ZUIKO AUTO-MACRO 135mm F4.5

悪条件でも高いマクロ性能を発揮できる中望遠マクロの決定版

ZUIKO AUTO-MACRO 135mm F4.5 / ズイコー マクロ 135mm F4.5
ZUIKO AUTO-MACRO 135mm F4.5
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-MACRO 135mm F4.5

◆愛称 「おおまくろ」
「オートエクステンションチューブ65-116」または「オートベロ-ズ」を併用で使うのが大原則のマクロレンズだ。その場合、一番でっかいくなるので「おおまくろ」だ。

◆良いところ
キリッとしたピント、高いコントラト、やや硬めの描写はマクロ撮影のために徹底的に研究され設計されていることによるものだろう。曇り空など条件が悪い中でも色再現は抜群だ。

「オートエクステンションチューブ65-116」を併用で使うという特殊性から見て目も特殊な印象がするが使い勝手は簡単なものだ。ざっくりオートエクステンションチューブの伸縮で行い、レンズ側のフォーカシングリングで微調整をとる。

マクロ専用レンズという位置づけだが、オートエクステンションチューブを使えば無限遠の撮影も可能なので一般の135mmとしても使用できる。オートエクステンションチューブを使いながらも自動絞りは維持されている。

F値は4.5と明るくはないが、ピントの切れがいいのでピントはとても合わせ易い。

◆悪いところ
暗いF値、オートエクステンションチューブを使わないと使用できない特殊性、ゆえにその異様な風体と大きさ。そういったところが本レンズを一般的なものにしていない要因かもしれない。だが、上記の通りこのレンズはオリンパスの傑作ともいえる高評価マクロレンズなのだ。

糸巻き型の歪曲がやや気になるが、格子状の絵ずらを撮影することなどマクロではめったにないので気にしなくても十分問題ないだろう。

◆エピソード
使っていて実に気持ちいい。「オートエクステンションチューブ65-116」を併用だと図体はでっかくなるが、無限遠もでるため用途は広くなる。

気になるのはF4.5という暗さだろう。だがデジタルカメラで使うにはF4.5程度の暗さはさほどの欠点ではない。高画質で高感度のイメージセンサーがカバーしてくれるからだ。デジタルの現在では暗いことは欠点ではないのだ。むしろ使いやすくていい写りができればいい。α7sがあれば持ってこいだ。近づけないマクロ撮影。たとえば蓮の花や昆虫の撮影によく使う。

ところで、小さい被写体を撮影することを一般的に「マクロ撮影」と呼ぶ。ただニコンだけはなぜか「マイクロ撮影」と呼んでいるね。

・マクロ・・・「非常に大きい」「巨大な」
・マイクロ・・「非常に小さいもの」「極微」同=ミクロ

それぞれそういう意味なのだそうで、ということは小さいものを写すのだからニコンのいう「マイクロ撮影」が正しいし、小さいものを大きくするという意味では「マクロ撮影」も正しいのだ。

ともかくそんなマクロ撮影だが、被写体に寄ると自然と大きくなるので、寄れるレンズがマクロレンズと思いがちだ。それは間違いで、大きく写せるものをマクロレンズという。なので中望遠レンズなど、近くに寄ることができなくても、被写体を大きく写せるのなら「マクロレンズ」となるのだ。135mm F4.5はまさに寄らなくても大きく写せるマクロレンズなのだ。

ちなみにめいいっぱい被写体に寄って写すことを「クローズドフォーカス」という。コシナさんあたりがこの名称をつかってるが、オリンパスもレンズの最短撮影距離を縮める機能をCLAUSE FOCUSと呼んでいる。

ところで、このレンズの専用ラバーフードは90mmF2と兼用となっている。90mmF2用のフードを探し求めていた時に、実は135mmで持っていることが判ってがっくりしたことがある。

<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 135mm F4.5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-MACRO 135mm F4.5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-1:1 MACRO 80mm F4

極めて高いシャープ性能。世界的に珍しい等倍率専用マクロ

ZUIKO AUTO-1:1 MACRO 80mm F4 ズイコー マクロ 80mm F4

ZUIKO AUTO-1:1 MACRO 80mm F4
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★
ZUIKO AUTO-1:1 MACRO 80mm F4

◆愛称 「とうばいまくろ」
世界的に非常に珍しい等倍率付近撮影専用の80mmマクロレンズだ。

このレンズの刻印には「AUTO-1:1」とある。つまり等倍専用のマクロレンズなのだ。なのでズイコーで「等倍マクロ」と呼べばこのレンズのことだ。

例にもれず、「オートエクステンションチューブ65-116」または「オートベロ-ズ」を併用で使うのが大原則のマクロ専用レンズだ。本体はコンパクトだが、エクステンションチュ-ブによってかなり大きく感じられる。

◆良いところ
昆虫写真家の海野さんお気に入りのレンズとのことだけあって、画質は極めて高いシャープネスで実に満足のいく作品が可能だ。

またこのレンズには専用クローズアップレンズがあり,高画質で2倍までの撮影ができる。専用だけに画質劣化したり周辺部が甘くなったりすることがない。さすがマクロのオリンパスだ。

古い設計の古いレンズだが、まだまだ今の若いもんには負けないほどのシャープな画像が満足だ。

◆悪いところ
等倍専用マクロで,実際等倍前後の範囲しか撮影できない。用途が限られていて使いにくいレンズともなる。なので出番が少ない。

先ほど良いところとして「専用クローズアップレンズがあり,高画質で2倍までの撮影ができる。」と書いたが、実のところ、もっと近づきたいととっさに思ったとき、ごそごそバックから専用クローズアップレンズを探すのが面倒なんだよなぁ。

◆エピソード
マクロ専用レンズではあるものの、エクステンションチューブ25を使うとなんと、無限遠の撮影も可能だ。ただ、マクロのときと違って画質はよくない。まあ一応写るレベルなのでメーカもマクロ専用としたか。135マクロは無限遠の方も優秀なんだけどなぁ。

ところで、80年代90年代マクロ撮影といえばオリンパスが非常に評価が高かったと思う。そんなOMのマクロの顔となるのがこの80mm F4だったろう。OM4につけてマクロツインフラッシュを付けた雄姿がカタログやポスターをあっちこっちでみて「かっこいいなあ」と感じていた記憶がある。


<諸元>

ZUIKO AUTO-1:1 MACRO 80mm F4

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-MACRO 38mm F2.8

高倍率なのにシャープで忠実な発色の優秀マクロ

ZUIKO AUTO-MACRO 38mm F2.8 ズイコーマクロ 38mm F2.8

ZUIKO AUTO-MACRO 38mm F2.8
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★
ZUIKO AUTO-MACRO 38mm F2.8

◆愛称 「こうばいりつまくろ」
例にもれず、「オートエクステンションチューブ65-116」または「オートベロ-ズ」を併用で使うのが大原則のマクロ専用レンズだ。本体はコンパクトだが、エクステンションチュ-ブによってかなり大きく感じられる。

他社ではなかなか類するものがない高倍率マクロ専用レンズなので「高倍率マクロ」だ。

◆良いところ
専用のエクステンションチューブとの組み合わせることで、十数ミリの範囲を画面に写し取ることができる。

80mm等倍マクロと似た傾向で、結構シャープなレンズで,拡大撮影の割にはしっかり写る。発色もニュートラルで忠実系だ。

◆悪いところ
20mm F2/38mm F2.8/80mm F4/135mm F4.5のいずれにも言えることだが、マクロ撮影専用レンズであり、かつ、レンズ毎に指定の倍率前後の範囲しか撮影できない。高性能だが用途が限られていて使いにくいレンズなのだ。

単焦点とズームレンズの違いに似ているが、被写体の大きさをどの程度にできるか(倍率)毎にレンズを交換する必要がある。そういったことが面倒なため、本腰を入れたマクロ撮影をする目的意識がないとなかなか装備しない。したがって非常に出番が少ないのが残念だ。

高倍率のマクロ撮影では絞らないと被写界深度が出ないが、絞りすぎると逆に回析現象の関係で画質が悪くなる。f11かf16くらいのまでの絞りでは画質低下は少なくシャープな画像が得られた。

◆エピソード
ビオメター/クセノタータイプのマクロレンズだ。クセノタータイプは明るくはできにくいが、非点収差、像面湾曲や歪曲収差などを良好に補正できて、解像力の高くなる特徴がある。写りは納得だ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 38mm F2.8

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-MACRO 20mm F2

シャープで希少性高い12倍の超高倍率マクロレンズ

ZUIKO AUTO-MACRO 20mm F2 ズイコー マクロ 20mm F2

ZUIKO AUTO-MACRO 20mm F2
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-MACRO 20mm F2

◆愛称 「みくろまくろ」
例にもれず、「オートエクステンションチューブ65-116」または「オートベロ-ズ」を併用で使うのが大原則のマクロ専用レンズだ。本体はコンパクトだが、エクステンションチュ-ブによってかなり大きく感じられる。

6倍から12倍ものの超高倍率レンズだ。ここまでくるとミクロの世界。なのでミクロのマクロレンズ。ということで「ミクロマクロ」となった。

ところで「マクロ」とは「非常に大きい」「巨大な」という意味だ。「ミクロ」「非常に小さいもの」「極微」という意味。「マクロ撮影」とは小さいものを大きくするという意味でそうなったのだろうが、小さいモノを写すという意味では「ミクロ撮影」と呼ぶのが正しそうだ。

ちなみにニコンだけはなぜか「マイクロ撮影」と呼んでいるね。

◆良いところ
6倍から12倍。数ミリの範囲を画面に出す。まさに顕微鏡の世界だ。普通では見れないミクロの世界をファインダー越しに堪能することができる。
38mm同様、オリンパスのマクロレンズはベローズの繰り出しが短いところが大変シャープで一番良い性能になるみたいだ。またワーキングディスタンスも非常にとりやすい。

生産数があまりなかったのと、他にここまでの倍率で撮れるマクロ撮影用のカメラ用レンズがないこともあって状態のいいものは10万近くの高額で取引されていると聞く。

◆悪いところ
20mm F2/38mm F2.8/80mm F4/135mm F4.5のいずれにも言えることだが、マクロ撮影専用レンズであり、かつ、レンズ毎に指定の倍率前後の範囲しか撮影できない。高性能だが用途が限られていて使いにくいレンズなのだ。

単焦点とズームレンズの違いに似ているが、被写体の大きさをどの程度にできるか(倍率)毎にレンズを交換する必要がある。そういったことが面倒なため、本腰を入れたマクロ撮影をする目的意識がないとなかなか装備しない。したがって非常に出番が少ないのが残念だ。

◆エピソード
マクロ撮影全般にも言えることだが、特にこの倍率になってくると光量が全く足りず、絞るとまるで解像しなくなる。かといって開放だと被写界深度がかなり薄くて何を写しているのか分からくなる。なのでフイルム時代はフラッシュと三脚固定は必須だったようだ。昔の撮影は相当苦労してきたことがうかがえる。

デジタルの現在ではEVFで暗部もはっきり見ることができISOも高いのでマクロが容易く楽しめるようになった。OM-Dでは深度合成という画期的な手法で広範囲にわたりピントが合うという技術ができたが、ぜひオールドレンズでもこれができるようにお願いしたいものだ。

それにしても6倍から12倍という撮影ができるのはとてもすごい。一度トンボの目の拡大写真とか、蝶々が花の蜜を吸っている先っぽとかを取ってみたいものだ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 20mm F2

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

画質よくコンパクトで取り回しのいいカジュアルな望遠ズーム

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5/ズイコー 望遠ズーム 100-200mm F5

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5
  • 画 質  ★★★
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★
S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

◆愛称 「ひゃくにひゃく」
100-200mmの望遠ズームなのでその数字だけを読んで基本「100-200」と呼ぶ。ただそれだけの愛称だ。まあ佐藤さんを「サトー」と呼んでるようなものだ。

望遠ズームにしてはコンパクトで優秀なレンズだ。このレンズにはまだそれらしいニックネームが用意できてない。高価で上流階級向けのレストランの食事より、庶民のランチの方がかなり旨かったりすることがあるが、そういう例えでいい愛称がないか現在思案中だ。

◆良いところ
カジュアルなズームというのがぴったりな感覚だ。
望遠ズームにしては非常にコンパクト(長さ148mm、重さ570g)で写りもシャープで発色のいいとても優秀なレンズだ。

値段的にも主に、学生がターゲットだったのだろか。小さく軽いので、カジュアルな撮影や登山、風景、野鳥撮影、屋外イベント向けに開発されたように感じる。

◆悪いところ
100mm~200mmというなんとも微妙な2倍望遠ズームだ。積極的に使えるシーンがあまりない。

それにF5という暗さだ。オリンパスの場合「小さく軽く」は必ず絞り値が犠牲になっている。

テレコンバータを付けて鳥をとるのが取り回しがいいと聞いたが、F5の絞りがF10になっちゃう。200-400のズームでF10 ではいただけない。

デジタルカメラで使うにはF5程度の暗さはさほどの欠点ではない。高画質で高感度のイメージセンサーがカバーしてくれるからだ。デジタルでは暗いことは欠点ではないのだ。むしろ使いやすくていい写りができればいい。軽いし、映りはいい。α7sがあればもっといいのだが。野鳥撮影に使いやすい。

◆エピソード
80年代の中盤からズームレンズがにわかにブームになった。各メーカは必死になって開発したに違いない。特にその需要は学生に多かった。特に望遠レンズが人気があったが学生たちはお金がないのでサードパーティの安価なレンズが売れたのだ。

その時代に生まれたのがこのレンズだろう。サードパーティ(レンズ専門メーカ)よりも優秀で品質を維持しつつ、学生にも手の届く値段で提供しないといけない。しかも需要のあるうちに短期間で開発だ。

その答えが100-200mm F5というスペックになったのではないかな。

S ZUIKOと「S」が付いているのはサードパーティ製を表しているらしい。つまりOEMだ。

これは他の製品なら珍しいことだ。なぜなら普通はOEM製だとしてもわからないようにするものであって、堂々と「これはうちでは作ってないよ。よその製品だよ~」とメーカが表記するなんて。どうもこのころのオリンパスはズーム設計には自信がなかったのか、28-48mmや35-70mmなど他にも3本「S」が付いているものがある。これはコシナ製とのことで、小さく軽く性能もよく現在でも評判がいい。オリンパス純正でないにも関わらずだ。「S」が付けなきゃオリンパスの評判になっただろうに。オリンパスとしてはリスクをとったのだろうか。もし評判が悪くなった場合に「うちのじゃないもーん」と逃げ切れるとおもったか?でも結果としては高評価になったのだ。

私がこのレンズを購入したのも「S」が付いている(=コシナ製=評判がいい)から試してみたくなったのだ。結果はもちろん期待通りであった。

それまではカメラメーカの純正レンズが優秀でレンズメーカのレンズは二流三流という思い込みがあったが、必ずしもそうではないことを教えてくれたレンズなのだ。こうして私はコシナも大好きになった。


<諸元>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 85-250mm F5

古くからのレンズだが異常分散レンズも使う高性能望遠レンズ

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 85-250mm F5/ズイコー 望遠ズーム 85-250mm F5

ZUIKO AUTO-ZOOM 85-250mm F5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★☆
  • 希少性  ★★★★☆
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-ZOOM 85-250mm F5

◆愛称 「ながいも」
はじめてこのレンズをみたとき、「わっ、細長!」って思った。なにせフィルター系49mmの細さに対して、196mm(銅鏡長)の長さだ。見た目もあの75-150mmF4をぐいーんって横に引き伸ばしたようなデザインだ。したがって75-150mmF4が「いもレンズ」なので、それにあやかって「長いも」となった。

◆良いところ

こうした細長く高倍率なレンズは決まって粗悪なものというのが経験則だろう。なのでこのレンズもあまり期待はしていなかった。

ところが意外にもよく写る。OM -ZUIKOらしいこってりした色合いにカリカリのシャープネスだ。高倍率ズームであることを忘れてしまうほどだ。

聞けばED(特殊低分散)ガラスをつかっているとのこと。写りは納得だが、大口径レンズでなくてもEDを使うなんて。本当に意外なレンズだ。

それにしても本当にオリンパスは謙虚で控えめな名前にする。ZUIKO SUPER ZOOM 85-250ED とでもしてもよかったのではないか。

◆悪いところ

やはりF5という暗いレンズだ。

デジタルカメラで使うにはF5程度の暗さはさほどの欠点ではない。高画質で高感度のイメージセンサーがカバーしてくれるからだ。デジタルでは暗いことは欠点ではないのだ。むしろ使いやすくていい写りができればいい。その条件に85-250mm F5はとてもあてはまっている。軽いし、映りはいいし、3倍ズームは楽ちんだ。α7sがあれば持ってこいだ。野鳥撮影によく使う。

ちょっと細長いが、カバンの入れ方を工夫すれば細長いのでかさばらなく突っ込むこともできるのだ。

◆エピソード
OMズイコーをコレクションにしながら、「きっとズームレンズは集めることはないな」と考えていた。暗くて写りは悪いだろうし、どうせ使わないだろうから集めても邪魔になるだけだと考えていた。

ところがどっこい、実は意外にも85-250mm F5に関してはよく使う。というか、使える。姿だけでなくそんな性格も75-150に似ている。

お気に入りだ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4

2倍程度のいもズームと思いきやプロも認める高性能

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4/ズイコー 望遠ズーム 75-150mm F4
ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4

◆愛称 「いもれんず」
どうもOMズイコーの中望遠~望遠はずんぐりむっくりしたデザインが多い。みた目の印象が「イモっぽい」のだ。なので総じてこれらをいもレンズと呼ぶ。(性能はイモではない)200mm/F4は「おおいも」で200mm/F5は「こいも」、85-250mm F5は「ながいも」となる。そのなかで75-150mm F4は代表的な「いもレンズ」なのだが、決して性能はイモではない。

◆良いところ
ズームレンズの黎明期から登場しておりロングセラーとなったレンズだ。そのため中古市場でもあちらこちらで安価でみかける。

そのため”廉価版”として安物の印象が残るのだが、ところがどっこい。意外にも描写力はとても優れているのだ。

赤城耕一氏著「使うオリンパスOM」においても高い評価を与えている。

「画質は驚くほど高く、実にシャープなレンズである。特に75ミリ側が優れているようだ。ズイコーにしては特に硬いという印象がなく、階調再現に優れているところも評価したいし、モノクロにも抜群の相性をみせる。カラーの再現も現在のレンズと比較しても全く問題がなく、ヌケがよいため品の良いレンズのように思える。」

◆悪いところ
ズーム比はわずか2倍。ズームとしての実用価値は高くはない。むしろズームとは思わず135mmF4と思って、多少引きも寄りもできると考えた方がいいかもしれない。単焦点と考えても問題ない描写力だからだ。

実は発売最後までマルチコートにはならなかった。刻銘には「F.ZUIKO」という表記ではなく単に「ZUIKO」となっているにも拘わらずだ。

そのため、逆光に弱いのが欠点だ。組み込みのフードがあるがちゃっちので、しっかりしたフードをつけよう。

◆エピソード
80年代初頭の高校生のころは望遠ズームが一般にも広がりを見れている時期だった。それまでは100mm/135mm/200mmという単焦点をつかうのが一般的だったため、最初のころはまず135mmが欲しいと考えていた。ところが一気に望遠ズームがブームになり、やっぱり望遠といえばズームでしょ、という時代になったのだ。そこで検討していた135mmF3.5よりも明るさがさほど変わらないなら75-150mm F4のズームのほうが、いいじゃないかということになった。当時はレンズ性能よりもコストと使い勝手が優先されたのだ。(その後ほどなくして135mmF3.5はカタログからも姿を消した)

私が初めて買った望遠系レンズこそ、この望遠ズーム75-150mm F4となる。カメラ歴としては2番目にゲットしたレンズだ。中古で買った。ズームとはいえ2倍程度のズーム比。現在では大した性能ではないズーム性能だろうけれども自分としては初めての望遠でもあり、お気に入りのレンズだ。

愛称は「いもレンズ」だけにイモっぽくてダサいのだが、小さく軽いのがいいところだ。

最近になって、当時のプロの間ではずいぶん評価が高かったことを知り意外な感じがした。当時の高校生でも買える比較的リーズナブルな価格で、出荷本数が多いのかそこらじゅうの中古屋で目にする。ごくそこら中にありそうなイモっぽいズームだが高性能だっただなんて。

こういうことがあるのがOMズイコーなんだよなぁ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

ズームのブーム時代に生まれた隠れた銘玉級望遠ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4 / ズイコー 望遠ズーム 65-200mm F4
ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★☆
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★
  • 総合評価 ★★★
ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

◆愛称 「ぶーむのずーむ」
私が高校生の80年代初頭に一大望遠ズームブームが起きた。各社競って優秀な望遠レンズを発表した。そんな中、最終的に落ち着いたのが「直進式ズームレンズ型」の70-210mmの3倍ズームだ。カメラ小僧たちはこぞってこの直進式ズームレンズ型の70-210mmを手にして誇らしげに鉄道やらスポーツ撮影にいそしんだ。

そんなブームにあってもオリンパスは独自色を出そうとする。

おなじ3倍ズームでも70-210mmとはせず65-200mmときたのだ。これには私も「そうきたか~」と力が抜けてしまった。80-240とかにすればグレード高く見えるが、65-200とくればダウングレードな印象だが、無理のない設計でレンズ性能を維持したのだろう。F4どおしでこだわりのシャープ描画だ。

こういうのがOMズイコーらしくていい。

◆良いところ
上記の通り、はやりの望遠レンズの一つと思ってたが、ところがズームにしては意外にも性能は絶品だ。シャープでコントラスト色乗りもいい。レンズ性能は単焦点感覚だ。

作例をみていただければわかると思うが、ボケがとてもキレイだ。たいてい古いズームって真のある汚いボケになりがちなのに、ズームにしてふわふわした柔らかいボケがいい。

絞りはF4固定だ。当時のズームレンズは大抵F4~F5.6の変動多かった。

しかも最長の200mmの時にはClause Focusが使えるため、望遠マクロレンズとなるのだ。さすがマクロのOLYMPUSとしてのこだわりだろう。

そしてフードも組み込み内蔵式だ。

と、考えてみれば当時の流行だった70-210mmのどれと比べても秀でていることがわかる。

写りは単焦点並みの性能、マクロ機能付き、フード内臓、F値4固定、こうもそろった、望遠ズームは当時としては珍しいことだったろう。前述のとおり65-200mmというとダウングレードな印象だが、実は高性能。きっと性能重視の姿勢からこの帯域になったのだろう。

それにとてもカッコいい。まあそこは人により見方はちがうだろうが。

◆悪いところ

カメラに着けてストラップで下げてると、重力にしたがってズームが勝手に望遠側に移動する。これは「直進式ズームレンズ」の全て共通に言えることだが、下に向ければスコーンと落ちてしまう。ゆっくり移動するならいいのだが、スッコーンと派手に落ちるのだから頂けない。

ただこれはコツがあって、ズームを200mmに合わせ、ピントをClause Focusにすればズームがロックされる仕組みになっている。慣れればありがたい機能だ。

◆エピソード
この帯域の望遠ズームは、じつに本数が多い。

本レンズ、65-200mm F4に加え
①75-150mm F4
②85-250mm F5
③50-250mm F5
④100-200mm F5
を加えれば5本になる。

それぞれ特徴があるだろうが、①75-150mm F4と②85-250mm F5は古い設計でフォーカシングリングとズームリングの分離した2リング型となる。当時としては古い印象は否めなかった。

他は、ズームとピントを一体化した直進式ズーム型だ。③50-250mm F5は暗いが5倍という高倍率を目指した高級志向のレンズだろう。④100-200mm F5 はコシナのOEMだが、安くて軽くて小さいズームレンズというコンセプトのようだ。

そう引き算をしてみると、65-200mm F4こそ、当時の主流、AKBでいえばセンターのレンズ、オリンパスが一番売りたかったレンズといえるのではないかな?

しかしこのレンズ、もっと人気があってもよさそうなものだ。「銘玉望遠ズーム」と呼ばれても良さそうなものだが。。

<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

単焦点にも匹敵する描画性能をもつ高倍率望遠ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5 / ズイコー 望遠ズーム 50-250mm F5
ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★☆
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

◆愛称 「こうばいりつ」
5倍という、OMズイコー最大のズーム比を持つレンズだ。よって「高倍率」と呼ぶ。

◆良いところ
OMズイコー最大のズーム比5倍。にもかかわらず、けっこうコンパクトだ。明るさはF5で暗いが、当時のレンズとしては、凄いのではないか。5.6とかになってもおかしくはなかったのではないかと感じる。

描写はズームらしくないシャープな絵が撮れる。レンズ交換をしたくないシチュエーションで大活躍だ。

100mm付近が特に優れているといわている。正直、私にはよくわからなかった。ただ250mmまで伸ばすと少し色が落ちるように感じる。

◆悪いところ
やはりズッシリと重い。まあ5倍の高倍率だ。致し方ないだろう。

カメラに着けてストラップで下げてると、重力にしたがって自然とズームが勝手に望遠側に移動する。これは「直進式ズームレンズ」の全て共通に言えることだが。

フード内臓はありがたい。ただ、望遠側では役に立っているのか不安になる。かといって望遠側用のフードを付けるとズームの意味がなくなってしまう。これも高倍率望遠ズームの宿命か。

◆エピソード
私がこのレンズを手に入れたのは、85-250mm F5と撮り比べしてみたいという理由だけだった。こっちが後発なので、当然それなりに性能が上がっているのではないかと思った。それにかつての憧れの「直進式ズームレンズ」だ。それでためしてみたくなったのだ。

85-250mm F5は回転カムズームで、フォーカシングリングとズームリングが分離した2リング方式だ。だがこの新型の50-250mm F5のほうは、直進式ズームレンズで、リング一つでフォーカシングとズームを両方まかなう方式だ。左右に回してピントをセットし、前後に動かすことでズームをセットするのだ。

MFからAF方式に切り替わる過程でこの直進式ズームレンズは全滅し、2リング方式が現在の常識だ。だが、当時は2リング方式が古臭く、直進式ズームが最新式で憧れだったのだ。持ち替えなくてもいいので、アクティブな撮影に向くのだ。皮肉なもので、この憧れのズーム方式は若い人には理解されてない。


<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

マクロも対応、万能の高倍率標準ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5/ズイコー 標準ズーム 35-105mm F3.5-4.5
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5
  • 画 質  ★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

◆愛称 「しんいり」
zuiko 35-105mm F3.5-4.5は、高校生の時の写真部の後輩が持っていたレンズだ。なので「新入り」

このレンズもOM20の発売とほぼ同時に登場した。なので古参からみれば新入りだ。

◆良いところ
何といっても広角~中望遠と、もっとも使用頻度の高い焦点距離をカバーしさらにマクロまでできるその「万能性能」だろう。

画角にあった距離でのピント合わせも自由自在だ。旅行にもってこいだ。実は愛称についても「ばんのうくん」とかにしようかと考えていたぐらいだ。

画質は甘く柔らかい。なんとなく古いエルマーやズミクロンのような滑らかさだ。ここは経年劣化もあと思うし、好みも分かれるだろう。ズイコーの特徴であるカリカリの色乗りコッテリした硬めが好みの人には向かないかもしれない。

コントラストは確かに弱いが、画風次第だろう。モノクロにはいい感じに撮れると思う。

最短撮影距離は1.5mだが、Close Focus機構で0.31mまで接近できる。Close Focusとはマクロのことだ。ただエクステンションチューブが内蔵されていると同等の機能と考えればよい。そのままレンズそのものが前に繰り出してより近くまで寄ることができるのだ。近距離収差補正機構があるわけではないので収差の影響は多分にでそうだが、便利な機能だ。

色合いは明らかに他のズイコーとは違う風味。実はこのレンズ、TokinaのOEMなのだ。その証拠にzuiko 35-105mm F3.5-4.5と全く同じスペックのレンズがTokinaから同じ時期に出ている。見た目もそっくりだ。

「S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5」のように「S」がついているのがOEMとのことだったが、zuiko 35-105mm F3.5-4.5については、SがついていなくてもOEMなのだ。ZUIKOはよほどOEMとはいいたくなかったのだろうか。(わたしはごく最近まで純正と思い込んでいたが。)

80年代中盤ごろからにわかにズームレンズがブームになった。OLYMPUSもその時流に乗るためズームレンズの発売を目指すのだが、いかせんレンズ専業メーカに後れをとっていた。開発コストを抑えながら素早く販売したい・・その解決方法がOEMによる提供をうけることだ。自社開発ではどうしても後れを取ってしまうからだ。

当時のターゲットユーザは若者にシフトしていた。若者はお金がないから何本もレンズが揃えられない。多少の品質よりは、安価で広角から望遠までカバーしマクロ機能までついた、万能性の高いレンズのニーズが強くあった。こうした背景からこのレンズはトキナーの提供により生まれたのだろう。

よく見てみるとzuiko 35-105mm F3.5-4.5だけは他のズイコーレンズとは明らかに見た目のデザインがかなり違う。絞りの位置もマウント側だし、マクロ機能をClose Focusと表記するのもこのレンズだけだ。

◆悪いところ
このレンズは前期型と後期型があり、大きさと刻印表記が若干違う。

〇前期型
・S / N <500,000:重さ460g、全長106mm、最大径86mm、最小系42mm、赤外線集束ドット(赤色)がある

〇後期型
・S / N> 50,000:重さ470g、全長107mm、最大径87mm、最小系38mm、赤外線集光ドットなし

このレンズの描写性能はあまりよく言われていないのが現実なのだが、おそらく前期型の性能評価がいろいろいわれているのだろうと思う。

やはり後期の方が光学性能は優れているようだ。後期型であればそこそこの評価できる性能のようだ。もし中古で探す場合は、後期型を強くお勧めする。ただ出荷量が少なかったようで、後期型は中古市場では見つけるのが大変だ。

◆エピソード
80年代の初頭、高一の時にアルバイトで貯めた貯金を全額はたいて親にも泣きついて得た資金で何とか買ったのがOM10とs zuiko 35-70mmF3.5-4.5だった。カメラ屋の主人がずいぶん薦めてくれて値引きも大きかったのだ。するとその年の秋にはOM20が発表された。ははーんそういうことかと。当時の高校生としては大人の巧みな商売の一端を知ることのできた瞬間だ。

その後学校に写真部を作って、2年生になって後輩ができた。その後輩がOM20を持ってたのだがそのOM20のキットとしてついていたのがzuiko 35-105mm F3.5-4.5だった。

先輩である私のOM10+zuiko 35-70mmF3.5-4.5と後輩のOM20+zuiko 35-105mm F3.5-4.5、明らかに後輩が上位グレードにあたる。先輩としては苦労してなけなしのこずかいと貯金をはたいてなんとか手に入れたのだったが、そんお後輩はあっさり親に買ってもらったものだった。

なんとも鼻につく生意気な後輩で、機材に対してはなんとも悔しい思いがあったが、次第にその写真の作品の腕前で優位に立つことができた。先輩としての意地というやつかな。

現在でも機材の良し悪しやグレードの高い低いで自尊心がくすぐられるものだが、それを写真の出来栄えに変えて精進したいものだ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5  良好 保存&常用

 

<作例>