希少な輸出用モデルOMG とは?

このほど、状態のいい「OMG」をオークションで安価に入手できたので少しご紹介したい。

「OMG」とは、オリンパスOM20の輸出用モデルのことだ。米国のサイトで、”USA only”という記述を見つけたので、米国のみがOMGだったのかもしれない。中古市場ではちょっと珍しい。

OM20との違いは・・全くない! OM20のロゴだけOMGになっているだけ。

かつて松下電機がブランド戦略として”National”というブランドで国内市場を席捲していた。海外に進出する際にこまったことになった。”National”という名称は海外の多くの国々では商標登録されていて使えなかったのだ。そこで海外では”Panasonic”となった。それが現在では国内でも統一のブランド名となり、ついに会社名もパナソニックになった。海外での商品販売ではこうした商標登録問題が現在でもよくあることだ。オリンパスの製品も同様だろう。

OM20はOM10に続く第2世代目のOM-Systemコンシューマ用一眼レフだ。(プロ・ハイエンド用はOM-1、OM-2、とつづく一桁 シリーズだ)。

そのOM20をアメリカで販売するにあたってはだれかに商標登録されていてやむえをえずOMGとしたのだろう。

OM10、OM20、OM30、OM40と続くなかで、OM20 だけが輸出版はOM-Gとなっている。同様に、「OM-4Ti」も輸出用は「OM-4T」だなぜ”i”がなくなったのかはわからない。だれか教えてもらいたい!

ところでOM20の立ち位置だが非常に微妙なところだ。公式にはOM20はOM10 の上位機種とされている。

om10OM10は1979年6月に発売開始された。当時はやりの若者向けの「AE専用機」だ。コストを極限まで下げお手軽に手にできることで人気を博した。このころ中高年生に一眼レフブームを起こすことになったのだ。OM10は基本AE専用機でマニュアルアダプターの使用で初めてマニュアル操作が可能となるまさに入門機だ。発売価格は58500円

その3年ちょっと後になり1982年10月に登場したのがOM20。マニュアル露出を内蔵し、モータードライブに対応。OM20はOM-2からメータードマニュアルやTTLダイレクトストロボ測光を省かれているものの、廉価版とはいえより完成度が高くなった機種だ。価格は52,500円

あれれ?安っ!

OM10の上位機種と言われている商品にもかかわらず定価は安いんだよね。

実際はOM10の3年後に登場した後継機というのが実際は正しい。だが、後継機というとOM10の在庫が処分できない。なので上位機種としての位置づけにしてOM10もさらに値引きして販売していたのだろうな。

ということでOM20の立ち位置は「事実上のOM10の後継機」というのが正しかろう。

ただ、時をへて中古市場ではOM10のほうがカメラ女子にも人気だ。OM20 の方がおすすめなんだけどね。

 

ちなみにOM10はブラックとシルバー両方持っている。OM20はブラックのみ持っていてシルバーがそろそろほしいと思っていた。で、今回OMGのシルバーが入手できたのはラッキーだった。

若いころはブラックがカッコイイと思っていた。だが持ち比べると今ではシルバーのほうが物欲心を満たしてくれる気がする。シルバーの方がかっこよく思えてきた。カメラ女子たちもシルバーが「かわいい」という。OM-1やOM-2のシルバーはアルミ素材がそのまま露出した形状なのだがOM10~30までのシルバーは(OM40はシルバーは出なかった)塗装だ。なので削れば真鍮の黄色っぽい素材がでてくる。だし、軽量化とコスト削減の簡略化を目指していたためとても軽い。シャッター音もとても軽い。これでモータドライブよくつけられたなぁというある意味逆に感心するチープさがある。このチープなのがいい。久々に撮影にでもいこうかな。35-70のプラレンズつけて~。