シャープで希少性高い12倍の超高倍率マクロレンズ
ZUIKO AUTO-MACRO 20mm F2 ズイコー マクロ 20mm F2
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◆愛称 「みくろまくろ」
例にもれず、「オートエクステンションチューブ65-116」または「オートベロ-ズ」を併用で使うのが大原則のマクロ専用レンズだ。本体はコンパクトだが、エクステンションチュ-ブによってかなり大きく感じられる。
6倍から12倍ものの超高倍率レンズだ。ここまでくるとミクロの世界。なのでミクロのマクロレンズ。ということで「ミクロマクロ」となった。
ところで「マクロ」とは「非常に大きい」「巨大な」という意味だ。「ミクロ」「非常に小さいもの」「極微」という意味。「マクロ撮影」とは小さいものを大きくするという意味でそうなったのだろうが、小さいモノを写すという意味では「ミクロ撮影」と呼ぶのが正しそうだ。
ちなみにニコンだけはなぜか「マイクロ撮影」と呼んでいるね。
◆良いところ
6倍から12倍。数ミリの範囲を画面に出す。まさに顕微鏡の世界だ。普通では見れないミクロの世界をファインダー越しに堪能することができる。
38mm同様、オリンパスのマクロレンズはベローズの繰り出しが短いところが大変シャープで一番良い性能になるみたいだ。またワーキングディスタンスも非常にとりやすい。
生産数があまりなかったのと、他にここまでの倍率で撮れるマクロ撮影用のカメラ用レンズがないこともあって状態のいいものは10万近くの高額で取引されていると聞く。
◆悪いところ
20mm F2/38mm F2.8/80mm F4/135mm F4.5のいずれにも言えることだが、マクロ撮影専用レンズであり、かつ、レンズ毎に指定の倍率前後の範囲しか撮影できない。高性能だが用途が限られていて使いにくいレンズなのだ。
単焦点とズームレンズの違いに似ているが、被写体の大きさをどの程度にできるか(倍率)毎にレンズを交換する必要がある。そういったことが面倒なため、本腰を入れたマクロ撮影をする目的意識がないとなかなか装備しない。したがって非常に出番が少ないのが残念だ。
◆エピソード
マクロ撮影全般にも言えることだが、特にこの倍率になってくると光量が全く足りず、絞るとまるで解像しなくなる。かといって開放だと被写界深度がかなり薄くて何を写しているのか分からくなる。なのでフイルム時代はフラッシュと三脚固定は必須だったようだ。昔の撮影は相当苦労してきたことがうかがえる。
デジタルの現在ではEVFで暗部もはっきり見ることができISOも高いのでマクロが容易く楽しめるようになった。OM-Dでは深度合成という画期的な手法で広範囲にわたりピントが合うという技術ができたが、ぜひオールドレンズでもこれができるようにお願いしたいものだ。
それにしても6倍から12倍という撮影ができるのはとてもすごい。一度トンボの目の拡大写真とか、蝶々が花の蜜を吸っている先っぽとかを取ってみたいものだ。
<諸元>
ZUIKO AUTO-MACRO 20mm F2
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z0 | 良好 | 保存&常用 |