OMズイコー最後のレンズにして最高描画の大口径標準ズーム
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8/ズイコー 標準ズーム 35-80mm F2.8
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◆愛称 「ずーむだま」
OMズイコーでは35-70域の標準ズームは、35-105も含めると6本もある。zuiko 35-80mm/f2.8はその中でも極めて優秀なズームだ。私がつけるレンズへの愛称にはちょっとしたルールがあって、優秀レンズに対しては称号として「たま」を付けるようにしている。OMズイコーのF値2.8通しの高級版ズームレンズ。なので「ズーム玉」だ。
◆良いところ
1994年11月、10年という時を経てOM3がOM3Tiとして復活した。このzuiko 35-80mm/f2.8はOM3Tiとのセット販売向けに特別開発されたものだった。
このレンズの性能を考える時にOM3Tiがどういう目的で再現されたかを考える必要がある。ちょっと歴史講義ぽくなるが、それまでの流れを説明する。
1986年7月OM-4Tiが発売開始。OM-4のマイナーチェンジだが、これはヒットしロングセラーになった。ところが同10月に発売のOM707が大失敗。その後AF特許の問題もあって、当分はAFに手が出せなくなった。1988年OM101を発売するがまたしても大失敗だ。その後しばらくロングセラーのOM-4Tiに頼って難をしのぐ。そして1994年11月、6年間ぶりの一眼の発売となるのがOM3Tiだ。
これまでビギナー向けで失敗しているので、今度のOM3TiはOM4Tiよりもより上位を目指すセミプロユーザがメインターゲットとなる。そのOM3Tiにセットとして開発されたのがzuiko 35-80mm/f2.8だ。当然プロも納得する妥協を許さない高性能レンズでなければならない。
こうして別格で秀逸、そして価格も格別なこのzuiko 35-80mm/f2.8が生まれたのだ。最高の性能なのは当たり前だ。ED(特殊低分散)ガラスや異常分散レンズがふんだんに使ってあり。まさにオリンパスの技術の粋を集中し威信をかけた開発だったに違いない。
◆悪いところ
問題はレンズが大きいことだ。
オリンパスはコンパクトさと描画性能の両方を優先したレンズが多く作っている。その犠牲になったのが絞りの明るさだ。明るさと引き換えにコンパクトで高い描画性能を実現してきたといっていい。
ところがこのレンズはズームで2.8と明るく高い描画性能。おのずと大きさが犠牲になる。他社のように描画性能を犠牲にしないそのこだわりは賛美すべきだろう。
OMズイコーとしては異質の62mmフィルタを使う。ここにきて49mm,55mmというフィルター系統一というこだわりを捨てた。それは思うにオリンパスとしても新しいZUIKO時代の幕開けのようなものを考えていたのではないだろうか。
ところが、OMシステムそのものが2003年生産及び販売を終了してしまう。もっと長く続けてほしかったものだ。OMズイコー最後のレンズは、オリンパスらしくはない大きく重たいレンズだが、華々しく素晴らしい描画性能を持った最新のズームレンズだったのだ。
◆エピソード
zuiko 35-80mm/f2.8は、前述のとおりOM-3Tiと同時発売になったOMズイコー最後のレンズとなった。(コシナOEM製のOM2000と同時発売のOEMズイコーレンズ、OM701/101用AFレンズを除く)
しかもOMズイコー最初で最後の花形フード。私はこの花形フードが欲しくてたまらなかった。
最初にヤフオクで落としたzuiko 35-80mm/f2.8には花形フードがついてなかった。なので、花形フードだけをあっちこっち探し回ったが出回っていない。それはそのはず、最後に発表されてたレンズだけに生産量がすくないのだ。それで致し方なくフード欲しさにもう一本zuiko 35-80mm/f2.8をヤフオクで落とした。
その大きさと重さのために、s zuiko 35-70mm/f3.5-4.5ほど気軽く持ち出せないが、ここぞというときに使っている。高級ズームらしい使用感だ。
<諸元>
ZUIKO AUTO-ZOOM 35-80mm F2.8
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z0 | 良好 | 保存&常用 |