シフトレンズだが通常のレンズより遥かに素晴らしい描写力
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO SHIFT 35mm F2.8 ズイコー シフト 35mm F2.8
|
◆愛称 「おこぜ」
見た目、ただものではない形相をしたレンズだ。とても普通の35mmではない。なにかしら怪しく、とんでもないことをしてくれそうな雰囲気をかもちしている。
黒くてごつごつしたところがまさに魚の「おこぜ」を連想させられるのだ。私はこういう一見普通でないアイテムが大好きだ。
◆良いところ
珍しいズイコーのシフトレンズだ。
シフトレンズとは別名「あおり」ともいうが、被写体からの光軸を平行に移動することにより遠近差による歪みを補正する仕組みのことだ。
引きの無い場所での室内や建物などを歪み無く撮る撮影や、意外にも大勢の集合写真にも使える。アイデアによるシフトレンズの活用方法はいろいろありそうだ。
◆悪いところ
なかなか使いこなしが難しいレンズだ。自動絞りが使えないため絞込み測光となるが、プリセット絞りは使える。絞込みを忘れることがあるので注意が必要だ。
このレンズの名称に「AUTO」という表記がないのは、オート絞りじゃないためだ。ただ最近はデジタルのミラーレスでそもそも自動絞りが使えない環境でつかっているので、オート絞りじゃなくても関係ない。
このレンズは最近のデジタル対応のレンズと比べてしまうと解像力は高くない。それに絞り開放では周辺部に少々収差が認められる。F4まで絞れば改善されるが、絞り込むことによる光の回折も目立つので、あまり実用的とは言えないだろう。しかし現在ほとんど市場にはまわっておらず非常に珍しいレンズだ。
◆エピソード
出張で金沢市に行った際の仕事の合間に金沢城を撮りに行った。その道すがら中古カメラ店を見つけたので立ち寄ってみたとろこのシフト zuiko 35mm/f2.8に出会ったのだ。「これは一期一会の出会いだ!」と勝手に解釈してお金がなかったのだが店主と相談して後日送金の約束をして持ち帰ったのだ。
その後オークションでもっと状態のいいものが出品されているのを見つけて、ちょっと自分の一期一会を見直そうかと考えたりしたのだが、いまでは思い出とともにお気に入りの一品になった。
ただあんまり使ってないんだよなぁ。にもかかわらず物欲だけが先回りしすぎている。こうして気づけばOMズイコーのほとんどのレンズを手に入れてしまった・・・。
<諸元>
ZUIKO SHIFT 35mm F2.8
|
|
<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
Z016 | ZUIKO SHIFT 35mm F2.8 | 良好 | 保存&常用 |