画質よくコンパクトで取り回しのいいカジュアルな望遠ズーム
S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5/ズイコー 望遠ズーム 100-200mm F5
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◆愛称 「ひゃくにひゃく」
100-200mmの望遠ズームなのでその数字だけを読んで基本「100-200」と呼ぶ。ただそれだけの愛称だ。まあ佐藤さんを「サトー」と呼んでるようなものだ。
望遠ズームにしてはコンパクトで優秀なレンズだ。このレンズにはまだそれらしいニックネームが用意できてない。高価で上流階級向けのレストランの食事より、庶民のランチの方がかなり旨かったりすることがあるが、そういう例えでいい愛称がないか現在思案中だ。
◆良いところ
カジュアルなズームというのがぴったりな感覚だ。
望遠ズームにしては非常にコンパクト(長さ148mm、重さ570g)で写りもシャープで発色のいいとても優秀なレンズだ。
値段的にも主に、学生がターゲットだったのだろか。小さく軽いので、カジュアルな撮影や登山、風景、野鳥撮影、屋外イベント向けに開発されたように感じる。
◆悪いところ
100mm~200mmというなんとも微妙な2倍望遠ズームだ。積極的に使えるシーンがあまりない。
それにF5という暗さだ。オリンパスの場合「小さく軽く」は必ず絞り値が犠牲になっている。
テレコンバータを付けて鳥をとるのが取り回しがいいと聞いたが、F5の絞りがF10になっちゃう。200-400のズームでF10 ではいただけない。
デジタルカメラで使うにはF5程度の暗さはさほどの欠点ではない。高画質で高感度のイメージセンサーがカバーしてくれるからだ。デジタルでは暗いことは欠点ではないのだ。むしろ使いやすくていい写りができればいい。軽いし、映りはいい。α7sがあればもっといいのだが。野鳥撮影に使いやすい。
◆エピソード
80年代の中盤からズームレンズがにわかにブームになった。各メーカは必死になって開発したに違いない。特にその需要は学生に多かった。特に望遠レンズが人気があったが学生たちはお金がないのでサードパーティの安価なレンズが売れたのだ。
その時代に生まれたのがこのレンズだろう。サードパーティ(レンズ専門メーカ)よりも優秀で品質を維持しつつ、学生にも手の届く値段で提供しないといけない。しかも需要のあるうちに短期間で開発だ。
その答えが100-200mm F5というスペックになったのではないかな。
S ZUIKOと「S」が付いているのはサードパーティ製を表しているらしい。つまりOEMだ。
これは他の製品なら珍しいことだ。なぜなら普通はOEM製だとしてもわからないようにするものであって、堂々と「これはうちでは作ってないよ。よその製品だよ~」とメーカが表記するなんて。どうもこのころのオリンパスはズーム設計には自信がなかったのか、28-48mmや35-70mmなど他にも3本「S」が付いているものがある。これはコシナ製とのことで、小さく軽く性能もよく現在でも評判がいい。オリンパス純正でないにも関わらずだ。「S」が付けなきゃオリンパスの評判になっただろうに。オリンパスとしてはリスクをとったのだろうか。もし評判が悪くなった場合に「うちのじゃないもーん」と逃げ切れるとおもったか?でも結果としては高評価になったのだ。
私がこのレンズを購入したのも「S」が付いている(=コシナ製=評判がいい)から試してみたくなったのだ。結果はもちろん期待通りであった。
それまではカメラメーカの純正レンズが優秀でレンズメーカのレンズは二流三流という思い込みがあったが、必ずしもそうではないことを教えてくれたレンズなのだ。こうして私はコシナも大好きになった。
<諸元>
S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z0 | 良好 | 保存&常用 |