S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

画質よくコンパクトで取り回しのいいカジュアルな望遠ズーム

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5/ズイコー 望遠ズーム 100-200mm F5

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5
  • 画 質  ★★★
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★
S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

◆愛称 「ひゃくにひゃく」
100-200mmの望遠ズームなのでその数字だけを読んで基本「100-200」と呼ぶ。ただそれだけの愛称だ。まあ佐藤さんを「サトー」と呼んでるようなものだ。

望遠ズームにしてはコンパクトで優秀なレンズだ。このレンズにはまだそれらしいニックネームが用意できてない。高価で上流階級向けのレストランの食事より、庶民のランチの方がかなり旨かったりすることがあるが、そういう例えでいい愛称がないか現在思案中だ。

◆良いところ
カジュアルなズームというのがぴったりな感覚だ。
望遠ズームにしては非常にコンパクト(長さ148mm、重さ570g)で写りもシャープで発色のいいとても優秀なレンズだ。

値段的にも主に、学生がターゲットだったのだろか。小さく軽いので、カジュアルな撮影や登山、風景、野鳥撮影、屋外イベント向けに開発されたように感じる。

◆悪いところ
100mm~200mmというなんとも微妙な2倍望遠ズームだ。積極的に使えるシーンがあまりない。

それにF5という暗さだ。オリンパスの場合「小さく軽く」は必ず絞り値が犠牲になっている。

テレコンバータを付けて鳥をとるのが取り回しがいいと聞いたが、F5の絞りがF10になっちゃう。200-400のズームでF10 ではいただけない。

デジタルカメラで使うにはF5程度の暗さはさほどの欠点ではない。高画質で高感度のイメージセンサーがカバーしてくれるからだ。デジタルでは暗いことは欠点ではないのだ。むしろ使いやすくていい写りができればいい。軽いし、映りはいい。α7sがあればもっといいのだが。野鳥撮影に使いやすい。

◆エピソード
80年代の中盤からズームレンズがにわかにブームになった。各メーカは必死になって開発したに違いない。特にその需要は学生に多かった。特に望遠レンズが人気があったが学生たちはお金がないのでサードパーティの安価なレンズが売れたのだ。

その時代に生まれたのがこのレンズだろう。サードパーティ(レンズ専門メーカ)よりも優秀で品質を維持しつつ、学生にも手の届く値段で提供しないといけない。しかも需要のあるうちに短期間で開発だ。

その答えが100-200mm F5というスペックになったのではないかな。

S ZUIKOと「S」が付いているのはサードパーティ製を表しているらしい。つまりOEMだ。

これは他の製品なら珍しいことだ。なぜなら普通はOEM製だとしてもわからないようにするものであって、堂々と「これはうちでは作ってないよ。よその製品だよ~」とメーカが表記するなんて。どうもこのころのオリンパスはズーム設計には自信がなかったのか、28-48mmや35-70mmなど他にも3本「S」が付いているものがある。これはコシナ製とのことで、小さく軽く性能もよく現在でも評判がいい。オリンパス純正でないにも関わらずだ。「S」が付けなきゃオリンパスの評判になっただろうに。オリンパスとしてはリスクをとったのだろうか。もし評判が悪くなった場合に「うちのじゃないもーん」と逃げ切れるとおもったか?でも結果としては高評価になったのだ。

私がこのレンズを購入したのも「S」が付いている(=コシナ製=評判がいい)から試してみたくなったのだ。結果はもちろん期待通りであった。

それまではカメラメーカの純正レンズが優秀でレンズメーカのレンズは二流三流という思い込みがあったが、必ずしもそうではないことを教えてくれたレンズなのだ。こうして私はコシナも大好きになった。


<諸元>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 85-250mm F5

古くからのレンズだが異常分散レンズも使う高性能望遠レンズ

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 85-250mm F5/ズイコー 望遠ズーム 85-250mm F5

ZUIKO AUTO-ZOOM 85-250mm F5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★☆
  • 希少性  ★★★★☆
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-ZOOM 85-250mm F5

◆愛称 「ながいも」
はじめてこのレンズをみたとき、「わっ、細長!」って思った。なにせフィルター系49mmの細さに対して、196mm(銅鏡長)の長さだ。見た目もあの75-150mmF4をぐいーんって横に引き伸ばしたようなデザインだ。したがって75-150mmF4が「いもレンズ」なので、それにあやかって「長いも」となった。

◆良いところ

こうした細長く高倍率なレンズは決まって粗悪なものというのが経験則だろう。なのでこのレンズもあまり期待はしていなかった。

ところが意外にもよく写る。OM -ZUIKOらしいこってりした色合いにカリカリのシャープネスだ。高倍率ズームであることを忘れてしまうほどだ。

聞けばED(特殊低分散)ガラスをつかっているとのこと。写りは納得だが、大口径レンズでなくてもEDを使うなんて。本当に意外なレンズだ。

それにしても本当にオリンパスは謙虚で控えめな名前にする。ZUIKO SUPER ZOOM 85-250ED とでもしてもよかったのではないか。

◆悪いところ

やはりF5という暗いレンズだ。

デジタルカメラで使うにはF5程度の暗さはさほどの欠点ではない。高画質で高感度のイメージセンサーがカバーしてくれるからだ。デジタルでは暗いことは欠点ではないのだ。むしろ使いやすくていい写りができればいい。その条件に85-250mm F5はとてもあてはまっている。軽いし、映りはいいし、3倍ズームは楽ちんだ。α7sがあれば持ってこいだ。野鳥撮影によく使う。

ちょっと細長いが、カバンの入れ方を工夫すれば細長いのでかさばらなく突っ込むこともできるのだ。

◆エピソード
OMズイコーをコレクションにしながら、「きっとズームレンズは集めることはないな」と考えていた。暗くて写りは悪いだろうし、どうせ使わないだろうから集めても邪魔になるだけだと考えていた。

ところがどっこい、実は意外にも85-250mm F5に関してはよく使う。というか、使える。姿だけでなくそんな性格も75-150に似ている。

お気に入りだ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4

2倍程度のいもズームと思いきやプロも認める高性能

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4/ズイコー 望遠ズーム 75-150mm F4
ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 75-150mm F4

◆愛称 「いもれんず」
どうもOMズイコーの中望遠~望遠はずんぐりむっくりしたデザインが多い。みた目の印象が「イモっぽい」のだ。なので総じてこれらをいもレンズと呼ぶ。(性能はイモではない)200mm/F4は「おおいも」で200mm/F5は「こいも」、85-250mm F5は「ながいも」となる。そのなかで75-150mm F4は代表的な「いもレンズ」なのだが、決して性能はイモではない。

◆良いところ
ズームレンズの黎明期から登場しておりロングセラーとなったレンズだ。そのため中古市場でもあちらこちらで安価でみかける。

そのため”廉価版”として安物の印象が残るのだが、ところがどっこい。意外にも描写力はとても優れているのだ。

赤城耕一氏著「使うオリンパスOM」においても高い評価を与えている。

「画質は驚くほど高く、実にシャープなレンズである。特に75ミリ側が優れているようだ。ズイコーにしては特に硬いという印象がなく、階調再現に優れているところも評価したいし、モノクロにも抜群の相性をみせる。カラーの再現も現在のレンズと比較しても全く問題がなく、ヌケがよいため品の良いレンズのように思える。」

◆悪いところ
ズーム比はわずか2倍。ズームとしての実用価値は高くはない。むしろズームとは思わず135mmF4と思って、多少引きも寄りもできると考えた方がいいかもしれない。単焦点と考えても問題ない描写力だからだ。

実は発売最後までマルチコートにはならなかった。刻銘には「F.ZUIKO」という表記ではなく単に「ZUIKO」となっているにも拘わらずだ。

そのため、逆光に弱いのが欠点だ。組み込みのフードがあるがちゃっちので、しっかりしたフードをつけよう。

◆エピソード
80年代初頭の高校生のころは望遠ズームが一般にも広がりを見れている時期だった。それまでは100mm/135mm/200mmという単焦点をつかうのが一般的だったため、最初のころはまず135mmが欲しいと考えていた。ところが一気に望遠ズームがブームになり、やっぱり望遠といえばズームでしょ、という時代になったのだ。そこで検討していた135mmF3.5よりも明るさがさほど変わらないなら75-150mm F4のズームのほうが、いいじゃないかということになった。当時はレンズ性能よりもコストと使い勝手が優先されたのだ。(その後ほどなくして135mmF3.5はカタログからも姿を消した)

私が初めて買った望遠系レンズこそ、この望遠ズーム75-150mm F4となる。カメラ歴としては2番目にゲットしたレンズだ。中古で買った。ズームとはいえ2倍程度のズーム比。現在では大した性能ではないズーム性能だろうけれども自分としては初めての望遠でもあり、お気に入りのレンズだ。

愛称は「いもレンズ」だけにイモっぽくてダサいのだが、小さく軽いのがいいところだ。

最近になって、当時のプロの間ではずいぶん評価が高かったことを知り意外な感じがした。当時の高校生でも買える比較的リーズナブルな価格で、出荷本数が多いのかそこらじゅうの中古屋で目にする。ごくそこら中にありそうなイモっぽいズームだが高性能だっただなんて。

こういうことがあるのがOMズイコーなんだよなぁ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

ズームのブーム時代に生まれた隠れた銘玉級望遠ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4 / ズイコー 望遠ズーム 65-200mm F4
ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★☆
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★
  • 総合評価 ★★★
ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

◆愛称 「ぶーむのずーむ」
私が高校生の80年代初頭に一大望遠ズームブームが起きた。各社競って優秀な望遠レンズを発表した。そんな中、最終的に落ち着いたのが「直進式ズームレンズ型」の70-210mmの3倍ズームだ。カメラ小僧たちはこぞってこの直進式ズームレンズ型の70-210mmを手にして誇らしげに鉄道やらスポーツ撮影にいそしんだ。

そんなブームにあってもオリンパスは独自色を出そうとする。

おなじ3倍ズームでも70-210mmとはせず65-200mmときたのだ。これには私も「そうきたか~」と力が抜けてしまった。80-240とかにすればグレード高く見えるが、65-200とくればダウングレードな印象だが、無理のない設計でレンズ性能を維持したのだろう。F4どおしでこだわりのシャープ描画だ。

こういうのがOMズイコーらしくていい。

◆良いところ
上記の通り、はやりの望遠レンズの一つと思ってたが、ところがズームにしては意外にも性能は絶品だ。シャープでコントラスト色乗りもいい。レンズ性能は単焦点感覚だ。

作例をみていただければわかると思うが、ボケがとてもキレイだ。たいてい古いズームって真のある汚いボケになりがちなのに、ズームにしてふわふわした柔らかいボケがいい。

絞りはF4固定だ。当時のズームレンズは大抵F4~F5.6の変動多かった。

しかも最長の200mmの時にはClause Focusが使えるため、望遠マクロレンズとなるのだ。さすがマクロのOLYMPUSとしてのこだわりだろう。

そしてフードも組み込み内蔵式だ。

と、考えてみれば当時の流行だった70-210mmのどれと比べても秀でていることがわかる。

写りは単焦点並みの性能、マクロ機能付き、フード内臓、F値4固定、こうもそろった、望遠ズームは当時としては珍しいことだったろう。前述のとおり65-200mmというとダウングレードな印象だが、実は高性能。きっと性能重視の姿勢からこの帯域になったのだろう。

それにとてもカッコいい。まあそこは人により見方はちがうだろうが。

◆悪いところ

カメラに着けてストラップで下げてると、重力にしたがってズームが勝手に望遠側に移動する。これは「直進式ズームレンズ」の全て共通に言えることだが、下に向ければスコーンと落ちてしまう。ゆっくり移動するならいいのだが、スッコーンと派手に落ちるのだから頂けない。

ただこれはコツがあって、ズームを200mmに合わせ、ピントをClause Focusにすればズームがロックされる仕組みになっている。慣れればありがたい機能だ。

◆エピソード
この帯域の望遠ズームは、じつに本数が多い。

本レンズ、65-200mm F4に加え
①75-150mm F4
②85-250mm F5
③50-250mm F5
④100-200mm F5
を加えれば5本になる。

それぞれ特徴があるだろうが、①75-150mm F4と②85-250mm F5は古い設計でフォーカシングリングとズームリングの分離した2リング型となる。当時としては古い印象は否めなかった。

他は、ズームとピントを一体化した直進式ズーム型だ。③50-250mm F5は暗いが5倍という高倍率を目指した高級志向のレンズだろう。④100-200mm F5 はコシナのOEMだが、安くて軽くて小さいズームレンズというコンセプトのようだ。

そう引き算をしてみると、65-200mm F4こそ、当時の主流、AKBでいえばセンターのレンズ、オリンパスが一番売りたかったレンズといえるのではないかな?

しかしこのレンズ、もっと人気があってもよさそうなものだ。「銘玉望遠ズーム」と呼ばれても良さそうなものだが。。

<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

単焦点にも匹敵する描画性能をもつ高倍率望遠ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5 / ズイコー 望遠ズーム 50-250mm F5
ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★☆
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

◆愛称 「こうばいりつ」
5倍という、OMズイコー最大のズーム比を持つレンズだ。よって「高倍率」と呼ぶ。

◆良いところ
OMズイコー最大のズーム比5倍。にもかかわらず、けっこうコンパクトだ。明るさはF5で暗いが、当時のレンズとしては、凄いのではないか。5.6とかになってもおかしくはなかったのではないかと感じる。

描写はズームらしくないシャープな絵が撮れる。レンズ交換をしたくないシチュエーションで大活躍だ。

100mm付近が特に優れているといわている。正直、私にはよくわからなかった。ただ250mmまで伸ばすと少し色が落ちるように感じる。

◆悪いところ
やはりズッシリと重い。まあ5倍の高倍率だ。致し方ないだろう。

カメラに着けてストラップで下げてると、重力にしたがって自然とズームが勝手に望遠側に移動する。これは「直進式ズームレンズ」の全て共通に言えることだが。

フード内臓はありがたい。ただ、望遠側では役に立っているのか不安になる。かといって望遠側用のフードを付けるとズームの意味がなくなってしまう。これも高倍率望遠ズームの宿命か。

◆エピソード
私がこのレンズを手に入れたのは、85-250mm F5と撮り比べしてみたいという理由だけだった。こっちが後発なので、当然それなりに性能が上がっているのではないかと思った。それにかつての憧れの「直進式ズームレンズ」だ。それでためしてみたくなったのだ。

85-250mm F5は回転カムズームで、フォーカシングリングとズームリングが分離した2リング方式だ。だがこの新型の50-250mm F5のほうは、直進式ズームレンズで、リング一つでフォーカシングとズームを両方まかなう方式だ。左右に回してピントをセットし、前後に動かすことでズームをセットするのだ。

MFからAF方式に切り替わる過程でこの直進式ズームレンズは全滅し、2リング方式が現在の常識だ。だが、当時は2リング方式が古臭く、直進式ズームが最新式で憧れだったのだ。持ち替えなくてもいいので、アクティブな撮影に向くのだ。皮肉なもので、この憧れのズーム方式は若い人には理解されてない。


<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-ZOOM 50-250mm F5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

マクロも対応、万能の高倍率標準ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5/ズイコー 標準ズーム 35-105mm F3.5-4.5
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5
  • 画 質  ★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

◆愛称 「しんいり」
zuiko 35-105mm F3.5-4.5は、高校生の時の写真部の後輩が持っていたレンズだ。なので「新入り」

このレンズもOM20の発売とほぼ同時に登場した。なので古参からみれば新入りだ。

◆良いところ
何といっても広角~中望遠と、もっとも使用頻度の高い焦点距離をカバーしさらにマクロまでできるその「万能性能」だろう。

画角にあった距離でのピント合わせも自由自在だ。旅行にもってこいだ。実は愛称についても「ばんのうくん」とかにしようかと考えていたぐらいだ。

画質は甘く柔らかい。なんとなく古いエルマーやズミクロンのような滑らかさだ。ここは経年劣化もあと思うし、好みも分かれるだろう。ズイコーの特徴であるカリカリの色乗りコッテリした硬めが好みの人には向かないかもしれない。

コントラストは確かに弱いが、画風次第だろう。モノクロにはいい感じに撮れると思う。

最短撮影距離は1.5mだが、Close Focus機構で0.31mまで接近できる。Close Focusとはマクロのことだ。ただエクステンションチューブが内蔵されていると同等の機能と考えればよい。そのままレンズそのものが前に繰り出してより近くまで寄ることができるのだ。近距離収差補正機構があるわけではないので収差の影響は多分にでそうだが、便利な機能だ。

色合いは明らかに他のズイコーとは違う風味。実はこのレンズ、TokinaのOEMなのだ。その証拠にzuiko 35-105mm F3.5-4.5と全く同じスペックのレンズがTokinaから同じ時期に出ている。見た目もそっくりだ。

「S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5」のように「S」がついているのがOEMとのことだったが、zuiko 35-105mm F3.5-4.5については、SがついていなくてもOEMなのだ。ZUIKOはよほどOEMとはいいたくなかったのだろうか。(わたしはごく最近まで純正と思い込んでいたが。)

80年代中盤ごろからにわかにズームレンズがブームになった。OLYMPUSもその時流に乗るためズームレンズの発売を目指すのだが、いかせんレンズ専業メーカに後れをとっていた。開発コストを抑えながら素早く販売したい・・その解決方法がOEMによる提供をうけることだ。自社開発ではどうしても後れを取ってしまうからだ。

当時のターゲットユーザは若者にシフトしていた。若者はお金がないから何本もレンズが揃えられない。多少の品質よりは、安価で広角から望遠までカバーしマクロ機能までついた、万能性の高いレンズのニーズが強くあった。こうした背景からこのレンズはトキナーの提供により生まれたのだろう。

よく見てみるとzuiko 35-105mm F3.5-4.5だけは他のズイコーレンズとは明らかに見た目のデザインがかなり違う。絞りの位置もマウント側だし、マクロ機能をClose Focusと表記するのもこのレンズだけだ。

◆悪いところ
このレンズは前期型と後期型があり、大きさと刻印表記が若干違う。

〇前期型
・S / N <500,000:重さ460g、全長106mm、最大径86mm、最小系42mm、赤外線集束ドット(赤色)がある

〇後期型
・S / N> 50,000:重さ470g、全長107mm、最大径87mm、最小系38mm、赤外線集光ドットなし

このレンズの描写性能はあまりよく言われていないのが現実なのだが、おそらく前期型の性能評価がいろいろいわれているのだろうと思う。

やはり後期の方が光学性能は優れているようだ。後期型であればそこそこの評価できる性能のようだ。もし中古で探す場合は、後期型を強くお勧めする。ただ出荷量が少なかったようで、後期型は中古市場では見つけるのが大変だ。

◆エピソード
80年代の初頭、高一の時にアルバイトで貯めた貯金を全額はたいて親にも泣きついて得た資金で何とか買ったのがOM10とs zuiko 35-70mmF3.5-4.5だった。カメラ屋の主人がずいぶん薦めてくれて値引きも大きかったのだ。するとその年の秋にはOM20が発表された。ははーんそういうことかと。当時の高校生としては大人の巧みな商売の一端を知ることのできた瞬間だ。

その後学校に写真部を作って、2年生になって後輩ができた。その後輩がOM20を持ってたのだがそのOM20のキットとしてついていたのがzuiko 35-105mm F3.5-4.5だった。

先輩である私のOM10+zuiko 35-70mmF3.5-4.5と後輩のOM20+zuiko 35-105mm F3.5-4.5、明らかに後輩が上位グレードにあたる。先輩としては苦労してなけなしのこずかいと貯金をはたいてなんとか手に入れたのだったが、そんお後輩はあっさり親に買ってもらったものだった。

なんとも鼻につく生意気な後輩で、機材に対してはなんとも悔しい思いがあったが、次第にその写真の作品の腕前で優位に立つことができた。先輩としての意地というやつかな。

現在でも機材の良し悪しやグレードの高い低いで自尊心がくすぐられるものだが、それを写真の出来栄えに変えて精進したいものだ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-ZOOM 35-105mm F3.5-4.5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

OMズイコー最後のレンズにして最高描画の大口径標準ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8/ズイコー 標準ズーム 35-80mm F2.8

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★☆
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

◆愛称 「ずーむだま」
OMズイコーでは35-70域の標準ズームは、35-105も含めると6本もある。zuiko 35-80mm/f2.8はその中でも極めて優秀なズームだ。私がつけるレンズへの愛称にはちょっとしたルールがあって、優秀レンズに対しては称号として「たま」を付けるようにしている。OMズイコーのF値2.8通しの高級版ズームレンズ。なので「ズーム玉」だ。

◆良いところ
1994年11月、10年という時を経てOM3がOM3Tiとして復活した。このzuiko 35-80mm/f2.8はOM3Tiとのセット販売向けに特別開発されたものだった。

このレンズの性能を考える時にOM3Tiがどういう目的で再現されたかを考える必要がある。ちょっと歴史講義ぽくなるが、それまでの流れを説明する。

1986年7月OM-4Tiが発売開始。OM-4のマイナーチェンジだが、これはヒットしロングセラーになった。ところが同10月に発売のOM707が大失敗。その後AF特許の問題もあって、当分はAFに手が出せなくなった。1988年OM101を発売するがまたしても大失敗だ。その後しばらくロングセラーのOM-4Tiに頼って難をしのぐ。そして1994年11月、6年間ぶりの一眼の発売となるのがOM3Tiだ。

これまでビギナー向けで失敗しているので、今度のOM3TiはOM4Tiよりもより上位を目指すセミプロユーザがメインターゲットとなる。そのOM3Tiにセットとして開発されたのがzuiko 35-80mm/f2.8だ。当然プロも納得する妥協を許さない高性能レンズでなければならない。

こうして別格で秀逸、そして価格も格別なこのzuiko 35-80mm/f2.8が生まれたのだ。最高の性能なのは当たり前だ。ED(特殊低分散)ガラスや異常分散レンズがふんだんに使ってあり。まさにオリンパスの技術の粋を集中し威信をかけた開発だったに違いない。

◆悪いところ
問題はレンズが大きいことだ。

オリンパスはコンパクトさと描画性能の両方を優先したレンズが多く作っている。その犠牲になったのが絞りの明るさだ。明るさと引き換えにコンパクトで高い描画性能を実現してきたといっていい。

ところがこのレンズはズームで2.8と明るく高い描画性能。おのずと大きさが犠牲になる。他社のように描画性能を犠牲にしないそのこだわりは賛美すべきだろう。

OMズイコーとしては異質の62mmフィルタを使う。ここにきて49mm,55mmというフィルター系統一というこだわりを捨てた。それは思うにオリンパスとしても新しいZUIKO時代の幕開けのようなものを考えていたのではないだろうか。

ところが、OMシステムそのものが2003年生産及び販売を終了してしまう。もっと長く続けてほしかったものだ。OMズイコー最後のレンズは、オリンパスらしくはない大きく重たいレンズだが、華々しく素晴らしい描画性能を持った最新のズームレンズだったのだ。

◆エピソード
zuiko 35-80mm/f2.8は、前述のとおりOM-3Tiと同時発売になったOMズイコー最後のレンズとなった。(コシナOEM製のOM2000と同時発売のOEMズイコーレンズ、OM701/101用AFレンズを除く)

しかもOMズイコー最初で最後の花形フード。私はこの花形フードが欲しくてたまらなかった。

最初にヤフオクで落としたzuiko 35-80mm/f2.8には花形フードがついてなかった。なので、花形フードだけをあっちこっち探し回ったが出回っていない。それはそのはず、最後に発表されてたレンズだけに生産量がすくないのだ。それで致し方なくフード欲しさにもう一本zuiko 35-80mm/f2.8をヤフオクで落とした。

その大きさと重さのために、s zuiko 35-70mm/f3.5-4.5ほど気軽く持ち出せないが、ここぞというときに使っている。高級ズームらしい使用感だ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF

当時の最先端AFを実現したOMズイコー唯一のレンズ

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF / ズイコー AFズーム 35-70mm F4 AF

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF

◆愛称 「ろぼこっぷのてき」
80年代の初頭、これが発表された当時は、まだまだAF技術は発展途上であったので、コンセプト的な商品だったのだろう。

だが各社AF時代の幕開けとしてしのぎを削って発表していた。ペンタックスが一眼レフのAFとして初めて市販化し、次いでOLYMPUSがOM30とzuiko 35-70mm/f4 AFで実現。キャノンやニコンはまだまだ後発だったのだ。

当時はフォーカスセットが現在のようなリニア式モータなんてないものだから、普通のモータでフォーカスリングを手の代わりに回してくれる。たいして早くはないし正確ではないが、ゴッツイ駆動部が突起していてたいそう仰々しい。

当時私は、このAFという新時代の夜明けをカメラ屋でまさにこのOM30とzuiko 35-70mm/f4 AFで体験した。その第一印象が、「ロボコップででてくる敵側のでかくて動きの悪いロボ」だったのだ。

◆良いところ
OM-30に取り付つけ、M.インフォーカストリガーコード、ワインダーを併用することでピントのあった瞬間にレリーズされる「ゼロインフォーカス」機能による撮影が可能となるった歴史的なAFレンズだ。

ところで、このAFレンズと、コシナからOEMで供給されていたS ZUIKO 35-70mm/f4はAF機構部分を除いてレンズの形状はそっくりだ。レンズ機構はコシナが供給し、オリンパスがAF駆動部分を担当したのだろう。いずれにしてもS ZUIKO  35-70mm/f4は、AFに転用されるほどの評価があったということだ。

◆悪いところ
冒頭の愛称の説明でも書いたが、このレンズはAFの幕開けとして。ニコンやキャノンがまだ取り組んでいない段階でペンタックスに次いで発表された製品だ。

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF話題の製品となり、OM30との組み合わせによるオートフォーカスの必要性が注目され「ゼロインフォーカス」などAFによる新らたな可能性を提案した形となった。オリンパスとしてもどうだ~という気分だっただろう。

ところがだ。たいして人気を得ることはできなかった。当時のオートフォーカス一眼レフカメラは「ロボコップの敵」のように、でかくて動きの悪い未成熟の製品としてしか消費者には映らなかったのだろう。

そこに1985年2月、まさにAF革命が起きた。「ミノルタ α-7000」の発表だ。このオリンパスの努力をあっさり超える爆発的な超ヒット商品が登場したのだ。その数年後、私も、家族が増え、中古のα-7000に乗り換えたのだった。(現在また戻ってきたが・・。)

◆エピソード
前日のとおり私は80年代初頭の高校生のころカメラ屋の店頭で初めてzuiko 35-70mm/f4 AFを触った。自動でピントをあわせてくれるオートフォーカスというものに興奮したものだ。

だがなじみの店主は「こんなん役に立たたないよ」と鼻で笑う感じだった。まあそれもそうだ。当時としてはモータでのピント合わせは随分遅い。人間の力にはとても及ばないものだった。

「ゼロインフォーカス」といえばカッコイイ。だが、相手がこちらに向かってくる際にピントが合えばシャッターが下りる仕組み。つまりレンズ側のモータがあまりに遅いので、こちらから適正ピントにまで移動して撮影することを提案した商品だ。商品のデメリットを出さずにメリットに変えた売り方だ。まあさすがに商魂たくましいというか、、、モノはいいようだな。

ま、でも売れなかった。そんな使い方だけのためにはチト高すぎたんだよね。


<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 AF  良好 保存&常用

 

<作例>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4

どこか高級感のあるコシナのOEM。安定の描画性能

OLYMPUS OM-SYSTEM S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4 / ズイコー 標準ズーム 35-70mm F4
S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★
S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4

◆愛称 「せんぱい」
80年代初頭の高校生の時に初めて買ったレンズがOM10とキット販売されていたs zuiko 35-70mm F3.5-4.5だった。今回紹介するs zuiko 35-70mm F4よりワングレード下だった。文化祭だったと思うが、先輩がOM2Nとこのs zuiko 35-70mm F4を「どうだ~」と言わんばかりに誇らしげに持っていた。いいなぁと思ったものだ。

で、先輩が持っていたので「せんぱい」と呼ぶようになった。

◆良いところ
開放からなかなかキリッとしたシャープな描写をしてくれる。70側も35側もどちらも安定した描写性能だ。安心して使える感がある。

s zuiko 35-70mm F3.5-4.5ほどの軽さや携帯性は持っていないが、しっかりした作りを感じつつ、重量はとても軽い。プラレンズだが安ものの感じがしないのがいい。

◆悪いところ
高校生のころ男同士でこそこそ、女子の批評をしたことはなかっただろか。あの子はあの子よりかわいいとか、あの子よりスタイルがいいとか・・・。比較対象がいるから評価がしやすくなるものだ。

このs zuiko 35-70mm F4は、なにかと比較の基準にされてしまう傾向がある。

s zuiko 35-70mm F4よりzuiko 35-70mm F3.6は明るい。とか、
s zuiko 35-70mm F4よりs zuiko 35-70mm F3.5-4.5はちっちゃくてかわいいとか、
s zuiko 35-70mm F4よりzuiko 35-105mm F3.5-4.5は一層望遠が使えて便利だとか、、
こんな具合にである。

つまりは中立的な立ち位置にある。特徴がないのが特徴ということか。だが、特段大きな欠点もないのが特徴でもある。

◆エピソード
S ZUIKOと「S」が付いているのはサードパーティ製を表している。コシナのOEM製だ。写りは納得である。

28-48mm F4のところでも書いたのだが、普通はOEM製だとしてもわからないようにするものであって、堂々と「これはよその製品だよ。うちでは作ってないよ。」とわざわざメーカが表記するなんてこれは他の製品なら珍しいことだ。オリンパスとしてはリスクをとったのだろうか。もし評判が悪くなった場合に「うちのじゃないもーん」と逃げ切れるとおもったのか?

でも結果としては高評価になったのだ。オリンパス純正でないにも関わらず結果素晴らしい評価を上げた。「S」が付けなきゃオリンパスの評判になっただろうに。

ところで、35-70mm F4 AFというOMズイコー唯一のAFレンズがある。当時はまだAF技術は発展途上であったので、コンセプト的な商品だったのだろう。このAFレンズと、このコーナーで紹介している35-70mm F4はAF機構部分を除けばほかはそっくりだ。全てコシナに作ってもらったとみるか、レンズ機構はコシナが供給し、オリンパス(もしくは他の外注企業)がAF駆動部分を担当したか、そのどちらかだろう。いずれにしても35-70mm F4は、AFに転用されるほどの評価があったということだ。

<諸元>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6

大口径を目指した妥協のない描画設計の標準ズーム

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6 / ズイコー 標準ズーム 35-70mm F3.6
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6

◆愛称 「あごがれのずーむ」
35-70という標準ズームの帯域は本数が多い。

1994年奇跡の復活を遂げたOM3Tiと同時に「zuiko 35-80mm/f2.8」が発売されるまでは、このzuiko 35-70mm/f3.6が最高スペックの標準ズームだった。

私が高校生のころの80年代前半にはまだ「zuiko 35-80mm/f2.8」がなくて「zuiko 35-70mm/f3.6」が憧れの存在だったのだ。

◆良いところ
考えてみれば、コシナからOEM提供の「S ZUIKO 35-70mm/f4」があるが、0.4の差でしかない。性能はあまり違いが感じられないが、「zuiko 35-70mm/f3.6」の方が大きくズッシリしている。解像度も高く、コントラストよく色乗りのいい画質だ。

ところで、通常は「F3.5」が多い。にもかかわらず「F3.6」としたところがOLYMPUSらしい。おそらくだが、このわずか0.1のこだわりがあったに違いない。F3.5で設計した場合にわずかの品質低下が許せなかったのだ。

描画性能にこだわり、ギリギリ許せたのがF3.6だったのだろう。当時としてはF4が普通だったのでF3.5でもF3.6でも大口径ズームと認められたのだ。そんな0.1のこだわりを感じ信頼してこのズームで撮影してみようという気持ちにさせられるのだ。

◆悪いところ
「35-70mm」とはとても思えない望遠のような大きさだ。現在だったらF2.8でもおかしくないのにF3.6 だ。

当時はまだオリンパスはズームレンズの開発が始まったばかりで技術集積がこれからという時代。その時代のハイエンド版だ。大きさが犠牲になったのも致し方ないのだろう。

◆エピソード
たまたまなのか、ネットでゲットしたこの「高級35-70mm」は不満があった。1本目はレンズは申し分ないが筐体が傷が目立った。2本目は筐体はとてもきれいなのにレンズがちょっと曇っていた。

そこでネットは諦め、銀座の中古カメラ店数件をじっくり散策して、高かったが納得いくものをゲットしたわけだ。でもよく考えたら最初の1本目と2本目をニコイチすればいいのができたことに気づく。

そこで知り合いの修理士に頼んでつくってもらったところ素晴らしくいい状態のものができた。なので現在そっちをメインで使っている。後の銀座でじっくり選んだ方は現在売り出し中だ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>