「望遠はコレ1本でイイ!!」って気にさせるちっちゃな入門用中望遠
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5 / ズイコー 中望遠 135mm F3.5
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◆愛称 「ちゅーぼー」
かつて、1980年台前半までの中・高校生にとって135mmといえば身近な望遠レンズだった。
好きな彼女を遠くから隠し撮り。それのためにも望遠レンズが必要だったし、本格的な望遠レンズは憧れの存在で、まずは中望遠の135mmからというのが定番だった。
このzuiko 135mm/f3.5は定価2万5500円ととにかくリーズナブルで、当時の中高生でもなんとか買える望遠レンズだったのだ。
ただ次第にズームレンズの台頭、とくに70~210mm域の望遠ズームのブームにより、135mmはほどなく市場から減少していく。ズームレンズでもF値は4だ。F値が同じぐらいなら望遠ズームの方が使い勝手がいい。市場はそう判断したのだろう。このzuiko 135mm/f3.5もやがて姿を消した。
だが、zuiko 135mm/f3.5をみるたびあのころのくりくりの中学生のころを思いだし懐かしい。
そんなことで「ちゅーぼー」と呼ぶことにしている。語源は「中望遠」だが。
◆良いところ
現在は中古で数百円~数千円で入手が可能で、とてもコストパフォーマンス高いといえる。またとてもコンパクトで手軽に使える中望遠だ。
F2.8レンズと比べると、F3.5レンズは前長で7mm短く、重量で80gも軽く、フィルター径も49mmと小型。一見135 mmとは見えないだろう。これだけのコンパクトさだけでも強烈な個性だ。いつも一緒に連れて行きたくなる。
実はこのレンズはMCタイプの出荷が極めて少ない。MCタイプはレア中のレアと考えた方がいい。なのでネットでの評価はモノコートによるものがほとんどになるわけだ。
一説ではモノコートしか生産されなかったという情報が流布されているがそれは正しくはない。その証拠に私が持っているブツはMCのzuiko 135mm/f3.5なのだ。しったかOMファンは腰を抜かして驚くことだろう。
気になる画質だが、さすがMCだけに、コントラストや色乗りは問題ない。キリリとしているF3.5だけにボケにくいレンズだが、画質はいい方といえるだろう。
◆悪いところ
このレンズはコンパクトさが売りなものの相対的に描画性能の評価があまりよろしくない。「シャープが売りのOMズイコーらしくない」とか、「ふんわりやわらかい描写には向く」など好き放題に言われている。
ただ、これは先にも述べたがあくまでモノコート版の評価だ。MC版とはウンデ―の差であることを付け加えておく。だだ市場はほとんどモノコートなのが悔やまれる。
モノコートの描写性能は、たしかに色再現が地味でコントラストがイマイチな印象だ。
開放では色収差も大きいがF5.6まで絞ることで大きく改善する。また開放で大きく出る色収差とフレアを逆手に取り、レンズに逆光を直接射し込むことで白くふんわりとした軟らかな印象の描写を得ることもできるだろう。
中古市場には豊富に在庫があり、数千円で入手可能だ。まあほしい人にとってはいいことでもあるのだが。先にも述べたがMCの方は結構いい描写評価ができるので希少だがMCを見つけてほしい。市場はそれに気づいていないようで同じように安く売っている。購入時にはじっくる観察して買うことをおすすめしたい。
◆エピソード
このzuiko 135mm/f3.5は実は3回も買い替えた。
最初は銀枠だった。コレクションとして取っておけばよかったが。。。どうも甘いので曇っていると判断して買い替えた。
2つ目はよくある黒枠だがモノコート。E.ZUIKOの銘がついていた。(E.ZUIKOというのはモノコートの証)1本目が甘いのでとして買い替えた2本目も同じ甘いレンズだった。つまりそういう性能だったのだ。
そういうものかとあきらめていたところへ「ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5」を見つけた。このレンズだ。「んんん???」「E.ZUIKO」じゃない!どういうことだ!そう、最終的に出されたシリーズではZUIKOだけの銘となりMC化されていたのだ。(「MC」表記が省略)レンズの輝きも違う。使用感もちがう。やっぱりMCはええのぉ。
<諸元>
ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z0 | ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5 | 良好 | 保存&常用 |