当時の最先端AFを実現したOMズイコー唯一のレンズ
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF / ズイコー AFズーム 35-70mm F4 AF
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◆愛称 「ろぼこっぷのてき」
80年代の初頭、これが発表された当時は、まだまだAF技術は発展途上であったので、コンセプト的な商品だったのだろう。
だが各社AF時代の幕開けとしてしのぎを削って発表していた。ペンタックスが一眼レフのAFとして初めて市販化し、次いでOLYMPUSがOM30とzuiko 35-70mm/f4 AFで実現。キャノンやニコンはまだまだ後発だったのだ。
当時はフォーカスセットが現在のようなリニア式モータなんてないものだから、普通のモータでフォーカスリングを手の代わりに回してくれる。たいして早くはないし正確ではないが、ゴッツイ駆動部が突起していてたいそう仰々しい。
当時私は、このAFという新時代の夜明けをカメラ屋でまさにこのOM30とzuiko 35-70mm/f4 AFで体験した。その第一印象が、「ロボコップででてくる敵側のでかくて動きの悪いロボ」だったのだ。
◆良いところ
OM-30に取り付つけ、M.インフォーカストリガーコード、ワインダーを併用することでピントのあった瞬間にレリーズされる「ゼロインフォーカス」機能による撮影が可能となるった歴史的なAFレンズだ。
ところで、このAFレンズと、コシナからOEMで供給されていたS ZUIKO 35-70mm/f4はAF機構部分を除いてレンズの形状はそっくりだ。レンズ機構はコシナが供給し、オリンパスがAF駆動部分を担当したのだろう。いずれにしてもS ZUIKO 35-70mm/f4は、AFに転用されるほどの評価があったということだ。
◆悪いところ
冒頭の愛称の説明でも書いたが、このレンズはAFの幕開けとして。ニコンやキャノンがまだ取り組んでいない段階でペンタックスに次いで発表された製品だ。
話題の製品となり、OM30との組み合わせによるオートフォーカスの必要性が注目され「ゼロインフォーカス」などAFによる新らたな可能性を提案した形となった。オリンパスとしてもどうだ~という気分だっただろう。
ところがだ。たいして人気を得ることはできなかった。当時のオートフォーカス一眼レフカメラは「ロボコップの敵」のように、でかくて動きの悪い未成熟の製品としてしか消費者には映らなかったのだろう。
そこに1985年2月、まさにAF革命が起きた。「ミノルタ α-7000」の発表だ。このオリンパスの努力をあっさり超える爆発的な超ヒット商品が登場したのだ。その数年後、私も、家族が増え、中古のα-7000に乗り換えたのだった。(現在また戻ってきたが・・。)
◆エピソード
前日のとおり私は80年代初頭の高校生のころカメラ屋の店頭で初めてzuiko 35-70mm/f4 AFを触った。自動でピントをあわせてくれるオートフォーカスというものに興奮したものだ。
だがなじみの店主は「こんなん役に立たたないよ」と鼻で笑う感じだった。まあそれもそうだ。当時としてはモータでのピント合わせは随分遅い。人間の力にはとても及ばないものだった。
「ゼロインフォーカス」といえばカッコイイ。だが、相手がこちらに向かってくる際にピントが合えばシャッターが下りる仕組み。つまりレンズ側のモータがあまりに遅いので、こちらから適正ピントにまで移動して撮影することを提案した商品だ。商品のデメリットを出さずにメリットに変えた売り方だ。まあさすがに商魂たくましいというか、、、モノはいいようだな。
ま、でも売れなかった。そんな使い方だけのためにはチト高すぎたんだよね。
<諸元>
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z0 | ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF | 良好 | 保存&常用 |