古い設計なのに意外にも現在レンズと遜色ない高性能な望遠
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 300mm F4.5/ズイコー 望遠 300mm F4.5
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◆愛称 「さふぁり」
かつて、よく読んでいたカメラ雑誌に動物自然写真家の吉野信さんがOM2にモードラとグリップ式バッテリーにこのzuiko 300mm/f4.5を背負ってアフリカの動物写真を紹介するコーナーが印象的だった。
このレンズを使うと、かつての吉野信になった気持ちになる。「動物でも撮影しに行こうか!」という気持ちにさせられるのだ。
◆良いところ
zuiko 300mm/f4.5は、古い平凡な設計の望遠レンズだが、絞り開放からキレが良く、シャープコントラストが高く発色も良好。ヌケよく高い解像力で周辺光量の低下も少ない優秀なレンズだ。
実はこのレンズ、異常分散ガラスと高屈折ガラスを使用した(準)アポクロマート構成なのだ。写りの良さは納得だ。だがOLYMPUSはこのレンズを「APO」と称さなかった。なんでだろう。そこまでは言い過ぎということか?
当時のそこらの「サンニッパ(300mmF2.8)」 より描写力は優れている。(らしい)
しかも手持ち撮影も容易な小型軽量設計。スポーツや動物撮影など、激しい動きの被写体を追跡できるだろう。
~赤城耕一氏・評「使うオリンパスOM」(双葉社)より~
「設計の古い超望遠レンズは色収差がヒドくて性能が劣り、使い物にならないという定説がある。‥すばらしく性能が良いことに驚いた。すっきりとしたヌケ、確実なピント、クセのない色再現など、現代の超望遠レンズと比べても遜色がないのである。‥あまり話題になることのない300ミリレンズであるが、名玉の位置にあるといってもおかしくはない。」
◆悪いところ
最短撮影距離が3.5mと長い。ZUIKOの望遠はたいてい最短撮影距離が長いが、コンパクトさを得るための代償なのかもしれない。オートエクステンションチューブ 7/14/25を利用しよう。
とても好きなレンズなのだが、さっぱり出番がない。オ-クションでも比較的安価に出品されている。やはり皆使いあぐねているのかなぁ。
◆エピソード
今のzuiko 300mm/f4.5は2代目だ。1代目はヤフオクで格安で落札したのだが、出店者の梱包方法に難があって配達中に壊れていた。部品が取れていたのと、絞りが絞ると解放するのにドロッとした感じだっのだ。(これは元々のせいで配達のせいではなかったのだが配達のせいとなった)
保険が下りて修理代金は郵便局が負担することになったのだが、意外にも修理してくれる業者がなくてびっくりだった。たかか300mmじゃないか!なのに市内のカメラ店&中古カメラ店では「やったことがない」とか「大きすぎて手に負える」とのことだ。そもそも下請けで修理してくれる業者が次々と廃業をしていて簡単なものしか扱えないとのことだ。市内中をせっせと尋ねまわってやっとこさ修理してくれる業者にたどりついた。ところが、なんと私が訪問した日が店じまいの日。つまり最後のお客さんになったのだ。
最後・・・ゆえに、「最後の仕事だから力をいれて丁寧に修理してくれるんだろうな」というほのかな期待した。だが、修理内容は満足いく内容ではなかった。。
結果、zuiko 300mm/f4.5は買い直すことになった。現在の2代目は随分品が良くて気に入っている。利用機会は少ないが・・・。
<諸元>
ZUIKO AUTO-T 300mm F4.5
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z0 | ZUIKO AUTO-T 300mm F4.5 | 良好 | 保存&常用 |