ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

ズームのブーム時代に生まれた隠れた銘玉級望遠ズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4 / ズイコー 望遠ズーム 65-200mm F4
ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★☆
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★
  • 総合評価 ★★★
ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

◆愛称 「ぶーむのずーむ」
私が高校生の80年代初頭に一大望遠ズームブームが起きた。各社競って優秀な望遠レンズを発表した。そんな中、最終的に落ち着いたのが「直進式ズームレンズ型」の70-210mmの3倍ズームだ。カメラ小僧たちはこぞってこの直進式ズームレンズ型の70-210mmを手にして誇らしげに鉄道やらスポーツ撮影にいそしんだ。

そんなブームにあってもオリンパスは独自色を出そうとする。

おなじ3倍ズームでも70-210mmとはせず65-200mmときたのだ。これには私も「そうきたか~」と力が抜けてしまった。80-240とかにすればグレード高く見えるが、65-200とくればダウングレードな印象だが、無理のない設計でレンズ性能を維持したのだろう。F4どおしでこだわりのシャープ描画だ。

こういうのがOMズイコーらしくていい。

◆良いところ
上記の通り、はやりの望遠レンズの一つと思ってたが、ところがズームにしては意外にも性能は絶品だ。シャープでコントラスト色乗りもいい。レンズ性能は単焦点感覚だ。

作例をみていただければわかると思うが、ボケがとてもキレイだ。たいてい古いズームって真のある汚いボケになりがちなのに、ズームにしてふわふわした柔らかいボケがいい。

絞りはF4固定だ。当時のズームレンズは大抵F4~F5.6の変動多かった。

しかも最長の200mmの時にはClause Focusが使えるため、望遠マクロレンズとなるのだ。さすがマクロのOLYMPUSとしてのこだわりだろう。

そしてフードも組み込み内蔵式だ。

と、考えてみれば当時の流行だった70-210mmのどれと比べても秀でていることがわかる。

写りは単焦点並みの性能、マクロ機能付き、フード内臓、F値4固定、こうもそろった、望遠ズームは当時としては珍しいことだったろう。前述のとおり65-200mmというとダウングレードな印象だが、実は高性能。きっと性能重視の姿勢からこの帯域になったのだろう。

それにとてもカッコいい。まあそこは人により見方はちがうだろうが。

◆悪いところ

カメラに着けてストラップで下げてると、重力にしたがってズームが勝手に望遠側に移動する。これは「直進式ズームレンズ」の全て共通に言えることだが、下に向ければスコーンと落ちてしまう。ゆっくり移動するならいいのだが、スッコーンと派手に落ちるのだから頂けない。

ただこれはコツがあって、ズームを200mmに合わせ、ピントをClause Focusにすればズームがロックされる仕組みになっている。慣れればありがたい機能だ。

◆エピソード
この帯域の望遠ズームは、じつに本数が多い。

本レンズ、65-200mm F4に加え
①75-150mm F4
②85-250mm F5
③50-250mm F5
④100-200mm F5
を加えれば5本になる。

それぞれ特徴があるだろうが、①75-150mm F4と②85-250mm F5は古い設計でフォーカシングリングとズームリングの分離した2リング型となる。当時としては古い印象は否めなかった。

他は、ズームとピントを一体化した直進式ズーム型だ。③50-250mm F5は暗いが5倍という高倍率を目指した高級志向のレンズだろう。④100-200mm F5 はコシナのOEMだが、安くて軽くて小さいズームレンズというコンセプトのようだ。

そう引き算をしてみると、65-200mm F4こそ、当時の主流、AKBでいえばセンターのレンズ、オリンパスが一番売りたかったレンズといえるのではないかな?

しかしこのレンズ、もっと人気があってもよさそうなものだ。「銘玉望遠ズーム」と呼ばれても良さそうなものだが。。

<諸元>

ZUIKO AUTO-ZOOM 65-200mm F4

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8

重くデカく高価で希少な驚愕の白レンズだが描写性能は超最高

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8 ズイコー 白レンズ 350mm F2.8

ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ☆
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8

◆愛称 「きょうがくのしろれんずのちょうなん」
zuiko 350mm/f2はいわずと知れたOMズイコー驚愕の白レンズの一つだ。OMズイコー驚愕の白レンズは3本セットの三兄弟で知られていて、350mm/f2.8、250mm/f2、180mm/f2の3本がある。このzuiko 350mm/f2は、驚愕の白レンズの三兄弟の長男ということになる。

◆良いところ
OMズイコー驚愕の白レンズ、zuiko 350mm/f2はオリンパスの満を持して発売された超高級レンズだ。

とにかく写りは最高だ。色乗り良し、シャープさ良し、コントラスト良し、うっとりするほどの最高の描画性能だ。欠点はまず見あたらない。

発売時90万円というとんでもない価格だ。だが噂では製造原価は発売価格の5倍ほどだったという話もある。本当なら原価450万円のレンズということになる。普通なら「ほんまかいな?」だけど、このレンズを使っているとまんざら信じてうなづけるのだ。

プロ向けに作ったもののさほど売れなかったようで、受注生産になったらしい。なので出荷数は極めて少なくプレミアものだ。

◆悪いところ
当然だがzuiko 350mm/f2は、重量3900g!オリンパス史上2番目に重たいレンズとなる。(ちなみに史上1番重いのはzuiko 1000mm/f11の4150g!)がっちりした三脚とセットでないと使うことはムツカシイ。じっくり時間とパワーをかけて良い作品を作るそういう強い意欲がなければ心が折れてしまう。

◆エピソード
「驚愕の白レンズ」のうち最後に買ったレンズだ。長男と名付けたが実のところ最後に手に入れたので三男坊とするべきだったかもしれない。zuiko 180mm/f2、zuiko 250mm/f2と手に入れたら、zuiko 350mm/f2もどうしても欲しくなる。ちょうどebayで新品同様がでていたので、高額だったが衝動的にポチってしまった。

届いたブツは本当に新品同様でケースもピカピカだ。そうやって多くの資金を投資したレンズだが、実のところまだ一度しか使ったことがない・・・。がっちりした三脚のもとじっくり撮る、そういうレンズとなるのだが、ポートレートには遠すぎる、運動会はほこりまみれになる、野鳥は、重すぎて山まで運べない、という消去法で活用の場が限られるわけだ。車で運べるところでいい撮影機会はないかなぁと思案中だ。

ところでこの驚愕の白レンズ、実は最初は黒だったのだ。どこかで白に代わったようだ。これが証拠写真だ。ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8


<諸元>

ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8

コーティング MC
画角  7°
レンズ構成 7群9枚
絞り・形式/範囲  自動/2.8-32
最短撮影距離  3m
最近接撮影範囲  25x17cm
ピント調節方式 回転カム(インナーフォーカス)
全長/最大径  280mm/142mm
質量  3900g
フード  組込み式
フィルター 専用(φ46mmリヤフィルター)
発売時の価格  ¥900,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 350mm F2.8  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 250mm F2

凄すぎる驚愕の性能と大きさと価格。強い目的意識が必要

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 250mm F2/ズイコー 白レンズ 250mm F2

ZUIKO AUTO-T 250mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ☆
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 250mm F2

◆愛称 「きょうがくのしろれんずのじなん」
いわずと知れたOMズイコー驚愕の白レンズの一つだ。OMズイコー驚愕の白レンズは3本セットの三兄弟で知られていて、zuiko 350mm/f2.8、zuiko 250mm/f2、zuiko 180mm/f2の3本がある。zuiko 250mm f2は、驚愕の白レンズの三兄弟の次男ということになる。

◆良いところ
OMズイコー驚愕の白レンズはオリンパスの満を持して発売された超高級レンズだ。

とにかく写りは最高だ。色乗り良し、シャープさ良し、コントラスト良し、うっとりするほどの最高の描画性能だ。欠点はまず見あたらない。

発売時90万円というとんでもない価格だ。だが噂では製造原価は発売価格の5倍ほどだったという。本当なら原価450万円のレンズということになる。普通なら「ほんまかいな?」だけど、このレンズを使っているとまんざら信じてうなづけるのだ。

プロ向けに作ったもののさほど売れなかったようで、受注生産になったらしい。

純正テレコンバータレンズとの整合性がいいようで、1.4×-Aと組み合わせて使うとzuiko 350mm/f2.8になる。よく考えられているものだ。つまり、zuiko 250mm/f2と1.4倍のテレコンを持っていると、驚愕の白レンズの長男zuiko 350mm/f2.8は持たなくてもよかったのだ。

◆悪いところ
重量3900g!オリンパス史上2番目に重たいレンズだ!(ちなみに史上1番重いのはzuiko 1000mm/f11の4150g!)がっちりした三脚とセットでないと使うことはムツカシイ。じっくり時間とパワーをかけて良い作品を作るそういう強い意欲がなければ心が折れてしまう。

手持ちで使えば、10分ほどで腕が上がらなくなる。そうとうな体力といい絵作りを目指そうとする意思が必要だ。

◆エピソード
実はzuiko 250mm/f2はとても思い入れのあるレンズだ。

高校生のときにこのレンズが登場した。カタログをみていろいろ唖然とした。なぜからその価格だ。それにそのバカでかい大きさだ。

それと、、言いにくいが、、なんかダサいデザインだと思った。ここまでの性能だ。光学上やむを得ないのだが全長に対して正面レンズの口径が広すぎる。なんというバランスの悪さ。しかも受注生産だという。買う人がいるのか?と疑問に思った。

そして様々な面で唖然としたことを記憶している。そんな無知の高校生の頃の印象だったこのレンズがどうしても欲しいレンズに代わっていく。それはやはりもっといい絵がとりたい。もっといいレンズを使いたいという「レンズ沼」のせいなのだが、特にこのレンズは数が少なく、しかも状態がいいものが少なく、新品級がだされたら奇跡といえる。

そんなものだからなおさら「レンズ沼」患者の患部を刺激して猛烈に欲しくなった。

そんな折、奇跡が起きた。なんと未使用の新品同品のzuiko 250mm/f2が出品されたのだ。強気で競り落とした。そして一度ぎりテスト撮影をしてそれっきり。。。もっと遊んでやりたいのだがなにせ体力が・・・。

<諸元>

ZUIKO AUTO-T 250mm F2

コーティング MC
画角  10°
レンズ構成 9群12枚
絞り・形式/範囲  自動/2-22
最短撮影距離  2.2m
最近接撮影範囲  25x17cm
ピント調節方式 回転カム(インナーフォーカス)
全長/最大径 246mm/142mm
質量  3900g
フード  組込み式
フィルター 専用(φ46mmリヤフィルター)
発売時の価格  ¥900,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 250mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 180mm F2

開放のみですべてを飲み込む、妥協を許さない頑なレンズ性能。

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 180mm F2 / ズイコー 白レンズ 180mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ☆
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 180mm F2

◆愛称 「きょうがくのしろれんずのすえっこ」
いわずと知れたOMズイコー驚愕の白レンズの一つだ。OMズイコー驚愕の白レンズは3本セットの三兄弟で知られていて、zuiko 350mm/f2.8、zuiko 250mm/f2、zuiko 180mm/f2の3本がある。zuiko 180mm/f2は、驚愕の白レンズの三兄弟の末っ子ということになる。

◆良いところ
zuiko 180mm/f2は、当然のことながら感動するほどの描写性能だ。色といいコントラストといいその繊細なシャープさといい、うっとりするほどの最高の描画性能だ。

オリンパスは一体どういう意図でこの3レンズをつくったのだろう。コンパクトで高性能というオリンパスらしい部分を切り捨てた、驚愕の大きさと重さだ。ただその映りは素晴らしい。「オリンパスだって本気になったらこういうすげーレンズだって作れるんですぜ」というPRの意図があったのか?

驚愕の大きさと重さ、それに比例する驚愕の価格で、そんなには売てはないらしい。後世は受注生産だったと聞く。OMズイコーらしい携帯性が全くないのは残念だが、いい絵を求めるなら満足できる。

私はこの驚愕の白レンズの三兄弟のうちこのzuiko 180mm/f2が大好きだ。唯一手持ちで構えることができるものね。それに三兄弟の中で最も小さく(でっかいいレンズだが)、唯一持参のカメラバックに収まる。(他のレンズは犠牲になるが)

◆悪いところ
なんといってもその大きさと重さだ。(これもあたりまえだが。)三兄弟のなかでもzuiko 180mm/f2はまたましなほうだが、、、

◆エピソード

zuiko 180mm/f2は昔からとても憧れのレンズだった。だがとても希少なブツで、方々探すがなかなかでてこない。

なんとかみつけて購入したところ残念ながら前玉にカビがあった。

ところが、描写は素晴らしい。作例のとおり、全く影響はない。

たまたま新宿の中古カメラで新品同様のzuiko 180mm/f2を見つけたのでお借りして撮り比べてみたが、一切の差がなかった。ちなみにその新品同様のブツは100万円だった、、、。中古市場でも驚愕だ。

中古で見つけられたなら、多少のカビがあろうが、数十万でもかなりのお得ということになる。めったに出てこないので、お探しのかたは速やかな判断をオススメする。


<諸元>

ZUIKO AUTO-T 180mm F2

コーティング MC
画角  14°
レンズ構成  8群10枚
絞り・形式/範囲  自動/2-22
最短撮影距離  1.6m
最近接撮影範囲  25x17cm
ピント調節方式 回転カム(インナーフォーカス)
全長/最大径  174mm/113mm
質量  1900g
フード  組込み式
フィルター  φ100mm ねじ込み
発売時の価格  ¥646,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 180mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 100mm F2

OMファンが憧れたOMズイコーを代表する「伝説の名珠」

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 100mm F2 ズイコー 中望遠 100mm F2​

 ZUIKO AUTO-T 100mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★☆
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-T 100mm F2

◆愛称 「レジェンド」
zuiko 100mm/f2といえば、OMズイコーを代表する銘玉としてOMファンが憧れた「歴史的名器」だ。zuiko 90mm/f2と人気を二分しているといっていい。なぜ同じ中望遠域で2本もの銘玉が存在するのか?

中望遠域の一般撮影向けとしてのプロ用としてOLYMPUSの技術を余すところなく注いだのがzuiko 100mm/f2だ。当然高い評価を得た。その後登場したのがポートレート用に特化したzuiko 85mm/f2、最後に登場したのがマクロ用に特化したzuiko 90mm/f2だった。

ところがこのルーキーzuiko 90mm/f2はマクロ域のみならず万能として高い評価を得た。よってzuiko 100mm/f2は「かつての銘玉」とよばれるある意味不遇な存在でもある。わたしは敬意を表して「レジェンド」と呼ぶことにしているのだ。

◆良いところ
このzuiko 100mm/f2は、前群に特殊低分散(ED)ガラスと異常分散レンズを採用したアポクロマート構成で、諸収差が極めて低く抑えてあるのが特長だ。

全体繰り出しと後2群フローティングのピント調節によって、0.7mの最短撮影距離を実現している。中望遠にしてはとても短くて便利だ。像倍率1/6まで寄れるのでマクロレンズ的にも使える。もちろん近距離収差補正機構(フローティング システム)も付いているので近接撮影でも性能劣化しずらい作りだ。

当時のOLYMPUSの技術を余すところなく費やした贅沢な作り最高の中望遠だ。極限の描写性能を追求したレンズといえる。

絞り開放から周辺まで極めて優秀な破錠のない写りを見せてくれる。シャープで階調描写(質感描写)も素晴らしい。何より色が良い。光量の少ない場面であっても色乗よく、色の抜けも抜群だ。さすが低分散ガラス!

◆悪いところ
zuiko 100mm/f2に組み込まれている内臓フードは、繰り出し部分が少ししかなくお飾り程度のものだ。レンズは結構大きく太い。なのにアンバランスなほど小さなフード。これはあまりあてにしない方がいい。やはりCONTAXメタルフードNo.5を使用しよう。かっこいいし。

重さはちょうどzuiko 80mm/f2の倍で、ずっしりしている。逆にこのずっしりした感じが高級レンズとしての神々しさをかもちだしているといえるのかも。

◆エピソード
辛口の評価本「写真術」の著者、日沖宗弘氏が著書のなかで絶賛している。「zuiko 100mm/f2は大変優秀と認められるレンズ」だそうだ。

それもそのはずだ。先にも述べたが、なんたって特殊低分散(ED)ガラスと異常分散レンズを採用したアポクロマート構成レンズだ。

普通だったら、このようなレンズの場合、「APO-XXXXX」とか「XXXXX-ED」とか、APO,EDの名称表記で性能を自己主張するものだが、このレンズの場合、そういった名称ではない。

オリンパスは実に謙虚で控えめな名称をつけるものだ。本来なら、
「APO-ZUIKO AUTO-T 100mm F2 ED L
とでも名乗ってもおかしくなかったのではないか。(笑)ごちゃまでだけど。

<諸元>

ZUIKO AUTO-T 100mm F2

コーティング MC
画角  24°
レンズ構成  6群7枚
絞り・形式/範囲  自動/2-22
最短撮影距離  0.7m
最近接撮影範囲  18x12cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  72mm/70mm
質量  520g
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥99,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 100mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2

神レンズ中の神レンズ・ズイコーを代表する万能神レンズ

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2 ズイコー マクロ 90mm F2

  • 画 質  ★★★★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★★
ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2

◆愛称 「かみさま」
zuiko 90mm/f2といえば、zuiko 50mm/f2と共にOM ズイコーを代表する高性能で万能のマクロレンズだ。まさにズイコーの傑作レンズといっていい。銘玉中の銘玉。神レンズ中の神レンズだ。もはや「神様」としか呼べないよね。

◆良いところ
このzuiko 90mm/f2は各種アタッチメントなしに、単体で1/2倍までのマクロ撮影が可能となる。独自の遠近距離収差補正機構で、無限遠まで最高の描写力で素晴らしい。

開放値がF2という最高に明るい中望遠マクロレンズなのだが(中望遠マクロレンズで唯一のF2らしい)、絞り開放から開放から実にシャープな写りで、クリアで彩度の高い描写とボケの美しさは特筆なものだ。後ろボケも大変素直で、被写体を際立たせるのに非常に効果的。
もちろん通常の撮影にも十分な描写性能のある「万能中望遠レンズ」だ。

特に感心するのは強い光源を置いても目立つフレアやにじみは発生しないことだ。それに暗部でもしっかり解像してくれる。安心してどんな条件でも持って出すことができる。

~赤城耕一氏「使うオリンパスOM」より~
「OMユーザーは無理をしても必ず所有しなければならない1本である。‥このレンズはただやみくもに明るいだけではなく、性能的にも同クラスのレンズのなかでは最高峰の位置にあるといっていい。とにかく満点をつけることができるズイコーの傑作レンズなのだ。」

◆悪いところ
zuiko 90mm/f2は設計が新しいということもあってか、他のOMズイコーと違い、絞りリングの位置がレンズの根元の方にあり、他のOMズイコーしか使っていない人は戸惑うだろう。まあすぐに慣れるレベルだが。あとレンズの根元が太いのでレンズ着脱ボタンがちょっと押しにくい。これだけのレンズ性能なら銅鏡は当然太くなるのでやむを得ないか。

また、特にマクロ域での手持ち撮影では、手ぶれとピント合わせには細心の注意が必要だ。

あとズッシリ重たいのでzuiko 85mm/f2ほど軽快にはできないかな。重さはzuiko 85mm/f2の2倍余ある。逆にこのずっしりした感じが神レンズの神々しさをかもちだしているといえるかも。

◆エピソード
zuiko 90mm/f2は1986年のカタログから登場した後発組のレンズだけに、設計思想もデザインもまるで違い新しい。新入りの部類だが、OMズイコーの代表になった。まるでドリフターズの新入り志村けんみたいなものか。(わかるかなぁ~)

OLYMPUS推奨のフードはzuiko 135mm/f4.5マクロと共用のゴム製となっている。これはどうもなーということで、CONTAXメタルフードNo.5を使用している。色がマッチしてカッコイイ。

どうでもいいことだけど、これまでのズイコーの中望遠・望遠といえば「サツマイモ」の形が連想されるのだが、初めてこのレンズを見たときは、なにか「桶」のような、あるいは古い壺のような形を連想させられるんだよね。

<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2

コーティング MC
画角  27°
レンズ構成  9群9枚
絞り・形式/範囲  自動/2-22
最短撮影距離  0.4m
最近接撮影範囲  7.2×4.8cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  71mm/72mm
質量  550g
フード  φ57mmかぶせ
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥118,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2

通常撮影でもマクロでも秀逸な描写力。至高の標準

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2 ズイコー マクロ  50mm F2

  • 画 質  ★★★★★★
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★★

◆愛称 「おおまくろだま」
オリンパスの力を示す銘玉中の銘玉だ。この50のマクロにはzuiko 50mm/f2の他に50mm/f3.5という”廉価版”が用意されている。どちらも評価の高いのだが、特にF2の方はF2という明るさをマクロで実現しつつ、ずっしりとした重みと大きなレンズが所有欲を満たしてくれる。どちらも優秀レンズの称号として「たま」を愛称につけたくて「おおまくろだま」と「こまくろだま」と名付けた。

◆良いところ
そもそもマクロレンズとは、近接撮影ゆえに収差の影響が大きくなる。その収差を極限に抑えようとするとどうしても開放F値をおさえておくのが普通で、たいていのマクロはF3.5よくてもF2.8が普通だ。そんな中で当時F2を実現したのがOLYMPUSのすごいところだ。

zuiko 50mm/f2は、明るさとマクロ撮影の両面での描写性能を実現するというたいへんな技術力が必要だったに違いない。

とても開放からシャープでちょっと絞ればかなりキリリとした描写だ。そのうえ硬すぎるということもない。そしてボケがやわらかく美しい。ボケが大きくふんわりしてピンのあった部分はキリリとするそのメリハリの良さは私の大好きなところだ。

◆悪いところ
OM ズイコーらしくないその大きさかな。(当時の他社より製品よりは小さい方と思うが。)鏡胴が太く、重量もずしりとしている。でもこれだけの性能のレンズだ。全く気にはならない。ただどうしてももう少し軽いのがいいということなら「こまくろだま」のzuiko 50mm/f3.5マクロを選択すればいい。性能もそこそこだ。

◆エピソード
このzuiko 50mm/f2はマクロらしい風貌だ。とても所有欲を満たしてくれてとってもお気に入り。これと90F2マクロとのセットで持ち出すことが多い。前面レンズが奥に引っ込んでいるためフードが不要とのことになっているが、フードはつけた方がよさそうだ。フレアにやられたことはないが、いちおう念のためだ。omfanのimaiさんのHPを参考に、コンタックスのメタルフード(No.4)をつけてる。

<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2

コーティング MC
画角  47°
レンズ構成  7群9枚
絞り・形式/範囲  自動/2-16
最短撮影距離  0.24m
最近接撮影範囲  7.2×4.8cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  55mm/69mm
質量  320g
フード  不要(公式には)
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥100,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z028 ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO SHIfT 24mm F3.5

シフト独特の大きな玉が最高級の描写力を実現

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-SHIfT 24mm F3.5 ズイコー シフト 24mm F3.5
ZUIKO SHIfT 24mm F3.5
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★☆
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO SHIfT 24mm F3.5

◆愛称 「水晶玉」
OMズイコーらしくない非常に大きな丸い玉が特徴のシフトレンズだ。正面からのぞくと、魔法使いが使う水晶玉のような、妖しい雰囲気が漂っている。魔力的な力が発揮できそうなことから「水晶玉」と名付けた。

◆良いところ
シフトレンズとは別名「あおり」ともいうが、被写体からの光軸を平行に移動することにより遠近差による歪みを補正する仕組みのことだ。引きの無い場所での建築物の撮影や、意外にも大勢の集合写真にも使える。アイデアによるシフトレンズの活用方法はいろいろありそうだ。

シフトレンズのzuiko 24mm F3.5では、18mm相当の画像を24mmにトリミングする仕組みなので、イメージサークルは大きく直径約60mmもある。そのためサイズは大きくなるが、大きなレンズの中心部を使うことになるため通常より遥かに素晴らしい描写力を持っている。開放からでもかなり良い。また超広角であることを忘れさせてくれるくらい周辺減光は少ない。色収差や周辺収差も全くない。発色は原色がやや強調されるきらいがある。

発売当時は唯一の24mmシフトレンズだった。これを使いたいがためにOMに乗り換えた人もいたそうだ。Nikon用とかCannon用にマウントを改造したモノがちょくちょく中古市場で見かけることがある。それぐらいかつては貴重な存在だったのだろう。かなりでかいが近年登場の他社の同一スペックとものと比べるとコンパクトなのがOMズイコーらしい。

◆悪いところ
外観が大げさで、大きく重いので携行性に難点がある。

第1面に異常低分散ガラスを使用している。もちろん色収差改善が目的だろうが、異常低分散ガラスは軟硝材とも呼ばれとても柔らかく傷がつきやすい。保護用のフィルターが付けられない構造で、その1枚目に使われているのだ。取り扱いには細心の注意を払わないと高価な機材が台無しだ。

絞りは自動ではなく、プリセット方式となる。プレビューボタンに相当する場所にレバーがあるのでこれをトグル操作することで開放と絞込を切り替える仕組みだ。これが慣れないとうっかり忘れてしまう。オート絞りのつもりでMF機のAE撮影したときの露出値が違うものになるので注意が必要だ。

シフト撮影(あおり)は上下に10mm、左右に8mm光軸を中心からずらすことでできる。光軸をずらすには、指でピントリング付近を押してずらす。微妙な感覚を親指と人差し指で上下左右にずらす。これも慣れが必要だ。

◆エピソード
ネットでこの水晶玉(シフトzuiko 24mm F3.5)の存在を知って、虜になってしまった。どうしても欲しい。だが、希少性高くめったに出くわすことがない。出くわしてもキズだらけだったりカビだらけだ。OM ズイコーは中古屋にも絶対数がそもそも少ない上に、そもそもカビクモリの出やすいレンズなので、状態のいいモノを探すのがとても大変なのだ。

そんな中、たまたま仕事で大阪に寄った時にナニワカメラさんで状態のいいシフトレンズに出会うことができた。一期一会。即購入した。

にもかかわらず、たいして使ってない・・・・。使いにくいのと、シフトレンズって建築業者と違って使う機会ってそんなにないんんだよねぇ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-SHIfT 24mm F3.5

コーティング MC
画角  84° (シフト時最大100°
レンズ構成  10群12枚
絞り・形式/範囲  手動/3.5-22
最短撮影距離  0.35m
最近接撮影範囲  36x24cm
ピント調節方式 回転カム(インナーフォーカス)
全長/最大径  75mm/84mm
質量  510g
フード  固定
フィルター  組込み式 (neutral, Y48,O56, R60)
発売時の価格  ¥214,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z08 ZUIKO AUTO-SHIfT 24mm F3.5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-W 24mm F2

ズイコー広角の銘玉。色、解像ともに最高の大口径の超広角

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 24mm F2 ズイコー 超広角 24mm F2
ZUIKO AUTO-W 24mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★★★☆
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-W 24mm F2

◆愛称 「えるまー」
zuiko 21mm/f2を「でぃすたごん」を名付けた。それならば同じく銘玉と呼ばれるzuiko 24mm/f2にもそれ相当の称号を与えないわけにはいかんだろう。ということでかの「えるまー」と名付けたのだが、友達が聞いて「はぁ?」と。いかんいかん。わかる人にしか言わないでおこう。

◆良いところ
OMズイコーの広角の中では、最も性能が優れているといえる銘玉中の銘玉だ。コンパクトさは多少犠牲になっているものの、前景から背景まで、透明感のある描写をしてくれる。開放でもシャープでしゃっきりしたメリハリのある画が撮れる。

OMズイコーらしく適度なコントラスト、解像度ともに申し分なく、発色も自然であり豊富な周辺光量を持っている。四隅の光量不足は全く判別できないレベルだ。近距離収差補正機構が採用されており、近接撮影でも性能劣化が目たない。

またf2という非常に明るい最高の大口径広角だ。博物館など限られた光量の屋内撮影に威力を発揮する。

zuiko 24mm/f2は超広角と広角の境目くらいで(私としては)使いやすい広さで、広大な風景や建物内などいろいろ活躍してくれている。歪みが少ないので、建物とかを撮ってもきれいだ。

◆悪いところ
見た目はzuiko 24mm/f2とzuiko 21mm/f2とはあまり変わらない。重量275gでありOMボディに装着すると、ややレンズが大き目で重たく感じるかな。ただ、それはOMズイコーとの比較の話であり、他メーカと比較すると普通じゃないかな。普通の大きさで高性能とくれば素晴らしい玉だ。

フィルタがφ49mmじゃなくφ55mmということを気にする人もいるようだが、私は全く関係ないと思う。むしろOMズイコーを全てφ55mmで統一してもよかったんじゃないですか?と思うぐらいだ。

つまり私的には欠点は全くないのだ。

◆エピソード
zuiko 24mm/f2は1980年代前半、OM-4と時を同じくして開発発表された、高性能レンズ群の一つだ。私は高校生の時カタログでこのレンズを見て遥か手の届かない値段を見て「いつかは手にしてやる」と心に誓ったレンズの一つだ。

なかなか程度のいいブツが現れなくて探しあぐねていたところ、オーバーフォール済みのものが高価であるがオークションにでていたので奮発して買った。どうしてもほしかったのだ。

広角ではzuiko 21mm/f2と合わせてお気に入りの一つ。広角では一番よく使っているかな。


<諸元>

ZUIKO AUTO-W 24mm F2

コーティング MC
画角  84°
レンズ構成  8群10枚
絞り・形式/範囲  自動/2-16
最短撮影距離  0.25m
最近接撮影範囲  23x15cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  48mm/60mm
質量  280g
フード  φ55mmねじ込み
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥102,000

 

<所有レンズのデータ>

すべてのノー 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z006 ZUIKO AUTO-W 24mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-W 21mm F2

21mmでは世界初のf2で、広い表現領域をもつ銘玉の超広角

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 21mm F2 ズイコー 超広角 21mm F2
ZUIKO AUTO-W 21mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ★★★☆
  • 希少性  ★★★★☆
  • 人気度  ★★★★☆
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-W 21mm F2

◆愛称 「でぃすたごん」
このzuiko 21mm/f2より広いzuiko 18mm/f3.5は、かのディスタゴンとよく比較され、さすがにそれにはかなわないもののさほど遜色ない性能と評価されたズイコー傑作の銘玉の超広角である。あのzuiko 18mm/f3.5がそれほどのものならそれ以上の性能を持つ(と私は思っている)zuiko 21mm/f2ならばディスタゴン以上の能力があるに違いない!

ということで銘玉にふさわしく「でぃすたごん」と名付けたのだ。

◆良いところ
21mmで世界初のf2であり、シグマが20mm/f1.8を出すまで35mm判の超広角では世界一の明るさを誇った超広角だ。35mmフィルム用レンズにおいて21mmでf2以上のレンズが他にあるだろうか?OM ズイコー 以外で私は聞いたことがない。(あれば教えてほしい)

近年ではシグマ20mm f1.4、ライカSummilux 21mm/f1.4、COSINA Voigtländer ULTRON 21mm F1.8 という素晴らしいスペックのレンズがたくさん登場しています。ただ、私がここでお伝えしたいのは、「オールドレンズ」のカテゴリーで、ZUIKO 21mmF2が活躍したその時代において同様のスペックのレンズががあっただろうか?という問いです。ぜひ情報をお持ちの方はコメント欄にてお聞かせください。

zuiko 21mm/f2は、画期的な小型軽量設計でf2の明るさでこの小ささは貴重な存在だ。銘玉といわれるゆえんだろう。絞り解放から十分な画質が得られ、OM ズイコーらしく絞ればコントラストの高い文句のない描写で、シャープな画像が得られる。

発色も秀逸だ。加えて近距離収差補正機構により、20cmの至近距離でも性能劣化がなく、遠近感をより強調したダイナミックな写真を撮ることができ、このzuiko 21mm/f2はOM ズイコーの中でも超広角の表現領域を拡大した非常に高性能な銘玉レンズといえる。

◆悪いところ
OM ズイコーの特徴でもあるが、無味乾燥、水のような、癖のほとんどないレンズだ。そのまま描写する“味なし”だから、実はこれがまたムツカシイ。値段も高く高性能の割にその能力を「絵になる写真」にするには相当な腕とセンスが必要だ。(基本的に超広角はムツカシイ・・皆同じ構図になってしまう)

引けばzuiko 24mmで代用できるし絞ればzuiko 21㎜/f3.5のレンズも優れているので、持ち出すときに悩んでしまう。「OM ズイコーは暗いレンズの方が良い」と言われているぐらいだし、暗い方が非常にコンパクトなのだ。このような銘玉レンズの前では本当の写真技術が問われるようで素人の私にとっては怖くもある。

でもOMファンなら絶対持っておくべき一本だ。持っているだけで安心感があり、持っているだけで満足感を得られるのだ。心のよりどころといっていいだろう。

◆エピソード
1980年代前半、OM-4と時を同じくしてzuiko 24mmも開発発表された高性能レンズ群の一つだ。私は高校生の時カタログでこのレンズを見て遥か手の届かない値段を見て「いつかは手にしてやるぞ」と心に誓ったモノの一つだ。なかなか程度のいいブツが現れなくて探しあぐねていたところ、オーバーホール済みのものが高価であるがオークションにでていたので奮発して買った。どうしてもほしかったのだ。

こうして30年の時を超えて欲しかった憧れのOM ズイコーレンズが手に入った。何とも感慨深いものだ。広角系ではzuiko 24mm/f2と合わせてお気に入りの一つだ。

 

<諸元>

ZUIKO AUTO-W 21mm F2

コーティング MC
画角  92°
レンズ構成  9群11枚
絞り・形式/範囲  自動2-16
最短撮影距離  0.2m
最近接撮影範囲  21x14cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  43.5mm/60mm
質量  250g
フード  φ55mmねじ込みまたはφ57mmかぶせ
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥132,000

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z004  ZUIKO AUTO-W 21mm F2  良好  保存&常用

 

<作例>