考察して思うのは、「失敗しないから考えなくなる」「成功が当たり前に続くと過ちに気づかなくなる」ということだ。

普段の仕事の業務でもそうじゃないだろうか?
仕事がうまく行くことはいいことだが、それが当たり前に続いていくうちに、いつの間にか危機感を忘れているかもしれない。真剣に考えることが少なくなり、いざという時の対応ができないようになっているのかもしれない。記憶にも心にも残らない仕事をしているのかもしれないよね。

順調にうまくいっていて、それがあたりまえになってきた時こそ危険な時だ!

「失敗するから面白い」

失敗があるから上手くいったときの喜びや感謝が記憶に心にのこる。ノウハウがたまる。適度な緊張感が常に危機管理を呼び起こさせてくれるのだ。

事業の存続に左右する失敗は困るが、それ以外の失敗は大いに歓迎して、一つひとつの仕事を強く記憶に、そして心に残こるよう大切に進めていきたいものだ。

そして、時にはあえてマニュアル操作で、味のある仕事を楽しんでいきたいものだね。