ZUIKO AUTO-T 180mm F2.8

取り回しやすいサイズと重さでF2.8の明るさだが、軟らかく甘めの解像力

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 180mm F2.8 ズイコー 望遠 180mm F2.8

ZUIKO AUTO-T 180mm F2.8
  • 画 質  ★★★★
  • 携帯性  ★★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 180mm F2.8

◆愛称 「はんたー」
このzuiko 180mm/f2.8は、明るい2.8で、使い勝手のいい手ごろな180mmの望遠だ。獲物を捕らえるハンターのイメージでこう名付けた。

◆良いところ
取り回しやすいサイズと重さでF2.8の明るさ。発色もよく、ジャスピンではとてもシャープでキレキレな描画だ。

そもそも恰好がよい。この時代、タムロンのSP 180mm/f2.5 LD [IF](63B)やニコンの 180mm /f2.8 ED AI-sやペンタから smc PENTAX-A☆ 200mm/f2.8 EDなど、ED(特殊低分散)ガラスを使った優秀で高級なレンズが多く登場していた。

だが、zuiko 180mm/f2.8はこれらと全く引けを取らない描画性能だ。しかも上記の中で最も小さく軽いのだ。

◆悪いところ
ただ開放では甘めの描写が気になる。これは好みがわかれるところだろう。例のごとくF5.6まで絞ればキリリとなる。この時代のレンズだ。あえてレトロな描写と好意的にとらえることにしよう。

最短撮影距離が2mと長めで寄れないのが使い難い。

ZUIKOにはマクロ撮影を可能にするオートエクステンションチューブが 7, 14, 25と3種類用意されているが、こういう最短撮影距離が長めのレンズと組み合わせればよい。

そういう使い方を想定していたのか、OM ZUIKOはコンパクトだが最短撮影距離が長めが多い。長所があれば必ず短所があるものだが、短所をカバーする方法は必ず用意されているものだ。

◆エピソード
zuiko 100mm/f2.8、zuiko 135mm/f2.8 とこのzuiko 180mm/f2.8の3本は見た目の雰囲気がとてもよく似ている。レンズ構成図もそっくりだ。ZUIKO 望遠2.8三兄弟と呼ぶことにしよう。

画質と利便性で言えば50-200といい勝負だ。ただ、あえて zuiko 180mm/f2.8を振り回そう。それがZUIKOマニアというものだ。

<諸元>

ZUIKO AUTO-T 180mm F2.8

コーティング MC
画角  14°
レンズ構成 5群5枚
絞り・形式/範囲  自動/2.8-32
最短撮影距離  2m
最近接撮影範囲  32x21cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  124mm/80mm
質量  700g
フード  組込み式
フィルター φ72mm ねじ込み
発売時の価格  ¥129,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 180mm F2.8  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-T 180mm F2

開放のみですべてを飲み込む、妥協を許さない頑なレンズ性能。

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 180mm F2 / ズイコー 白レンズ 180mm F2
  • 画 質  ★★★★★
  • 携帯性  ☆
  • 希少性  ★★★★★
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★
ZUIKO AUTO-T 180mm F2

◆愛称 「きょうがくのしろれんずのすえっこ」
いわずと知れたOMズイコー驚愕の白レンズの一つだ。OMズイコー驚愕の白レンズは3本セットの三兄弟で知られていて、zuiko 350mm/f2.8、zuiko 250mm/f2、zuiko 180mm/f2の3本がある。zuiko 180mm/f2は、驚愕の白レンズの三兄弟の末っ子ということになる。

◆良いところ
zuiko 180mm/f2は、当然のことながら感動するほどの描写性能だ。色といいコントラストといいその繊細なシャープさといい、うっとりするほどの最高の描画性能だ。

オリンパスは一体どういう意図でこの3レンズをつくったのだろう。コンパクトで高性能というオリンパスらしい部分を切り捨てた、驚愕の大きさと重さだ。ただその映りは素晴らしい。「オリンパスだって本気になったらこういうすげーレンズだって作れるんですぜ」というPRの意図があったのか?

驚愕の大きさと重さ、それに比例する驚愕の価格で、そんなには売てはないらしい。後世は受注生産だったと聞く。OMズイコーらしい携帯性が全くないのは残念だが、いい絵を求めるなら満足できる。

私はこの驚愕の白レンズの三兄弟のうちこのzuiko 180mm/f2が大好きだ。唯一手持ちで構えることができるものね。それに三兄弟の中で最も小さく(でっかいいレンズだが)、唯一持参のカメラバックに収まる。(他のレンズは犠牲になるが)

◆悪いところ
なんといってもその大きさと重さだ。(これもあたりまえだが。)三兄弟のなかでもzuiko 180mm/f2はまたましなほうだが、、、

◆エピソード

zuiko 180mm/f2は昔からとても憧れのレンズだった。だがとても希少なブツで、方々探すがなかなかでてこない。

なんとかみつけて購入したところ残念ながら前玉にカビがあった。

ところが、描写は素晴らしい。作例のとおり、全く影響はない。

たまたま新宿の中古カメラで新品同様のzuiko 180mm/f2を見つけたのでお借りして撮り比べてみたが、一切の差がなかった。ちなみにその新品同様のブツは100万円だった、、、。中古市場でも驚愕だ。

中古で見つけられたなら、多少のカビがあろうが、数十万でもかなりのお得ということになる。めったに出てこないので、お探しのかたは速やかな判断をオススメする。


<諸元>

ZUIKO AUTO-T 180mm F2

コーティング MC
画角  14°
レンズ構成  8群10枚
絞り・形式/範囲  自動/2-22
最短撮影距離  1.6m
最近接撮影範囲  25x17cm
ピント調節方式 回転カム(インナーフォーカス)
全長/最大径  174mm/113mm
質量  1900g
フード  組込み式
フィルター  φ100mm ねじ込み
発売時の価格  ¥646,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z0 ZUIKO AUTO-T 180mm F2  良好 保存&常用

 

<作例>