コンパクトでシャープでコントラスト良いZUIKOらしい優秀レンズ
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8 ズイコー 広角 35mm f2.8
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◆愛称 「しんわのたま」
OMズイコーのファンの間では「暗いレンズの方が優秀だ」とする、ある意味「ズイコー神話」がある。その「神話」の主役がzuiko 28mm/f3.5と今回紹介するzuiko 35mm/f2.8だ。(28と35の数字の組み合わせが面白い)
OM ズイコーシリーズでは”廉価版”と”大口径版”の二種類が選べれるようになっているが、なぜか28mmと35mmではメーカがかなり力を入れて開発したであろう”大口径版”よりも、安価で多くの人に使ってもらうために開発した”廉価版”のほうが評価が高いのだ。これは決して”大口径版”の方を手を抜いて作られたということではない。それほど当時のオリンパスの技術者たちが”廉価版”とはいえ妥協を許さずこだわりのレンズづくりをしていた証でもあるとおもう。
◆良いところ
普段の撮影で常用レンズとして使用しているが、コンパクトで持ちやすいばかりかいい結果を残してくれるので大変重宝している。あのzuiko 50mm/f1.8と変わらぬコンパクトさで、スナップや旅行に最適だ。最短撮影距離も0.3mで、結構寄れるのもいい。花などもぐんと近くによって撮影が可能だ。
しかも、このzuiko 35mm/f2.8は写りの安定性がよく、画像の均一性が高い。実際に忠実な再現が可能だ。F5.6あたりの描写がとてもいい。開放F値はF2.8と平凡だが、周辺減光を感じることもなくボケ味を利用した表現も可能だ。絞れば被写界深度が深いので、パンフォーカスにも強い。スナップ向きにもなる。
広角レンズ特有のコマフレアを大幅に除去した鮮明な描写力を誇る。歪曲はほとんど気にならない。一般的に”大口径版”のF2の方が人気が高く、”廉価版”のf2.8は安物というイメージがあるが、前述のとおりzuiko 35mm/f2.8のほうが高く評価されている。zuiko 35mm/f2.8は最もズイコーらしいズイコーのレンズだ。
赤城耕一氏の著書「使うオリンパスOM」では、
「(zuiko 35mm/f2を紹介するページで)むしろF2.8の暗いレンズのほうがズイコーらしいコントラストとシャープさが期待できるので、正直言うと、こちらのほうがおすすめのレンズである。」と紹介されているぐらいだ。
◆悪いところ
絞り開放では周辺部に収差や光量の低下が認められやや甘めの描写になるが、少し絞り込めばコントラストの高い非常にシャープな写りになる。
絞り開放ではピントもそれほどシャープではなく、周辺の光量も落ちる。色再現は地味だ。ボケ味を利用した表現をしないならf5.6あたりまで絞るのがいいだろう。
◆エピソード
ズイコー広角の中では、単焦点の35mmを使う習慣が身についてなくて、私はどうも使う機会が少なかった。
そもそもカメラを始めた高校生のころ、一番最初に手にしたレンズがzuiko 35-70mm/f3.5-4.5ズームだった。他に使うレンズがないのでしばらくはこれ一本で頑張っていた時期が長くて、単焦点35mmを手に入れるたのは最近になってからのことだ。
だが、使いまわしてみると、スナップでは35mmを使える場面がたくさんあることに気づく。それに愛用していた40mmと互角は変わらない。40mmが使いやすい広さであり、35mmも使えて当然だ。なのに「35mm=広角」、「40mm=標準」としてどうも思い込んで区別していたようだ。
18mm、24mm、35mm、55mm、85mm (私の中ではAチーム)という単焦点の組み合わせで使う機会が増えてきた。これだけ本数が多くてもコンパクトで高評価で安心して持っていけれる。
<諸元>
ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z013 | M-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8(銀枠) | 良好 | コレクション | |||
Z014 | G.ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8(銀枠) | 良好 | 展示用 | |||
Z015 | ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8(黒枠) | 良好 | 保存&常用 |