S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

画質よくコンパクトで取り回しのいいカジュアルな望遠ズーム

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5/ズイコー 望遠ズーム 100-200mm F5

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5
  • 画 質  ★★★
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★
S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

◆愛称 「ひゃくにひゃく」
100-200mmの望遠ズームなのでその数字だけを読んで基本「100-200」と呼ぶ。ただそれだけの愛称だ。まあ佐藤さんを「サトー」と呼んでるようなものだ。

望遠ズームにしてはコンパクトで優秀なレンズだ。このレンズにはまだそれらしいニックネームが用意できてない。高価で上流階級向けのレストランの食事より、庶民のランチの方がかなり旨かったりすることがあるが、そういう例えでいい愛称がないか現在思案中だ。

◆良いところ
カジュアルなズームというのがぴったりな感覚だ。
望遠ズームにしては非常にコンパクト(長さ148mm、重さ570g)で写りもシャープで発色のいいとても優秀なレンズだ。

値段的にも主に、学生がターゲットだったのだろか。小さく軽いので、カジュアルな撮影や登山、風景、野鳥撮影、屋外イベント向けに開発されたように感じる。

◆悪いところ
100mm~200mmというなんとも微妙な2倍望遠ズームだ。積極的に使えるシーンがあまりない。

それにF5という暗さだ。オリンパスの場合「小さく軽く」は必ず絞り値が犠牲になっている。

テレコンバータを付けて鳥をとるのが取り回しがいいと聞いたが、F5の絞りがF10になっちゃう。200-400のズームでF10 ではいただけない。

デジタルカメラで使うにはF5程度の暗さはさほどの欠点ではない。高画質で高感度のイメージセンサーがカバーしてくれるからだ。デジタルでは暗いことは欠点ではないのだ。むしろ使いやすくていい写りができればいい。軽いし、映りはいい。α7sがあればもっといいのだが。野鳥撮影に使いやすい。

◆エピソード
80年代の中盤からズームレンズがにわかにブームになった。各メーカは必死になって開発したに違いない。特にその需要は学生に多かった。特に望遠レンズが人気があったが学生たちはお金がないのでサードパーティの安価なレンズが売れたのだ。

その時代に生まれたのがこのレンズだろう。サードパーティ(レンズ専門メーカ)よりも優秀で品質を維持しつつ、学生にも手の届く値段で提供しないといけない。しかも需要のあるうちに短期間で開発だ。

その答えが100-200mm F5というスペックになったのではないかな。

S ZUIKOと「S」が付いているのはサードパーティ製を表しているらしい。つまりOEMだ。

これは他の製品なら珍しいことだ。なぜなら普通はOEM製だとしてもわからないようにするものであって、堂々と「これはうちでは作ってないよ。よその製品だよ~」とメーカが表記するなんて。どうもこのころのオリンパスはズーム設計には自信がなかったのか、28-48mmや35-70mmなど他にも3本「S」が付いているものがある。これはコシナ製とのことで、小さく軽く性能もよく現在でも評判がいい。オリンパス純正でないにも関わらずだ。「S」が付けなきゃオリンパスの評判になっただろうに。オリンパスとしてはリスクをとったのだろうか。もし評判が悪くなった場合に「うちのじゃないもーん」と逃げ切れるとおもったか?でも結果としては高評価になったのだ。

私がこのレンズを購入したのも「S」が付いている(=コシナ製=評判がいい)から試してみたくなったのだ。結果はもちろん期待通りであった。

それまではカメラメーカの純正レンズが優秀でレンズメーカのレンズは二流三流という思い込みがあったが、必ずしもそうではないことを教えてくれたレンズなのだ。こうして私はコシナも大好きになった。


<諸元>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 100-200mm F5

コーティング MC
画角
レンズ構成  自動/
絞り・形式/範囲
最短撮影距離
最近接撮影範囲
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径
質量
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

 

<作例>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5

軽量コンパクトで癖のない優秀な写り。最高の餅撒きズーム

OLYMPUS OM-SYSTEM S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5/ズイコー 標準ズーム 35-70mm F3.5-4.5
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★☆
  • 総合評価 ★★★☆

◆愛称 「ぷられんず」
S ZUIKOと「S」が付いているのはサードパーティ製を表している。コシナのOEM製だ。小さく軽く性能もよい。銅鏡など主要部品の多くがプラスチックでできているが当時はプラによる銅鏡レンズはまだ珍しい部類だった。レンズまでプラスチックという噂があったが筐体のみプラでレンズはガラスだ。高校生のころ仲間に「プラレンズ」と言われてちょっとムカッとした記憶がある。

◆良いところ
重量190g。とにかく軽い。プラスチック製で安っぽいが、写りは期待以上だ。

コントラストが高く発色もクリアでシャープな写りを見せてくれる。

OM ZUIKOは35-70領域をカバーするズームが6本もある。その中では最も安価でコンパクトだが、最もシャープでかつ色乗りも良いのではないかと思う。

小型軽量で寄れるため旅行や登山等で活躍してくれる。クロ-スフォーカスと書かれた領域では30cm近くまで寄ることが出来、この当時のズームとしてはがんばっていると思う。

F値が変動するが、内部機構の工夫により、F4.5以上に絞ってあれば絞り環の表示どおりの絞り値で撮影できる。

銅鏡や絞りリングがプラスティックになっているところのだが、デザインで工夫されているのか全くチープな印象を与えるない。持って見て「あっ、かる~」って思っちゃう。

◆悪いところ
やむを得ないが、F値は暗く開放は変動する。

広角側では歪曲収差が少々目立つように思う。格子状の物体や建物はなるべく避けた方がいいだろう。

広角側の35-50mm前後ではシャープで非常によく写るのだが、テレ端では若干色が地味になるなど描写が落ちる傾向にあると感じた。

◆エピソード
80年代の初頭、私が生まれて初めて買ったカメラOM10のキットで付いてきたのがこのレンズだ。愛称の説明でも書いた通り、軽量のため銅鏡などの本体にはプラスチックを多分に使っている。今となっては小さく軽く性能も良く評判のいいレンズでお気に入りの一つなのだが、高校生のころこのレンズを手にしたての私はそれが安っぽくて不満だった。

所詮、付録でついてきた安物レンズというイメージだ。ズームはいいのだが、F4.5という暗さも不満だったし、コシナのOEM製で純正ではないというのも青二才の当時の私には劣等感の材料になっていたのだ。やはり、冷たくずっしりとした重みのある明るい単焦点がいいなとあこがれていたものだが、面白いもので月日がたち、現在では思い出とともに大切な宝のレンズになっているのだ。

OM開発責任者だったかの米谷美久氏はOMシステムの開発にあたって、「“大きい”、“重い”、“音が大きい”という三大悪を排除するのだ」という思想によりOMシステムを設計したという。このレンズは最もその思想に近いレンズだろう。今ではごもっともなことなのだが、当時の高校生(私)は、より大きく・よりずっしり重く・風格のあるレンズに憧れていたという、なんとも皮肉な話だ。

<諸元>

S ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F3.5-4.5

コーティング MC
画角  63-34°
レンズ構成 8群9枚
絞り・形式/範囲  自動/3.5-22
最短撮影距離  0.45m
最近接撮影範囲  21.7×14.5cm(CF, 70mm)
ピント調節方式 回転ヘリコイド
全長/最大径  51mm/62mm
質量  190g
フード φ51mmかぶせ
フィルター φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥34,000

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  良好 保存&常用

<作例>

ZUIKO AUTO-T 200mm F5

単焦点でF5の暗さだが、超コンパクトで超シャープな優秀望遠レンズ

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 200mm F5/ズイコー 望遠 200mm F5

ZUIKO AUTO-T 200mm F5
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 200mm F5

◆愛称 「こいも」
zuiko 200mm/f4が「おおいも」だ。それよりはるかにコンパクトで軽量なzuiko 200mm/f5は「こいも」となった。

かつてフィルム時代のF値はすこしでも小さくて明るいレンズが好まれた。そのため、zuiko 200mm/f5なんてF値スペックは好まれなかったに違いない。だが素晴らしいコンパクトさ。デジタルの現在では少々の暗いレンズでもブレずに綺麗に写すことができるようになった。そのため私はこちらのほうが好みだ。

◆良いところ
昔、オリンパスのこんなテレビCMがあったとか・・
雨に降り込められた若いカメラマンがお寺に一夜の宿を求め、そこで写真が趣味らしいお坊さんと話 が弾む。お坊さんが「この135ミリは・・」と、物知り顔でレンズを手に取るが、よく見てびっくり。 「200!これで!?」・・ このときのレンズこそがzuiko 200mm/f5だったわけだ。

実際に手にとってみると、200mmの望遠とは本当に信じられない。小型軽量というOMのポリシーが具現化された200mm望遠だ。

コンパクトさだけでなく描写も優秀で、絞り開放からシャープな写りで、色のり・コントラストとも非常に良好だ。zuiko 200mm/f4と比較するとこちらは暖色系の発色のようだ。

有名な話だが、レンズ構成は5群6枚で、F4よりF5の方がレンズの枚数が1枚多く、これは短筒化のためのようだ。おそらくF5の方がコストは高くついたに違いない。

このレンズの存在が21mm~200mmまでを49mmのフィルター径で統一を実現している。

OMマニアならかならずzuiko 200mm/f5を1本は持っておくべきだろう。

◆悪いところ
F5の暗さだ。さすがにボケによる作画には向かないだろう。

近接撮影距離が2.5mと遠い。この短所をカバーする方法としてオートエクステンションチューブ 7, 14, 25を利用するといい。

本来マクロ撮影を可能にするものだが、こういうレンズに組み合わせれば望遠マクロとしても利用できる。ミラーレスとの組み合わせではヘリコイド付きのマウントアダプターがおすすめだ。

◆エピソード
なーにも考えずにヤフオクで落札した最初のzuiko 200mm/f5はモノコートだった。

このレンズはその後MCも出たのだが、すぐに商品そのものが発売終了となりわずかの期間しかMCは出ておらず希少だ。そう聞くと欲しくてたまらなくなる。あっちの中古屋こっちの中古屋、あっちのサイトこっちのサイト、、隈なく探すがなかなかでてこない。

そんな折、グーグルで引っかかったのが中国(China)のネットオークションサイト「淘宝(タオバオ)」での出品だった。念願のMCだし状態も新品同様だ。グーグルの翻訳を屈指しながら中国語を理解しなんとか落札し、PayPalで代金も支払った。ところが、相手から言われたのは「日本に配達するには税関で税関料がかかる」と。払うとさらに「役人に別に手数料を支払わないと丁寧に扱ってくれない」などといわれてさらに支払った。(つまりワイロだ)なのに最後は「自分の力では手続きができないので送れない」と。だまされたようで、相手も信用もできず、ほとほと困った。

ところがかつて中国に行ったときに知り合った友人に相談したら彼が相手に交渉してくれて、商品を手にしてくれた。しかも日本にまで持ってきて届けてくれたのだ。持つべきは友。中国にもとても親切でいい人がいるものだ。

こうしてすったもんだして手に入れたMC版zuiko 200mm/f5は今も大切につかっている。

<諸元>

ZUIKO AUTO-T 200mm F5

コーティング MC
画角  12°
レンズ構成 5群6枚
絞り・形式/範囲  自動/5-32
最短撮影距離  2.5m
最近接撮影範囲  36x25cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  105mm/62mm
質量  385g
フード  組込み式
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥29,300

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 200mm F5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5

「望遠はコレ1本でイイ!!」って気にさせるちっちゃな入門用中望遠

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5 / ズイコー 中望遠 135mm F3.5
ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★
  • 人気度  ★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5

◆愛称 「ちゅーぼー」
かつて、1980年台前半までの中・高校生にとって135mmといえば身近な望遠レンズだった。

好きな彼女を遠くから隠し撮り。それのためにも望遠レンズが必要だったし、本格的な望遠レンズは憧れの存在で、まずは中望遠の135mmからというのが定番だった。

このzuiko 135mm/f3.5は定価2万5500円ととにかくリーズナブルで、当時の中高生でもなんとか買える望遠レンズだったのだ。

ただ次第にズームレンズの台頭、とくに70~210mm域の望遠ズームのブームにより、135mmはほどなく市場から減少していく。ズームレンズでもF値は4だ。F値が同じぐらいなら望遠ズームの方が使い勝手がいい。市場はそう判断したのだろう。このzuiko 135mm/f3.5もやがて姿を消した。

だが、zuiko 135mm/f3.5をみるたびあのころのくりくりの中学生のころを思いだし懐かしい。

そんなことで「ちゅーぼー」と呼ぶことにしている。語源は「中望遠」だが。

◆良いところ
現在は中古で数百円~数千円で入手が可能で、とてもコストパフォーマンス高いといえる。またとてもコンパクトで手軽に使える中望遠だ。

F2.8レンズと比べると、F3.5レンズは前長で7mm短く、重量で80gも軽く、フィルター径も49mmと小型。一見135 mmとは見えないだろう。これだけのコンパクトさだけでも強烈な個性だ。いつも一緒に連れて行きたくなる。

実はこのレンズはMCタイプの出荷が極めて少ない。MCタイプはレア中のレアと考えた方がいい。なのでネットでの評価はモノコートによるものがほとんどになるわけだ。

一説ではモノコートしか生産されなかったという情報が流布されているがそれは正しくはない。その証拠に私が持っているブツはMCのzuiko 135mm/f3.5なのだ。しったかOMファンは腰を抜かして驚くことだろう。

気になる画質だが、さすがMCだけに、コントラストや色乗りは問題ない。キリリとしているF3.5だけにボケにくいレンズだが、画質はいい方といえるだろう。

◆悪いところ
このレンズはコンパクトさが売りなものの相対的に描画性能の評価があまりよろしくない。「シャープが売りのOMズイコーらしくない」とか、「ふんわりやわらかい描写には向く」など好き放題に言われている。

ただ、これは先にも述べたがあくまでモノコート版の評価だ。MC版とはウンデ―の差であることを付け加えておく。だだ市場はほとんどモノコートなのが悔やまれる。

モノコートの描写性能は、たしかに色再現が地味でコントラストがイマイチな印象だ。

開放では色収差も大きいがF5.6まで絞ることで大きく改善する。また開放で大きく出る色収差とフレアを逆手に取り、レンズに逆光を直接射し込むことで白くふんわりとした軟らかな印象の描写を得ることもできるだろう。

中古市場には豊富に在庫があり、数千円で入手可能だ。まあほしい人にとってはいいことでもあるのだが。先にも述べたがMCの方は結構いい描写評価ができるので希少だがMCを見つけてほしい。市場はそれに気づいていないようで同じように安く売っている。購入時にはじっくる観察して買うことをおすすめしたい。

◆エピソード
このzuiko 135mm/f3.5は実は3回も買い替えた。

最初は銀枠だった。コレクションとして取っておけばよかったが。。。どうも甘いので曇っていると判断して買い替えた。

2つ目はよくある黒枠だがモノコート。E.ZUIKOの銘がついていた。(E.ZUIKOというのはモノコートの証)1本目が甘いのでとして買い替えた2本目も同じ甘いレンズだった。つまりそういう性能だったのだ。

そういうものかとあきらめていたところへ「ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5」を見つけた。このレンズだ。「んんん???」「E.ZUIKO」じゃない!どういうことだ!そう、最終的に出されたシリーズではZUIKOだけの銘となりMC化されていたのだ。(「MC」表記が省略)レンズの輝きも違う。使用感もちがう。やっぱりMCはええのぉ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5

コーティング MC
画角  18°
レンズ構成  4群5枚
絞り・形式/範囲  自動/3.5-22
最短撮影距離  1.5メートル
最近接撮影範囲  32×21cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  73mm/60mm
品質  290g
フード  組込み式
フィルター  φ55mmねじ込み
発売時の価格  ¥25,500(1981年)

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0  ZUIKO AUTO-T 135mm F3.5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 100mm F2.8

小型軽量による機動性の高さと描写性能で活用の場面は広い

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 100mm F2.8 ズイコー 中望遠 100mm F2.8​

 ZUIKO AUTO-T 100mm F2.8
  • 画 質  ★★★☆
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★☆
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★☆
ZUIKO AUTO-T 100mm F2.8

◆愛称 「こひゃく」
OMズイコーの100mmには御多分に漏れず大口径版と廉価版がリリースされている。大口径版は言わずと知れた名珠zuiko 100mm/f2であり、廉価版はこのzuiko 100mm/f2.8だ。

OMズイコーらしいレンズといえば大抵、廉価版の方で、実にコンパクトかつ実に優秀なレンズが多い。

筐体をコンパクトにする代わりに描画性能を代償にしてしまうことが多いなか、オリンパスの場場合には、コンパクトであっても描画性能に手を抜いたりぜずにこだわりの技術力をみせてくれる。OMズイコーの魅力の一つだろう。こういう姿勢が今なお熱烈なフアンを持つ所以だろうか。

◆良いところ
非常にコンパクトな逸品だ。全長たったの48mmで、標準じゃないか?と勘違いされてもおかしくないようなzuiko 100mm/f2.8なのだ。

画質も満足できるレベルで、コントラスト高く開放からシャープな描写で、F5.6まで絞ると像の解像力は高くなり、画面の隅々までカッチリとした写りになる。逆光にも強く、発色もよくてナチュラルな発色をしてくれる。小型軽量による機動性の高さと描写性能でとても活用の場面は広く、使えるレンズだ。旅に持って行くのにいい。

◆悪いところ
最短撮影距離が1mとちょっと遠い。近接撮影にはリングを使うといいだろう。私は母艦をSony α7mkIIを使っているが、マウントアダプターにヘリコイド付きのものを使って代用している。そのため、最短撮影距離が1mというのは欠点にならないのだ。

また、比較的ボケにくく固めなのが難点だ。特にボケを意識しない画風にはとても良いが、ボケボケした画風が好みの方にはzuiko 100mm/f2を熱烈にお勧めする。それ以外はとても良いレンズだ。

描画性能は銘玉中の銘玉と称されるzuiko 100mm/f2にはさすがに叶わないのだろうが、機動力を考慮すると総合的にはこっちが上かもしれない。

◆エピソード
zuiko 100mm/f2.8はzuiko 85mm/f2と見た目がそっくりで、外形寸法もほぼ同一だ。zuiko 85mm/f2は柔らか目の女性ポートレート、zuiko 100mm/f2.8は固目の男性ポートレートや風景での利用を意図した味つけがされているらしい。

この大きさ、この軽さ、このデザイン。もう好きでたまらない。前述したがF2の方は最高の画質を誇る伝説の銘玉だが、実際にはこっちの方を持って出すことが多い。なぜなら、この軽快さだ。ひょいっと気軽に持って出せるのがいい。


<諸元>

ZUIKO AUTO-T 100mm F2.8

コーティング MC
画角  24°
レンズ構成  5群5枚
絞り・形式/範囲  自動/2.8-22
最短撮影距離  1m
最近接撮影範囲  29x19cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径 48mm/60mm
質量  230g
フード  φ49mmねじ込み
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥53,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 100mm F2.8  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

イザという時のコンパクト軽量な安定したマクロ性能

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5 ズイコー マクロ 50mm F3.5

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★★☆
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

◆愛称 「こまくろだま」
zuiko 50mm/f3.5といえば、かの銘玉中の銘玉だといえるzuiko 50mm/f2の”廉価版”としての位置づけだ。にもかかわらず評価はとても高い。F2もF3.5もどちらも優秀レンズの称号として「たま」を愛称につけたくて「おおまくろだま」と「こまくろだま」と名付けた。

◆良いところ
収差がよく補正されていて解像度はとても高い。絞り開放から非常に緻密な描写をするレンズで、非常に安定した描写性能を示す。先ほどzuiko 50mm/f2の”廉価版”としてのF3.5と書いたが、マクロレンズとしてzuiko 50mm/f3.5はいたって普通のことだ。スペックは普通だが、なによりもこのコンパクトさでそれを実現したマクロ性能の方を称えたい。

とにかくコンパクトなマクロレンズなので持ち運びがとても楽。普通撮影でも十分な能力なので、いざというときに備えて一本常備しておきたくなる。

◆悪いところ
普通の標準と同じように考えたらzuiko 50mm/f3.5は”暗い”ということになるが、デジタルでの利用でそんなに気にする人は少なくなっただろう。ただ、ボケはちょっと硬い感じで美しくはない。なので、むしろしっかり絞ってマクロにも使うという人にはとてもいいとおもう。

絞り開放では若干フレアが残り、少し滲んだような描写になる。しかしピントの芯そのものはしっかりしている。一段のF5.6まで絞ると非常にクッキリとする。一番美味しい絞りはF5.6だろうな。

ちなみに、このレンズの絞りリングはF4という設定がない。F3.5の次はF5.6にしかクリックできないのだ。まあしょうがない。

◆エピソード

ある一日がかりの資格試験を受けに行ったその昼休み、近くの公園で花が奇麗に咲いているので、このレンズで撮影してみた。あまりに奇麗にとれるので夢中になりすぎて、午後からの試験をすっぽかしたことがある。それだけ病みつきになれるレンズなのだろう。軽くてコンパクトで性能のほどよいレンズならzuiko 50mm/f3.5がお勧めだ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-MACRO 50mm F3.5

コーティング MC
画角  47°
レンズ構成  4群5枚
絞り・形式/範囲  自動/3.5-22
最短撮影距離  0.23m
最近接撮影範囲  7.2×4.8cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  40mm/60mm
質量  200g
フード  不要(公式には)
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥62,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z029  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

軽量コンパクトで癖のない優秀な写り。最高の餅撒きレンズ

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-S  50mm F1.8 ズイコー 標準 50mm f1.8

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ☆
  • 人気度  ★★★
  • 総合評価 ★★★

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

純正ガウスタイプ

◆愛称 「おかざり」
このzuiko 50mm/f1.8といえば、かつてボディとセットでしか販売がされておらず、”付録”として扱われることが多かったレンズだ。量産されていたはずなのでコストは相当おさえられていたのだろう。そのうえ、安価にOMボディを購入しようとすれば必ずついてくる。それだけに利用者も多かったはずだ。メーカの「顔」として開発に力が入ったに違いない。実は意外にも相当優秀なレンズなのだ。

ボディの付録で大衆向けレンズということで「おかざり」と名付けたが、この性能は飾りではなさそうで。わたしのお気に入りの一つでもある。

◆良いところ
小型軽量で映りがいい。標準の劣化版という平凡なイメージを払拭してしまう。クセのないしっかりとした写りをするレンズだ。高い解像力と適度なコントラストで発色もよい。ボケはかなり良質で、絞り開放から比較的良好な描写をする。絞るとかなりシャープになるがキレキレすぎにはならない。そのほど良さがいいと思う。

さっきも書いたが、zuiko 50mm/f1.8はOMズイコーの中では最も多く出荷されたレンズではないかと思う。そのためか、OLYMPUSとしても力を入れて作ったに違いない。それぐらい完成度の高いレンズだ。

あと、後期のバージョンは機構がかなり単純な作りになっているので、分解修理が実に簡単だ。レンズ分解清掃を自分でやろうとする方には入門機としていいと思う。

◆悪いところ
中古市場の玉数は相当なもので、数千円出せば確実にそこそこ程度の良い玉が手に入いる。まあ、悪いところしては希少価値のなさか。もしくは安物としての扱いを受けることか。まあそんな中で特に良質な玉を探すのも楽しいんだけどね。

◆エピソード
世にいう「沼」という病気にもいろいろあるが、私がはまった沼はなんと「zuiko 50mm/f1.8沼」という難病だ。

このレンズには何か不思議な魅力がある。しかも安い。なので中古市場でついつい買い求めて気づけば30個以上も集めてしまった。その後いいものだけをより分けていらないのは処分したが、それでもいくつかは持ったままだ。

ちなみにzuiko 50mm/f1.88には以下の種類がある。私は現在これを全て保有している。

・M-SYSTEM F.ZUIKO 50mm/f1.8
※※初代Mシステム用 シングルコート・銀枠(レンズ先端の飾りが銀色)

・OM-SYSTEM F.ZUIKO 50mm/f1.8
※※シングルコート・銀枠(レンズ先端の飾りが銀色)

・OM-SYSTEM F.ZUIKO 50mm/f1.8
※※シングルコート・黒枠(レンズ先端の飾りが黒色)

・OM-SYSTEM ZUIKO MC 50mm/f1.8
※※マルチコート・黒枠(レンズ先端の飾りが黒色)

・OM-SYSTEM ZUIKO 50mm/f1.8
※※MC表記なし(マルチコート)・黒枠(レンズ先端の飾りが黒色)
※※※鏡胴がプラスチックになりレンズ構成も見直されている


<諸元>

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.8

コーティング MC
画角  47°
レンズ構成  5群6枚
(4群6枚)
絞り・形式/範囲 自動/ 1.8-16
最短撮影距離  0.45m
最近接撮影範囲  24x16cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  31mm [32mm]/59mm [61mm]
質量  170g [165g]
フード  φ51mmかぶせ
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥24,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z023 M-SYSTEM F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8(銀縁)  良好 コレクション
Z024 F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8(銀縁) 良好 コレクション
Z025 F.ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8(黒縁)  良好  コレクション
Z026 ZUIKO MC AUTO-S 50mmF1.8(黒縁)  良好  コレクション
Z027 ZUIKO AUTO-S 50mmF1.8(黒縁)  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8

コンパクトでシャープでコントラスト良いZUIKOらしい優秀レンズ

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8 ズイコー 広角 35mm f2.8

ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★★★
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8

◆愛称 「しんわのたま」
OMズイコーのファンの間では「暗いレンズの方が優秀だ」とする、ある意味「ズイコー神話」がある。その「神話」の主役がzuiko 28mm/f3.5と今回紹介するzuiko 35mm/f2.8だ。(28と35の数字の組み合わせが面白い)

OM ズイコーシリーズでは”廉価版”と”大口径版”の二種類が選べれるようになっているが、なぜか28mmと35mmではメーカがかなり力を入れて開発したであろう”大口径版”よりも、安価で多くの人に使ってもらうために開発した”廉価版”のほうが評価が高いのだ。これは決して”大口径版”の方を手を抜いて作られたということではない。それほど当時のオリンパスの技術者たちが”廉価版”とはいえ妥協を許さずこだわりのレンズづくりをしていた証でもあるとおもう。

◆良いところ
普段の撮影で常用レンズとして使用しているが、コンパクトで持ちやすいばかりかいい結果を残してくれるので大変重宝している。あのzuiko 50mm/f1.8と変わらぬコンパクトさで、スナップや旅行に最適だ。最短撮影距離も0.3mで、結構寄れるのもいい。花などもぐんと近くによって撮影が可能だ。

しかも、このzuiko 35mm/f2.8は写りの安定性がよく、画像の均一性が高い。実際に忠実な再現が可能だ。F5.6あたりの描写がとてもいい。開放F値はF2.8と平凡だが、周辺減光を感じることもなくボケ味を利用した表現も可能だ。絞れば被写界深度が深いので、パンフォーカスにも強い。スナップ向きにもなる。

広角レンズ特有のコマフレアを大幅に除去した鮮明な描写力を誇る。歪曲はほとんど気にならない。一般的に”大口径版”のF2の方が人気が高く、”廉価版”のf2.8は安物というイメージがあるが、前述のとおりzuiko 35mm/f2.8のほうが高く評価されている。zuiko 35mm/f2.8は最もズイコーらしいズイコーのレンズだ。

赤城耕一氏の著書「使うオリンパスOM」では、
「(zuiko 35mm/f2を紹介するページで)むしろF2.8の暗いレンズのほうがズイコーらしいコントラストとシャープさが期待できるので、正直言うと、こちらのほうがおすすめのレンズである。」と紹介されているぐらいだ。

◆悪いところ

絞り開放では周辺部に収差や光量の低下が認められやや甘めの描写になるが、少し絞り込めばコントラストの高い非常にシャープな写りになる。

絞り開放ではピントもそれほどシャープではなく、周辺の光量も落ちる。色再現は地味だ。ボケ味を利用した表現をしないならf5.6あたりまで絞るのがいいだろう。

◆エピソード

ズイコー広角の中では、単焦点の35mmを使う習慣が身についてなくて、私はどうも使う機会が少なかった。

そもそもカメラを始めた高校生のころ、一番最初に手にしたレンズがzuiko 35-70mm/f3.5-4.5ズームだった。他に使うレンズがないのでしばらくはこれ一本で頑張っていた時期が長くて、単焦点35mmを手に入れるたのは最近になってからのことだ。

だが、使いまわしてみると、スナップでは35mmを使える場面がたくさんあることに気づく。それに愛用していた40mmと互角は変わらない。40mmが使いやすい広さであり、35mmも使えて当然だ。なのに「35mm=広角」、「40mm=標準」としてどうも思い込んで区別していたようだ。

18mm、24mm、35mm、55mm、85mm (私の中ではAチーム)という単焦点の組み合わせで使う機会が増えてきた。これだけ本数が多くてもコンパクトで高評価で安心して持っていけれる。


<諸元>

ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8

コーティング MC
絵画コーナー  63°
レンズ構成  6群7枚
絞り・形式/範囲  自動/2.8-16
最短撮影距離  0.3m
最近接撮影範囲  21x14cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  33mm / 59mm
品質  180g
フード  φ51mmかぶせ
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥36,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z013 M-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8(銀枠)  良好 コレクション
Z014 G.ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8(銀枠) 良好 展示用
Z015 ZUIKO AUTO-W 35mm F2.8(黒枠) 良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5

古く暗いレンズだがコンパクトで高描写力のある写り「伝説の銘玉」

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5 ズイコー 広角 28mm f3.5
ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★★
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5

◆愛称 「でんせつのたま」
ズイコーの銘玉を語る上でこのzuiko 28mm/f3.5というレンズは外せない。スペック的には「f3.5」というとても暗い普及型レンズで絞ってもf16だ。開放F値に無理がない機構にしているため画質が抜群によい。小型軽量でコントラストが高く、絞り開放からシャープな写りだ。

M-SYSTEM時代からリリースされ、80年代前半にf2.8の発表以降カタログからは消えてしまうが、いまだに人気も高く「伝説の銘玉」と呼ぶにふさわしい。

◆良いところ
小型軽量でコントラストが高く、絞り開放からシャープな写りだ。カリっと硬い写り。普及価格帯のレンズだが、古くからのOMファンから描写力があることで定評があるレンズだ。

色再現は古いレンズということもあり、やや温調な感じだが、嫌らしい感じではなく、むしろ落ち着きのあるものとして好感がもてる。

広角としてはとにかくコンパクトで、一見して広角に見えない。OLYMPUSらしい元祖普及レンズだ。パンフォーカス的にピントが合うので、人の多い場所でのスナップなどに重宝。集合写真もOK。パンにしてシャープ。使いやすいレンズだ。

最短撮影距離が0.3mと短いので人物に近寄ってのポートレートやスナップ撮影にも扱いやすい。

専用のメタルフードの質感も良い。(ちなみにメタルフードはf2.8でも兼用だが、2.8用のメタルフードは発売されていない)

赤城耕一氏は著書で「zuiko 28mm/f3.5はスペックにとらわれずに考えなければならない。OMユーザーならば必ず所有していなければならない1本なのである。」と述べている。

◆悪いところ
モノコートであることから逆光には少々弱いのでゴーストが出やすい。フードは必須だ。このモノコートなのが逆にいい雰囲気の演出になることがある。あえてフードをはずして逆光を狙ったとき、全体にやわらかなフレアがいい味にになったりする。短所は長所にもなるものだ。

zuiko 28mm/f2.8と比較すると発色はやや控えめ。前方から見ると、3枚目のレンズが目立つため小口径にみえるが、意外に大きい平面に近い前玉がついている。

開放では周辺光量の低下があるが、f5.6に絞れば問題ないだろう。

◆エピソード
zuiko 28mm/f2.8をすでに所有していたが、前述のとおり、赤城耕一氏の著書で「OMユーザーならば必ず所有していなければならない1本なのである。」とあるのを読んで「それならば買わねば」ということでzuiko 28mm/f3.5もネットオークションで入手した。

OM-1/2系標準のスクリーンでは、さすがに暗く感じるが、現在の技術の粋を集めたミラーレスならばEVFが明るくみせてくれるので、このレンズの能力をうまく活用できそうだ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5

コーティング SC
画角  75°
レンズ構成  7群7枚
絞り・形式/範囲  自動/3.5-16
最短撮影距離  0.3m
最近接撮影範囲  18x27cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  31mm/59mm
質量  180g
フード  φ49mmねじ込み
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  調査中

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z011 ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8

小型軽量、目立たないが優れたズイコーらしい「隠れた銘玉」

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8 ズイコー 広角 28mm f2.8
ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★★
  • 人気度  ★★★☆
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8

◆愛称 「かくれだま」
zuiko 28mm/f3.5やf2と比べると目立たないレンズだ。「隠れた銘玉」といっていいだろう。

f3.5、f2.8、f2という28mm3人衆の中では最も目立たないが最も力を持っているのではないかということで「かくれだま」と名付けた。

◆良いところ
近距離撮影でも遠近感が強くですぎることがなく、スナップなど幅広く活用できる。しかも超小型軽量。コントラストの再現性は抜群で、暗部のディテール描写にも優れている。絞り開放からコントラストが高くクリアでシャープで発色も良好だ。

OM-1やOM-2 のニューモデルである Nシリーズが発表された80年代前半に登場したモデルだ。あの「伝説の銘玉」zuiko 28mm/f3.5の後継と位置づけられている。

ただ、いまでも「zuiko 28mm/f3.5の方が優れている」という声が聞かれるが正直それはどうだろう。f3.5の方はモノコート、zuiko 28mm/f2.8はマルチコートだ。f3.5より半絞り分明るく、1mm長くなり10グラム軽くなっている。レンズ構成は7群7枚から6群6枚で、パワー配分と対称性が改善されている。f3.5に比べ半絞り明るくなっただけでなく、コントラスト・解像力や諸収差など光学性能も向上した。当然zuiko 28mm/f2.8の方が使いやすく優秀であっておかしくない。小型軽量で性能の優れたズイコーらしい銘器だ。

◆悪いところ
高いコントラストを有し、中心部分の解像力が高いおかげで見る者を引きつける映像を形成する。ただ暗部がドーンと潰れてしまうぐらい時にコントラストが強すぎると感じることもある。

また他社の高級レンズと比べるともう一段の解像度が欲しい気がするが、そもそもこのレンズ”廉価版”だ。高級レンズを比較するというのもおかしな話だ。同等性能を持つレンズが高級レンズで探さないと見つからないのだ。

◆エピソード
昔から28mmは広角の中心であり、単焦点で最も使用頻度が高いのは28mmという統計結果もあるくらいの人気の距離だ。高校生の時28mmを買いにカメラ店に行った時、中古だが24mmに一目ぼれしてしまって、28mmを買いそこなった。24mmがあるので近い距離の28mmを買うにはちょっと躊躇してきて、手に入れるまで随分と時間かかったが、やはり、いいレンズだ。今では、21mm、28mm、40mm、85mm(Bチーム)という組み合わせか、18mm、24mm、35mm、50mm、100mm(Aチーム)という組み合わせでセットしている。

<諸元>

ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8

コーティング MC
画角  75°
レンズ構成  6群6枚
絞り・形式/範囲  自動/2.8-22
最短撮影距離  0.3m
最近接撮影範囲  18x27cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  32mm/60mm
質量  170g
フード  φ49mmねじ込み
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  ¥47,000

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z010 ZUIKO AUTO-W 28mm F2.8  良好 保存&常用

<作例>