ズームのブーム時代に生まれた隠れた銘玉級望遠ズーム
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4 / ズイコー 望遠ズーム 65-200mm F4
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◆愛称 「ぶーむのずーむ」
私が高校生の80年代初頭に一大望遠ズームブームが起きた。各社競って優秀な望遠レンズを発表した。そんな中、最終的に落ち着いたのが「直進式ズームレンズ型」の70-210mmの3倍ズームだ。カメラ小僧たちはこぞってこの直進式ズームレンズ型の70-210mmを手にして誇らしげに鉄道やらスポーツ撮影にいそしんだ。
そんなブームにあってもオリンパスは独自色を出そうとする。
おなじ3倍ズームでも70-210mmとはせず65-200mmときたのだ。これには私も「そうきたか~」と力が抜けてしまった。80-240とかにすればグレード高く見えるが、65-200とくればダウングレードな印象だが、無理のない設計でレンズ性能を維持したのだろう。F4どおしでこだわりのシャープ描画だ。
こういうのがOMズイコーらしくていい。
◆良いところ
上記の通り、はやりの望遠レンズの一つと思ってたが、ところがズームにしては意外にも性能は絶品だ。シャープでコントラスト色乗りもいい。レンズ性能は単焦点感覚だ。
作例をみていただければわかると思うが、ボケがとてもキレイだ。たいてい古いズームって真のある汚いボケになりがちなのに、ズームにしてふわふわした柔らかいボケがいい。
絞りはF4固定だ。当時のズームレンズは大抵F4~F5.6の変動多かった。
しかも最長の200mmの時にはClause Focusが使えるため、望遠マクロレンズとなるのだ。さすがマクロのOLYMPUSとしてのこだわりだろう。
そしてフードも組み込み内蔵式だ。
と、考えてみれば当時の流行だった70-210mmのどれと比べても秀でていることがわかる。
写りは単焦点並みの性能、マクロ機能付き、フード内臓、F値4固定、こうもそろった、望遠ズームは当時としては珍しいことだったろう。前述のとおり65-200mmというとダウングレードな印象だが、実は高性能。きっと性能重視の姿勢からこの帯域になったのだろう。
それにとてもカッコいい。まあそこは人により見方はちがうだろうが。
◆悪いところ
カメラに着けてストラップで下げてると、重力にしたがってズームが勝手に望遠側に移動する。これは「直進式ズームレンズ」の全て共通に言えることだが、下に向ければスコーンと落ちてしまう。ゆっくり移動するならいいのだが、スッコーンと派手に落ちるのだから頂けない。
ただこれはコツがあって、ズームを200mmに合わせ、ピントをClause Focusにすればズームがロックされる仕組みになっている。慣れればありがたい機能だ。
◆エピソード
この帯域の望遠ズームは、じつに本数が多い。
本レンズ、65-200mm F4に加え
①75-150mm F4
②85-250mm F5
③50-250mm F5
④100-200mm F5
を加えれば5本になる。
それぞれ特徴があるだろうが、①75-150mm F4と②85-250mm F5は古い設計でフォーカシングリングとズームリングの分離した2リング型となる。当時としては古い印象は否めなかった。
他は、ズームとピントを一体化した直進式ズーム型だ。③50-250mm F5は暗いが5倍という高倍率を目指した高級志向のレンズだろう。④100-200mm F5 はコシナのOEMだが、安くて軽くて小さいズームレンズというコンセプトのようだ。
そう引き算をしてみると、65-200mm F4こそ、当時の主流、AKBでいえばセンターのレンズ、オリンパスが一番売りたかったレンズといえるのではないかな?
しかしこのレンズ、もっと人気があってもよさそうなものだ。「銘玉望遠ズーム」と呼ばれても良さそうなものだが。。
<諸元>
ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z0 | 良好 | 保存&常用 |