ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

OMズイコー最後のレンズにして最高描画の大口径標準ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8/ズイコー 標準ズーム 35-80mm F2.8

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★☆
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

◆愛称 「ずーむだま」
OMズイコーでは35-70域の標準ズームは、35-105も含めると6本もある。zuiko 35-80mm/f2.8はその中でも極めて優秀なズームだ。私がつけるレンズへの愛称にはちょっとしたルールがあって、優秀レンズに対しては称号として「たま」を付けるようにしている。OMズイコーのF値2.8通しの高級版ズームレンズ。なので「ズーム玉」だ。

◆良いところ
1994年11月、10年という時を経てOM3がOM3Tiとして復活した。このzuiko 35-80mm/f2.8はOM3Tiとのセット販売向けに特別開発されたものだった。

このレンズの性能を考える時にOM3Tiがどういう目的で再現されたかを考える必要がある。ちょっと歴史講義ぽくなるが、それまでの流れを説明する。

1986年7月OM-4Tiが発売開始。OM-4のマイナーチェンジだが、これはヒットしロングセラーになった。ところが同10月に発売のOM707が大失敗。その後AF特許の問題もあって、当分はAFに手が出せなくなった。1988年OM101を発売するがまたしても大失敗だ。その後しばらくロングセラーのOM-4Tiに頼って難をしのぐ。そして1994年11月、6年間ぶりの一眼の発売となるのがOM3Tiだ。

これまでビギナー向けで失敗しているので、今度のOM3TiはOM4Tiよりもより上位を目指すセミプロユーザがメインターゲットとなる。そのOM3Tiにセットとして開発されたのがzuiko 35-80mm/f2.8だ。当然プロも納得する妥協を許さない高性能レンズでなければならない。

こうして別格で秀逸、そして価格も格別なこのzuiko 35-80mm/f2.8が生まれたのだ。最高の性能なのは当たり前だ。ED(特殊低分散)ガラスや異常分散レンズがふんだんに使ってあり。まさにオリンパスの技術の粋を集中し威信をかけた開発だったに違いない。

◆悪いところ
問題はレンズが大きいことだ。

オリンパスはコンパクトさと描画性能の両方を優先したレンズが多く作っている。その犠牲になったのが絞りの明るさだ。明るさと引き換えにコンパクトで高い描画性能を実現してきたといっていい。

ところがこのレンズはズームで2.8と明るく高い描画性能。おのずと大きさが犠牲になる。他社のように描画性能を犠牲にしないそのこだわりは賛美すべきだろう。

OMズイコーとしては異質の62mmフィルタを使う。ここにきて49mm,55mmというフィルター系統一というこだわりを捨てた。それは思うにオリンパスとしても新しいZUIKO時代の幕開けのようなものを考えていたのではないだろうか。

ところが、OMシステムそのものが2003年生産及び販売を終了してしまう。もっと長く続けてほしかったものだ。OMズイコー最後のレンズは、オリンパスらしくはない大きく重たいレンズだが、華々しく素晴らしい描画性能を持った最新のズームレンズだったのだ。

◆エピソード
zuiko 35-80mm/f2.8は、前述のとおりOM-3Tiと同時発売になったOMズイコー最後のレンズとなった。(コシナOEM製のOM2000と同時発売のOEMズイコーレンズ、OM701/101用AFレンズを除く)

しかもOMズイコー最初で最後の花形フード。私はこの花形フードが欲しくてたまらなかった。

最初にヤフオクで落としたzuiko 35-80mm/f2.8には花形フードがついてなかった。なので、花形フードだけをあっちこっち探し回ったが出回っていない。それはそのはず、最後に発表されてたレンズだけに生産量がすくないのだ。それで致し方なくフード欲しさにもう一本zuiko 35-80mm/f2.8をヤフオクで落とした。

その大きさと重さのために、s zuiko 35-70mm/f3.5-4.5ほど気軽く持ち出せないが、ここぞというときに使っている。高級ズームらしい使用感だ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6

大口径を目指した妥協のない描画設計の標準ズーム

ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6 / ズイコー 標準ズーム 35-70mm F3.6
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.6

◆愛称 「あごがれのずーむ」
35-70という標準ズームの帯域は本数が多い。

1994年奇跡の復活を遂げたOM3Tiと同時に「zuiko 35-80mm/f2.8」が発売されるまでは、このzuiko 35-70mm/f3.6が最高スペックの標準ズームだった。

私が高校生のころの80年代前半にはまだ「zuiko 35-80mm/f2.8」がなくて「zuiko 35-70mm/f3.6」が憧れの存在だったのだ。

◆良いところ
考えてみれば、コシナからOEM提供の「S ZUIKO 35-70mm/f4」があるが、0.4の差でしかない。性能はあまり違いが感じられないが、「zuiko 35-70mm/f3.6」の方が大きくズッシリしている。解像度も高く、コントラストよく色乗りのいい画質だ。

ところで、通常は「F3.5」が多い。にもかかわらず「F3.6」としたところがOLYMPUSらしい。おそらくだが、このわずか0.1のこだわりがあったに違いない。F3.5で設計した場合にわずかの品質低下が許せなかったのだ。

描画性能にこだわり、ギリギリ許せたのがF3.6だったのだろう。当時としてはF4が普通だったのでF3.5でもF3.6でも大口径ズームと認められたのだ。そんな0.1のこだわりを感じ信頼してこのズームで撮影してみようという気持ちにさせられるのだ。

◆悪いところ
「35-70mm」とはとても思えない望遠のような大きさだ。現在だったらF2.8でもおかしくないのにF3.6 だ。

当時はまだオリンパスはズームレンズの開発が始まったばかりで技術集積がこれからという時代。その時代のハイエンド版だ。大きさが犠牲になったのも致し方ないのだろう。

◆エピソード
たまたまなのか、ネットでゲットしたこの「高級35-70mm」は不満があった。1本目はレンズは申し分ないが筐体が傷が目立った。2本目は筐体はとてもきれいなのにレンズがちょっと曇っていた。

そこでネットは諦め、銀座の中古カメラ店数件をじっくり散策して、高かったが納得いくものをゲットしたわけだ。でもよく考えたら最初の1本目と2本目をニコイチすればいいのができたことに気づく。

そこで知り合いの修理士に頼んでつくってもらったところ素晴らしくいい状態のものができた。なので現在そっちをメインで使っている。後の銀座でじっくり選んだ方は現在売り出し中だ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8

重くデカく高価で希少な驚愕の白レンズだが描写性能は超最高

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8 ズイコー 白レンズ 350mm F2.8

ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ☆
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8

◆愛称 「きょうがくのしろれんずのちょうなん」
zuiko 350mm/f2はいわずと知れたOMズイコー驚愕の白レンズの一つだ。OMズイコー驚愕の白レンズは3本セットの三兄弟で知られていて、350mm/f2.8、250mm/f2、180mm/f2の3本がある。このzuiko 350mm/f2は、驚愕の白レンズの三兄弟の長男ということになる。

◆良いところ
OMズイコー驚愕の白レンズ、zuiko 350mm/f2はオリンパスの満を持して発売された超高級レンズだ。

とにかく写りは最高だ。色乗り良し、シャープさ良し、コントラスト良し、うっとりするほどの最高の描画性能だ。欠点はまず見あたらない。

発売時90万円というとんでもない価格だ。だが噂では製造原価は発売価格の5倍ほどだったという話もある。本当なら原価450万円のレンズということになる。普通なら「ほんまかいな?」だけど、このレンズを使っているとまんざら信じてうなづけるのだ。

プロ向けに作ったもののさほど売れなかったようで、受注生産になったらしい。なので出荷数は極めて少なくプレミアものだ。

◆悪いところ
当然だがzuiko 350mm/f2は、重量3900g!オリンパス史上2番目に重たいレンズとなる。(ちなみに史上1番重いのはzuiko 1000mm/f11の4150g!)がっちりした三脚とセットでないと使うことはムツカシイ。じっくり時間とパワーをかけて良い作品を作るそういう強い意欲がなければ心が折れてしまう。

◆エピソード
「驚愕の白レンズ」のうち最後に買ったレンズだ。長男と名付けたが実のところ最後に手に入れたので三男坊とするべきだったかもしれない。zuiko 180mm/f2、zuiko 250mm/f2と手に入れたら、zuiko 350mm/f2もどうしても欲しくなる。ちょうどebayで新品同様がでていたので、高額だったが衝動的にポチってしまった。

届いたブツは本当に新品同様でケースもピカピカだ。そうやって多くの資金を投資したレンズだが、実のところまだ一度しか使ったことがない・・・。がっちりした三脚のもとじっくり撮る、そういうレンズとなるのだが、ポートレートには遠すぎる、運動会はほこりまみれになる、野鳥は、重すぎて山まで運べない、という消去法で活用の場が限られるわけだ。車で運べるところでいい撮影機会はないかなぁと思案中だ。

ところでこの驚愕の白レンズ、実は最初は黒だったのだ。どこかで白に代わったようだ。これが証拠写真だ。ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8


<諸元>

ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8

コーティング MC
画角  7°
レンズ構成 7群9枚
絞り・形式/範囲  自動/2.8-32
最短撮影距離  3m
最近接撮影範囲  25x17cm
ピント調節方式 回転カム(インナーフォーカス)
全長/最大径  280mm/142mm
質量  3900g
フード  組込み式
フィルター 専用(φ46mmリヤフィルター)
発売時の価格  ¥900,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 250mm F2

凄すぎる驚愕の性能と大きさと価格。強い目的意識が必要

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 250mm F2/ズイコー 白レンズ 250mm F2

ZUIKO AUTO-T 250mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ☆
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 250mm F2

◆愛称 「きょうがくのしろれんずのじなん」
いわずと知れたOMズイコー驚愕の白レンズの一つだ。OMズイコー驚愕の白レンズは3本セットの三兄弟で知られていて、zuiko 350mm/f2.8、zuiko 250mm/f2、zuiko 180mm/f2の3本がある。zuiko 250mm f2は、驚愕の白レンズの三兄弟の次男ということになる。

◆良いところ
OMズイコー驚愕の白レンズはオリンパスの満を持して発売された超高級レンズだ。

とにかく写りは最高だ。色乗り良し、シャープさ良し、コントラスト良し、うっとりするほどの最高の描画性能だ。欠点はまず見あたらない。

発売時90万円というとんでもない価格だ。だが噂では製造原価は発売価格の5倍ほどだったという。本当なら原価450万円のレンズということになる。普通なら「ほんまかいな?」だけど、このレンズを使っているとまんざら信じてうなづけるのだ。

プロ向けに作ったもののさほど売れなかったようで、受注生産になったらしい。

純正テレコンバータレンズとの整合性がいいようで、1.4×-Aと組み合わせて使うとzuiko 350mm/f2.8になる。よく考えられているものだ。つまり、zuiko 250mm/f2と1.4倍のテレコンを持っていると、驚愕の白レンズの長男zuiko 350mm/f2.8は持たなくてもよかったのだ。

◆悪いところ
重量3900g!オリンパス史上2番目に重たいレンズだ!(ちなみに史上1番重いのはzuiko 1000mm/f11の4150g!)がっちりした三脚とセットでないと使うことはムツカシイ。じっくり時間とパワーをかけて良い作品を作るそういう強い意欲がなければ心が折れてしまう。

手持ちで使えば、10分ほどで腕が上がらなくなる。そうとうな体力といい絵作りを目指そうとする意思が必要だ。

◆エピソード
実はzuiko 250mm/f2はとても思い入れのあるレンズだ。

高校生のときにこのレンズが登場した。カタログをみていろいろ唖然とした。なぜからその価格だ。それにそのバカでかい大きさだ。

それと、、言いにくいが、、なんかダサいデザインだと思った。ここまでの性能だ。光学上やむを得ないのだが全長に対して正面レンズの口径が広すぎる。なんというバランスの悪さ。しかも受注生産だという。買う人がいるのか?と疑問に思った。

そして様々な面で唖然としたことを記憶している。そんな無知の高校生の頃の印象だったこのレンズがどうしても欲しいレンズに代わっていく。それはやはりもっといい絵がとりたい。もっといいレンズを使いたいという「レンズ沼」のせいなのだが、特にこのレンズは数が少なく、しかも状態がいいものが少なく、新品級がだされたら奇跡といえる。

そんなものだからなおさら「レンズ沼」患者の患部を刺激して猛烈に欲しくなった。

そんな折、奇跡が起きた。なんと未使用の新品同品のzuiko 250mm/f2が出品されたのだ。強気で競り落とした。そして一度ぎりテスト撮影をしてそれっきり。。。もっと遊んでやりたいのだがなにせ体力が・・・。

<諸元>

ZUIKO AUTO-T 250mm F2

コーティング MC
画角  10°
レンズ構成 9群12枚
絞り・形式/範囲  自動/2-22
最短撮影距離  2.2m
最近接撮影範囲  25x17cm
ピント調節方式 回転カム(インナーフォーカス)
全長/最大径 246mm/142mm
質量  3900g
フード  組込み式
フィルター 専用(φ46mmリヤフィルター)
発売時の価格  ¥900,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 250mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 180mm F2

開放のみですべてを飲み込む、妥協を許さない頑なレンズ性能。

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 180mm F2 / ズイコー 白レンズ 180mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ☆
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 180mm F2

◆愛称 「きょうがくのしろれんずのすえっこ」
いわずと知れたOMズイコー驚愕の白レンズの一つだ。OMズイコー驚愕の白レンズは3本セットの三兄弟で知られていて、zuiko 350mm/f2.8、zuiko 250mm/f2、zuiko 180mm/f2の3本がある。zuiko 180mm/f2は、驚愕の白レンズの三兄弟の末っ子ということになる。

◆良いところ
zuiko 180mm/f2は、当然のことながら感動するほどの描写性能だ。色といいコントラストといいその繊細なシャープさといい、うっとりするほどの最高の描画性能だ。

オリンパスは一体どういう意図でこの3レンズをつくったのだろう。コンパクトで高性能というオリンパスらしい部分を切り捨てた、驚愕の大きさと重さだ。ただその映りは素晴らしい。「オリンパスだって本気になったらこういうすげーレンズだって作れるんですぜ」というPRの意図があったのか?

驚愕の大きさと重さ、それに比例する驚愕の価格で、そんなには売てはないらしい。後世は受注生産だったと聞く。OMズイコーらしい携帯性が全くないのは残念だが、いい絵を求めるなら満足できる。

私はこの驚愕の白レンズの三兄弟のうちこのzuiko 180mm/f2が大好きだ。唯一手持ちで構えることができるものね。それに三兄弟の中で最も小さく(でっかいいレンズだが)、唯一持参のカメラバックに収まる。(他のレンズは犠牲になるが)

◆悪いところ
なんといってもその大きさと重さだ。(これもあたりまえだが。)三兄弟のなかでもzuiko 180mm/f2はまたましなほうだが、、、

◆エピソード

zuiko 180mm/f2は昔からとても憧れのレンズだった。だがとても希少なブツで、方々探すがなかなかでてこない。

なんとかみつけて購入したところ残念ながら前玉にカビがあった。

ところが、描写は素晴らしい。作例のとおり、全く影響はない。

たまたま新宿の中古カメラで新品同様のzuiko 180mm/f2を見つけたのでお借りして撮り比べてみたが、一切の差がなかった。ちなみにその新品同様のブツは100万円だった、、、。中古市場でも驚愕だ。

中古で見つけられたなら、多少のカビがあろうが、数十万でもかなりのお得ということになる。めったに出てこないので、お探しのかたは速やかな判断をオススメする。


<諸元>

ZUIKO AUTO-T 180mm F2

コーティング MC
画角  14°
レンズ構成  8群10枚
絞り・形式/範囲  自動/2-22
最短撮影距離  1.6m
最近接撮影範囲  25x17cm
ピント調節方式 回転カム(インナーフォーカス)
全長/最大径  174mm/113mm
質量  1900g
フード  組込み式
フィルター  φ100mm ねじ込み
発売時の価格  ¥646,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 180mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 100mm F2

OMファンが憧れたOMズイコーを代表する「伝説の名珠」

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 100mm F2 ズイコー 中望遠 100mm F2​

 ZUIKO AUTO-T 100mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★☆
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-T 100mm F2

◆愛称 「レジェンド」
zuiko 100mm/f2といえば、OMズイコーを代表する銘玉としてOMファンが憧れた「歴史的名器」だ。zuiko 90mm/f2と人気を二分しているといっていい。なぜ同じ中望遠域で2本もの銘玉が存在するのか?

中望遠域の一般撮影向けとしてのプロ用としてOLYMPUSの技術を余すところなく注いだのがzuiko 100mm/f2だ。当然高い評価を得た。その後登場したのがポートレート用に特化したzuiko 85mm/f2、最後に登場したのがマクロ用に特化したzuiko 90mm/f2だった。

ところがこのルーキーzuiko 90mm/f2はマクロ域のみならず万能として高い評価を得た。よってzuiko 100mm/f2は「かつての銘玉」とよばれるある意味不遇な存在でもある。わたしは敬意を表して「レジェンド」と呼ぶことにしているのだ。

◆良いところ
このzuiko 100mm/f2は、前群に特殊低分散(ED)ガラスと異常分散レンズを採用したアポクロマート構成で、諸収差が極めて低く抑えてあるのが特長だ。

全体繰り出しと後2群フローティングのピント調節によって、0.7mの最短撮影距離を実現している。中望遠にしてはとても短くて便利だ。像倍率1/6まで寄れるのでマクロレンズ的にも使える。もちろん近距離収差補正機構(フローティング システム)も付いているので近接撮影でも性能劣化しずらい作りだ。

当時のOLYMPUSの技術を余すところなく費やした贅沢な作り最高の中望遠だ。極限の描写性能を追求したレンズといえる。

絞り開放から周辺まで極めて優秀な破錠のない写りを見せてくれる。シャープで階調描写(質感描写)も素晴らしい。何より色が良い。光量の少ない場面であっても色乗よく、色の抜けも抜群だ。さすが低分散ガラス!

◆悪いところ
zuiko 100mm/f2に組み込まれている内臓フードは、繰り出し部分が少ししかなくお飾り程度のものだ。レンズは結構大きく太い。なのにアンバランスなほど小さなフード。これはあまりあてにしない方がいい。やはりCONTAXメタルフードNo.5を使用しよう。かっこいいし。

重さはちょうどzuiko 80mm/f2の倍で、ずっしりしている。逆にこのずっしりした感じが高級レンズとしての神々しさをかもちだしているといえるのかも。

◆エピソード
辛口の評価本「写真術」の著者、日沖宗弘氏が著書のなかで絶賛している。「zuiko 100mm/f2は大変優秀と認められるレンズ」だそうだ。

それもそのはずだ。先にも述べたが、なんたって特殊低分散(ED)ガラスと異常分散レンズを採用したアポクロマート構成レンズだ。

普通だったら、このようなレンズの場合、「APO-XXXXX」とか「XXXXX-ED」とか、APO,EDの名称表記で性能を自己主張するものだが、このレンズの場合、そういった名称ではない。

オリンパスは実に謙虚で控えめな名称をつけるものだ。本来なら、
「APO-ZUIKO AUTO-T 100mm F2 ED L
とでも名乗ってもおかしくなかったのではないか。(笑)ごちゃまでだけど。

<諸元>

ZUIKO AUTO-T 100mm F2

コーティング MC
画角  24°
レンズ構成  6群7枚
絞り・形式/範囲  自動/2-22
最短撮影距離  0.7m
最近接撮影範囲  18x12cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  72mm/70mm
質量  520g
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥99,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 100mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2

ソフトで柔らかくレトロな情景とポートレートに最適

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2 ズイコー 標準 55mm F1.2

 
  • 画 質  ★★☆
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★
ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2

◆愛称 「あとむくん」
zuiko 50mm/f1.2の前身のレンズだ。

かつて標準レンズといえば50mm F1.4が一般的だったのだが、当時の大口径ブームにより、各社は競ってF1.2の標準を開発しはじめた。しかし、当初50mmの焦点距離でF1.2を実現するのは技術的に難しかったようで、初期のF1.2レンズは、僅か長焦点の 55~58mmクラスになっていた。

OLYMPUSもその時流に合わせ開発したのがこのzuiko 55mm/f1.2だったようだ。

50mm近くにまでレンズの屈折率を上げ、かつ明るいレンズを作るために酸化トリウムを使ったと言われている。このトリウム、実は放射能が出るらしい。なのでこのようにトリウムを使ったレンズをアトムレンズと言われているのだ。ただ人体にはほとんど影響はないらしい。ガイガーカウンターで計測すればわずかに針が振れる程度なのだそうだ。

そこでzuiko 55mm/f1.2を「あとむくん」と呼ぶようになったのだが、トリウムは旧式の50mm /f1.8や50mm/f1.4でも使われていたこともあるようで、アトムレンズはこのレンズだけではなかったようだ。アトムレンズはたいてい古くなると黄変するので、黄色いレンズはアトムレンズの可能性があると考えてもいいだろう。

基本的にフイルター枠が銀縁のタイプはこれで、後期の黒縁のタイプはアトムレンズではないはずだ。

◆良いところ
正直言って、この初期の 55~58mm級のF1.2レンズは、ただ明るいだけであって描写力は不満が残るものが多い。特にF1.2開放の描写性能はかなり落ちる傾向がある。

一般的にはシャープで固めな描写なOMズイコーにしては、このzuiko 55mm/f1.2は(珍しく)柔らかく綺麗なボケが魅力的な描写だ。

開放は「とろん」としたとても優しい描写だ。ピントが合えばとても線の細い描写となる。F2.8まで絞ればシャープとなり普通にも使える。開放では(よく言えば)ソフトフォーカスみたいになるので、ポートレートとして使うのが最適だ。風景はしっかり絞って使いたい。

40年以上も前のレンズで、オールドレンズというよりはクラシックの域にあるレンズといってもいいかもしれない。街をレトロな描写で撮影したいときにもいいと思う。
たとえるなら角のあるとんがってた人が、年をとって親父になると、まあるく柔らかくなったようなイメージ。でも頑固でこだわりを持ち続けている、そんな描写だ。

◆悪いところ
zuiko 55mm/f1.2は太くずっしり重く、クラシカルな要素たっぷりのOMズイコーだ。一時期、意外にも高値になっていたようだが、いまの基準では評価の低いレンズかもしれない。ただクラシックレンズの描写に近いので、それが情緒的でいいね。という人もいるので、評価は二分されるだろうな。特に開放ではもやもやした感じが賛美別れるところ。やわらいのが好きな人にはいいが、OMズイコーらしいキリッとしてコントラストもしっかりしているのが好きなひとには物足りなくなるだろう。

初期型のフィルター銀枠はフレアやにじみがすごい。またレンズはアトムの影響か、黄変(黄土色に変色)してる(焼けてる)ことが多いが、後期型の黒枠になるとにじみは少く、黄変もしていないことが多いようだ。ちなみにどちらもシングルコートしかない。

何年かすると絞りに油が染みて動きが鈍くなるらしい。定期的なメインテナンスが必要になるのかな。

◆エピソード
銀枠のOMズイコー のなかで一番好きだ。M-1のシルバーにつけるととてもかっこいい。大きなレンズに気持ちも踊ってしまう。できればM-SYSTEMの銘のついたzuiko 55mm/f1.2がほしいんだよな。そもそも存在するのかすらわからない。誰か教えてほしい。⇒みつけました。ありました。買えなかったです。( ノД`)シクシク…

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<諸元>

ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2

コーティング MC
画角 43°
レンズ構成  6群7枚
絞り・形式/範囲  自動/1.2-16
最短撮影距離  0.45m
最近接撮影範囲  23x15cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  47mm/65mm
質量  310g
フード  φ57mmかぶせ
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  調査中

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z030  M-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2(銀枠)  良好 保存&常用
Z031 ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2(黒枠)

 

<作例>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2

通常撮影でもマクロでも秀逸な描写力。至高の標準

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2 ズイコー マクロ  50mm F2

  • 画 質  ★★★★★★
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★★

◆愛称 「おおまくろだま」
オリンパスの力を示す銘玉中の銘玉だ。この50のマクロにはzuiko 50mm/f2の他に50mm/f3.5という”廉価版”が用意されている。どちらも評価の高いのだが、特にF2の方はF2という明るさをマクロで実現しつつ、ずっしりとした重みと大きなレンズが所有欲を満たしてくれる。どちらも優秀レンズの称号として「たま」を愛称につけたくて「おおまくろだま」と「こまくろだま」と名付けた。

◆良いところ
そもそもマクロレンズとは、近接撮影ゆえに収差の影響が大きくなる。その収差を極限に抑えようとするとどうしても開放F値をおさえておくのが普通で、たいていのマクロはF3.5よくてもF2.8が普通だ。そんな中で当時F2を実現したのがOLYMPUSのすごいところだ。

zuiko 50mm/f2は、明るさとマクロ撮影の両面での描写性能を実現するというたいへんな技術力が必要だったに違いない。

とても開放からシャープでちょっと絞ればかなりキリリとした描写だ。そのうえ硬すぎるということもない。そしてボケがやわらかく美しい。ボケが大きくふんわりしてピンのあった部分はキリリとするそのメリハリの良さは私の大好きなところだ。

◆悪いところ
OM ズイコーらしくないその大きさかな。(当時の他社より製品よりは小さい方と思うが。)鏡胴が太く、重量もずしりとしている。でもこれだけの性能のレンズだ。全く気にはならない。ただどうしてももう少し軽いのがいいということなら「こまくろだま」のzuiko 50mm/f3.5マクロを選択すればいい。性能もそこそこだ。

◆エピソード
このzuiko 50mm/f2はマクロらしい風貌だ。とても所有欲を満たしてくれてとってもお気に入り。これと90F2マクロとのセットで持ち出すことが多い。前面レンズが奥に引っ込んでいるためフードが不要とのことになっているが、フードはつけた方がよさそうだ。フレアにやられたことはないが、いちおう念のためだ。omfanのimaiさんのHPを参考に、コンタックスのメタルフード(No.4)をつけてる。

<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2

コーティング MC
画角  47°
レンズ構成  7群9枚
絞り・形式/範囲  自動/2-16
最短撮影距離  0.24m
最近接撮影範囲  7.2×4.8cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  55mm/69mm
質量  320g
フード  不要(公式には)
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥100,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z028 ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2

随一の大口径。画面周辺での鮮鋭度もすぐれた標準レンズの傑作

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2 ズイコー 標準 50mm f1.2

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★☆
  • 希少性  ★★★★☆
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★☆

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2

純正ガウスタイプ

◆愛称 「たまたま」
大口径にも関わらずフィルター径が49mmで、レンズ両端に比べピントリング部のふくらみが強調され、他のズイコーとはちょっと違ったデザインだ。まるでボールのような形状なので当初は「ボール君」と名付けていた。

だがそのzuiko 50mm/f1.2の実力は「玉の中の玉」といっていいほど。ボールぽい見かけと「銘玉」といえる実力を兼ねてるところから、ちょっとした遊び心で「たまたま」と名付けた。

◆良いところ
このzuiko 50mm/f1.2は、ズイコー随一の大口径ながら設計に無理がなく、画面周辺での鮮鋭度にもすぐれた標準レンズの傑作だ。この明るさに美しいボケ具合。一度使うとファインダーを覗くのが癖になってしまう。

絞り開放ではかなり甘い描写となりポートレート向きの柔らかい描写と言える。だがf2.8~f4まで絞れば十分な解像度とシャープネスを伴った非常に高い描写力を発揮する。

豊かな階調とクリアで深みある色再現性が素晴らしい。コントラストは全ての絞りでしっかりしている。最近接撮影距離も0.45mで日常マクロも使える。

~赤城耕一氏「使うオリンパスOM」より~
「描写性能はかなり高い。開放時は特別にシャープなわけではないが、コントラストが良好なため、実用絞りとして使うことができる。‥ハロは完全に消えてるわけではないが、ハイライト部分の滲みもわずかで、品の良い個性的な描写となる。」

◆悪いところ
開放ではハイライト部に少しもやっとしたものやら強いハロのようなものやらが出てきて柔らかくなる。それを悪いところとするかどうかは使い方次第だが、f2程度絞ることでハロも解消され全面で良像となる。

よくカミソリのピントと言われるが、そのとおりで被写体深度は紙のように薄い。開放では動く被写体を合焦させるのは相当な技術力が必要になる。フィルムのオールドOMカメラではファインダーが像が柔らかいので特にピントが分かりにくい。

これだけ明るいレンズでピントが合わせにくくなるというのは皮肉なものだ。まあ全ての大口径レンズの特徴でもあるので欠点とも言えないが、他に悪いところが見当たらないので書いてみた。

やはりF1.2の実力は相当のもので、ポートレートで目にピントを合せて、開放だと目以外はすべてピンボケで、まるでマクロ撮影をしているよう。それはそれで撮影が面白くなるのだが、撮りたい絵によっては長所の大口径が欠点になる場合もあるものだ。

~赤城耕一氏「使うオリンパスOM」より~
「明るいファインダーを楽しみ、あえてF2.8以上に絞る。そういう贅沢が、むしろ実用的。」

◆エピソード
zuiko 55mm/f1.2の後継レンズである。大口径化による諸収差を抑えるためには焦点距離が長い方が有利ということから、かつてはF1.2クラスのレンズの標準レンズといえば焦点距離は55mmが一般的だった。

ところがペンタックスが50mm/f1.2を発売。それをきっかけに、各社から50mm/f1.2が発売された。オリンパスもこの流れでzuiko 55mm/f1.2の後継として開発したものだろう。

各社こうした大口径のレンズ設計にはそうとう苦労をしているようで、マウントの大きさやフランジバックの距離などの諸制限で悩まされている。だがオリンパスはすんなりzuiko 50mm/f1.2を出した(ように感じた)。しかもこのスペックで49mm枠のフィルターだ。設計に余裕すら感じられるのだ。

開発者の米谷美久氏は「OMマウントは、超望遠レンズやf1.2クラスのレンズの使用を想定して設計された」と語っている。OMはマウントの設計当初からF1.2の使用を想定して作られているのだ。だから無理のない形状のレンズの設計が可能だったのだろう。

私は中古で購入しのだが随分安かった。相場の半額ぐらいだったのだ。なんでだろうと思ったらピントのゴムリングがひどく痛んでいたのだ。聞くと工業機械用のなにかの装置にくっ付けて使われていたそうで装置と固定させるためのボルトか何かでゴムリングが傷んでしまった個体のようだ。光学系には全く問題がなかった。

カメラ撮影以外の工業機械にこのzuiko 50mm/f1.2が採用され役立っていたと聞くとこのレンズの評価の高さが証明されているようでうれしい気がした。

その後、外観も美しいものを購入しなおしたが、もっぱらゴムリングが傷んでいる方が愛着が沸いてきてて普段使いに役立ってる。


<諸元>

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2

コーティング MC
画角  47°
レンズ構成  6群7枚
絞り・形式/範囲  自動/1.2-16
最短撮影距離  0.45m
最近接撮影範囲  24x16cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  43mm/65mm
質量  285g
フード  φ51mmかぶせ
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥80,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z018 ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-W 35mm F2

艶っぽい描写の使いやすい大口径広角レンズ。人物撮影に好適。

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 35mm F2 ズイコー 広角 35mm f2

ZUIKO AUTO-W 35mm F2
  • 画 質  ★★★☆
  • 携帯性  ★★
  • 希少性  ★★★☆
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★
ZUIKO AUTO-W 35mm F2

◆愛称 「さんごーえふに」

zuiko 35mm/f2なので、その数字だけを読んで基本「さんごーえふに」と呼ぶ。ただそれだけの愛称だ。まあ佐藤さんを「サトー」と呼んでるようなものだ。

オリンパスのOMズイコーのシリーズでは”廉価版”と”大口径”の二種類が選べれるようになっている。私は基本、”大口径版”に対しては敬意を払ってニックネームをつけようとするのだが、大口径であるはずのこのレンズにはまだそれらしいニックネームが用意できてない。高価で上流階級向けのレストランの食事より、庶民のランチの方がかなり旨かったりすることがあるが、そういう例えでいい愛称がないか現在思案中だ。

◆良いところ

発色は良好だ。解像も問題ない。特にシャドー部の再現性がよい。これみよがしではないが、実力はある。艶っぽくて柔らかい表現をするのでポートレートに向くのではないかな。このレンズは時々びっくりするほどのリアルな空間表現をしてくれる。

深緑とルビー色のコーティングが美しい。デザインも美しく、OMボディーとのバランスがいい。zuiko 21mm/f2、zuiko 24mm/f2とよく似ており並べるとパッと見どれがどれだか区別がつかなくなる。また別のコーナでクイズ特集でもしようかと考えてるぐらいだ。

◆悪いところ
このレンズは少々癖がある。発色はいいのだがキリキリとしたOMズイコーらしい硬さではない。特にコントラストについては、いろいろ言われて評価がわかれるところだ。特に逆光時はシャープネスが低下するので注意が必要だ。

F2と明るい広角レンズだが、絞り開放付近ではコマ収差が気になる。樽型歪曲は人により大きくて使えないとか歪曲はないとか色々意見がわかれている。私の感触では近接すればするほど歪曲が強まるようだ。まあ気にはならないレベルだが。

zuiko 35mm/f2.8と比較するとカチッとした感じではなく、コントラストがやや低く湿度感の高いコッテリした描写になる。なので”廉価版”のzuiko 35mm/f2.8の方が評価が高い。(こういう話がズイコーレンズには多い)

ズイコー レンズの中ではスペックの割りには大柄だ。第1レンズが強い凸面であることが設計の古さを感じさせられる。

◆エピソード

そもそもカメラを始めた高校生のころ、一番最初に手にした ズイコー レンズがzuiko 35-70mm/f3.5-4.5ズームだった。しばらくはこれ一本で頑張っていた。したがって、単焦点35mmを使う習慣が身についていないのか、私はどうも使う機会が少ない。

広角にしてはパース感は物足りないし、構図はつまんなくなるし、使いこなすのが難しい。よく「初心者向き」と言われた35mmだが、ところがドッコイ、実は写真を知り尽くしたプロ向けのレンズなのだ。

これを買ったのは、zuiko 21mm/f2、24mm/f2、28mm/f2と揃えてzuiko 35mm/f2をあわせてF2広角4兄弟をコンプリートしたかったから、ただそれだけだ。したがって本当にあまり使っていない。かわいそうなので頑張ってもっともっと使おうと思っている。

<諸元>

ZUIKO AUTO-W 35mm F2

コーティング MC
画角  63°
レンズ構成  7群8枚
絞り・形式/範囲  自動/2-16
最短撮影距離  0.3m
最近接撮影範囲  21x14cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  42mm/60mm
質量  240g
フード  φ55mmねじ込み
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥58,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z012  ZUIKO AUTO-W 35mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>