21mmでは世界初のf2で、広い表現領域をもつ銘玉の超広角
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 21mm F2 ズイコー 超広角 21mm F2
画 質 ★★★★★
携帯性 ★★★☆
希少性 ★★★★☆
人気度 ★★★★☆
総合評価 ★★★★☆
◆愛称 「でぃすたごん」
このzuiko 21mm/f2より広いzuiko 18mm/f3.5は、かのディスタゴンとよく比較され、さすがにそれにはかなわないもののさほど遜色ない性能と評価されたズイコー傑作の銘玉の超広角である。あのzuiko 18mm/f3.5がそれほどのものならそれ以上の性能を持つ(と私は思っている)zuiko 21mm/f2ならばディスタゴン以上の能力があるに違いない!
ということで銘玉にふさわしく「でぃすたごん」と名付けたのだ。
◆良いところ
21mmで世界初のf2であり、シグマが20mm/f1.8を出すまで35mm判の超広角では世界一の明るさを誇った超広角だ。35mmフィルム用レンズにおいて21mmでf2以上のレンズが他にあるだろうか?OM ズイコー 以外で私は聞いたことがない。(あれば教えてほしい)
近年ではシグマ20mm f1.4、ライカSummilux 21mm/f1.4、COSINA Voigtländer ULTRON 21mm F1.8 という素晴らしいスペックのレンズがたくさん登場しています。ただ、私がここでお伝えしたいのは、「オールドレンズ」のカテゴリーで、Z UIKO 21mmF2が活躍したその時代において同様のスペックのレンズががあっただろうか?という問いです。ぜひ情報をお持ちの方はコメント欄にてお聞かせください。
zuiko 21mm/f2は、画期的な小型軽量設計でf2の明るさでこの小ささは貴重な存在だ。銘玉といわれるゆえんだろう。絞り解放から十分な画質が得られ、OM ズイコーらしく絞ればコントラストの高い文句のない描写で、シャープな画像が得られる。
発色も秀逸だ。加えて近距離収差補正機構により、20cmの至近距離でも性能劣化がなく、遠近感をより強調したダイナミックな写真を撮ることができ、このzuiko 21mm/f2はOM ズイコーの中でも超広角の表現領域を拡大した非常に高性能な銘玉レンズといえる。
◆悪いところ
OM ズイコーの特徴でもあるが、無味乾燥、水のような、癖のほとんどないレンズだ。そのまま描写する“味なし”だから、実はこれがまたムツカシイ。値段も高く高性能の割にその能力を「絵になる写真」にするには相当な腕とセンスが必要だ。(基本的に超広角はムツカシイ・・皆同じ構図になってしまう)
引けばzuiko 24mmで代用できるし絞ればzuiko 21㎜/f3.5のレンズも優れているので、持ち出すときに悩んでしまう。「OM ズイコーは暗いレンズの方が良い」と言われているぐらいだし、暗い方が非常にコンパクトなのだ。このような銘玉レンズの前では本当の写真技術が問われるようで素人の私にとっては怖くもある。
でもOMファンなら絶対持っておくべき一本だ。持っているだけで安心感があり、持っているだけで満足感を得られるのだ。心のよりどころといっていいだろう。
◆エピソード
1980年代前半、OM-4と時を同じくしてzuiko 24mmも開発発表された高性能レンズ群の一つだ。私は高校生の時カタログでこのレンズを見て遥か手の届かない値段を見て「いつかは手にしてやるぞ」と心に誓ったモノの一つだ。なかなか程度のいいブツが現れなくて探しあぐねていたところ、オーバーホール済みのものが高価であるがオークションにでていたので奮発して買った。どうしてもほしかったのだ。
こうして30年の時を超えて欲しかった憧れのOM ズイコーレンズが手に入った。何とも感慨深いものだ。広角系ではzuiko 24mm/f2と合わせてお気に入りの一つだ。
<諸元>
ZUIKO AUTO-W 21mm F2
コーティング
MC
画角
92°
レンズ構成
9群11枚
絞り・形式/範囲
自動2-16
最短撮影距離
0.2m
最近接撮影範囲
21x14cm
ピント調節方式
直進ヘリコイド
全長/最大径
43.5mm/60mm
質量
250g
フード
φ55mmねじ込みまたはφ57mmかぶせ
フィルター
φ55mmねじ込み
発売時の価格
¥132,000
<所有レンズのデータ>
所有No
名称
コード
リア記号
製造年月
状態
用途
Z004
ZUIKO AUTO-W 21mm F2
良好
保存&常用
コントラスト高く強さが感じられるキュートな超広角
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 18mm F3.5/ズイコー 超広角 18mm F3.5
画 質 ★★★★★
携帯性 ★★★★
希少性 ★★★★☆
人気度 ★★★★☆
総合評価 ★★★★☆
◆愛称 「おやじ」
このzuiko 18mm/f3.5という超広角レンズを初めて見た時に「目玉みたい」と思った。なので某、国民的妖怪漫画から敬意をはらって「おやじ」と名付けた。ただ普段フードと兼ねた保護用専用ステップアップアタプターを常時つけているので、残念なことにキュートな「目玉おやじ」を見ることはめったにない。むしろ「きのこ」と名付けた方がふさわしかったかもしれない(笑)。
◆良いところ
魚眼を除くOMズイコーの超広角レンズの中で、zuiko 18mm/f3.5は最も広い100度の画角をもつ。にも関わらず歪曲収差が少ないのがよい。画質はOMズイコーらしい“無味無臭”で水のようだ。癖はほとんど感じられず、周辺部の流れも目立たないので、本当に18mm?と疑いたくなる。
このレンズを装着しファインダーを覗くと、全てが凝縮され、強烈なパースペクティブを伴って遠ざかってしまう。まるで強い近視用の眼鏡を覗いているようだ。かのディスタゴンとよく比較され、さすがにそれにはかなわないもののさほど遜色ない性能と評価されたOM ズイコー傑作の銘玉の超広角だ。
コントラスト、シャープさもOMズイコーらしく十分。コントラストが強く強さを感じられ、線が太く感じられる。zuiko 18mm/f3.5は超広角の強力なパースペクティブを使って面白い写真が取れそうだ。
◆悪いところ
フード兼、保護用フィルタ用のステップアップアタプターがキノコの笠のように開いてこれがちと邪魔臭い。意外と場所をとるのだ。だがこれがないとフィルターがつけれない。zuiko 18mm/f3.5は超広角の中でもレンズが大きく突起しているので保護用としてフィルターは必須だ。
また、時折長所は短所となりうるものであるが、自慢の100度の画角。残念なことに画角が広すぎて、これでとる写真は決まって同じような絵になる。したがって出番が少ないのが残念だ。アイディア次第だろうけど。
◆エピソード
このzuiko 18mm/f3.5は一目ですぐにほしくなった。中古でもちょっと高かったが奮発して買ってしまった。買った後で専用のステップアップアタプターが付属していないのに気付く。これがないとレンズ保護フィルターをつけることができないのだ。ネットでいろいろ調べるのだが、この付属品のみの販売などみつからない。
そりゃそうだ。と、あきらめかけていたところ、Kenko製ステップアップリングφ49mm→φ62mmとφ62mm→φ72mmと2枚つなげて代用できるという情報を発見した。そこで早速家電量販店で購入して試してみた。ところがレンズ本体へKenko製ステップアップリングがつけられない。よくわからなのだが微妙にサイズがちがっているようだ。径が微妙に大き目のサイズってあるのかなぁ・・?。そんな疑問をもちながら、市内のカメラ屋を巡業して相談して回った。
どの店主も「どうしてはまらないんですかねぇ?」と困惑されていた。最後に訪問した「ミッキーカメラ」という中古の店で、「ああそういえばオリンパス製のステップアップがあったなぁ・・」と色々出してくれた。そのなかになんと「純正」の専用ステップアップアタプターφ49mm→φ72mmがあったのだ!!またこれをはめるとぴったり!なんと純正でないと微妙に付けられないようになっていたのだ!
そうやって苦労して手に入れたフードを兼ねた「純正」の専用ステップアップアタプター付のzuiko 18mm/f3.5なのだが、にもかかわらず出番がすくなく保管庫でお休み中だ。そろそろ遊んでやらねば。
<諸元>
ZUIKO AUTO-W 18mm F3.5
コーティング
MC
画角
100°
レンズ構成
9群11枚
絞り・形式/範囲
自動/3.5-16
最短撮影距離
0.25m
最近接撮影範囲
30x20cm
ピント調節方式
直進ヘリコイド
全長/最大径
42mm/62mm
質量
250g
フード
φ49mm 49->72アダプターリング
フィルター
φ72mmねじ込み (49->72アダプターリング併用)
発売時の価格
¥132,000
<所有レンズのデータ>
所有No
名称
コード
リア記号
製造年月
状態
用途
Z003
ZUIKO AUTO-W 18mm F3.5
106440
SAU2
2001年2月製
良好
保存&常用
2015年9月2日
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カテゴリー : 超広角
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魚眼ぽくないコンパクトボディだが、実にシャープな描写
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-FISHEYE 16mm F3.5/ズイコー 魚眼 16mm F3.5
画 質 ★★★☆
携帯性 ★★★★★
希少性 ★★★★
人気度 ★★★☆
総合評価 ★★★★
◆愛称 「ぎょぎょ」
魚の大好きな例のタレントの口癖だが、魚眼だけにというだけでなく、ぎょぎょ!とするぐらい、コンパクトでシャープな描写なのだ。
◆良いところ
なんといってもそのコンパクトさだ。一見、zuiko 50mm/f1.8とまちがえてしまうぐらいのものだ。これほどまでにコンパクトでそれでいて切れるほどのシャープな画質という魚眼があるだろうか。このzuiko 16mm/f3.5こそオリンパス、OM ズイコー らしいレンズといっていい。
それに近距離20cmまで近づけられる。動物の顔などグーンとアップにして背景をすべていれてしまうなど不思議な絵をつくることができる。クローズアップにこだわって、コンパクトで、切れるような画質という、、、やはりzuiko 16mm/f3.5は、OM ズイコーの設計思想が実に現れた傑作レンズといえるだろう。
◆悪いところ
そのコンパクトさで対角180°の広さだ。ときに長所が短所ということもあるものだが、カメラを普通に構えても、うっかりすると持っている指が写り込んでしまう。OM4にzuiko 16mm/f3.5を付けて、ワインダーもしくはモータードライブを装着してかまえると、必ず指が入り込んでしまう。それだけは注意が必要だ。
現在では主にzuiko 16mm/f3.5にマウントアタプターを付けてデジカメで撮影をしている。そのため、レンズそのものがカメラより前にのりだす形になっているので、映り込みの心配はなくなった。
◆エピソード
私のzuiko 16mm/f3.5はオークションで比較的安価で手に入れられてラッキーだった。ごらんのとおり、フロントからレンズを覗くと全体は真っ黒で、真ん中に小さくリアからの光が入り込んでくる。魚眼の特長だ。
ゆえに大失敗してしまった。実はレンズはカビだらけだったのだ。試し撮りしてみると聞いていたよりシャープじゃない。なんかもやもやする。でもまあそんなものかと思い込んでいたが、数カ月するまでカビだらけに気づかなかかった。修理は購入価格より高くついた。
フロントから覗き込んだ程度ではレンズがかなり小さくみえるために、カビなどの汚れがわかりにくいので注意が必要だ。
<諸元>
ZUIKO AUTO-FISHEYE 16mm F3.5
コーティング
MC
画角
180°(対角線)
レンズ構成
8群11枚
絞り・形式/範囲
自動/3.5-22
最短撮影距離
0.2m
最近接撮影範囲
–
ピント調節方式
直進ヘリコイド
全長/最大径
31mm/59mm
質量
185g
フード
不要
フィルター
組込み式(L39,Y48, O56)
発売時の価格
¥118,000
<所有レンズのデータ>
所有No
名称
コード
リア記号
製造年月
状態
用途
Z002
ZUIKO AUTO-W 18mm F3.5
106440
SAU2
2001年2月製
良好
保存&常用
OMで唯一の全周魚眼。希少性の高さとこだわりの機構
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-FISHEYE 8mm F2.8/ズイコー 魚眼 8mm F2.8
画 質 ★★★
携帯性 ★★★
希少性 ★★★★★
人気度 ★★
総合評価 ★★★☆
◆愛称 「おおきのこ」
半球全域をカバーする全周魚眼。なのでそのまま「全周魚眼」と単純に呼んでいたのだが、こうした8mmの全周魚眼を海外では「サーキュラーレンズ」と呼ぶそうなので、当初は「サーキュラー」と名付けることにしていた。サーキュラーとは円形の、扇形に広がった、などの意味だ。ちょっとかっこいい。
ただこういうカッコイイ愛称は定着しない。人も大抵見た目だけで名づけられ呼ばれることが多いもの。
見た目は大きなキノコにしか見えない。なので「おおきのこ」としたのだ。「サーキュラー」はやっぱり言いにくかった。
◆良いところ
OMの8mmだなんて、はっきり言って超希少なレンズだ。OM発売途中でカタログから消えたぐらいだもの、そう普通にそこらの中古カメラ店でお目にかかることはまずありえない。私は何カ月もかけて探してebayでやっとのこと競り落とした。うんじゅう万円もかかった個体はオーストリアから届けられた。
従って、正直、いいところも悪いところも他社の円周魚眼など持ってないばかりかこれしか触ったことすらないので詳しいことはわからない。ただ、いえるのは、35mmフルサイズの8mmの魚眼にしては、他メーカの(同時期の)全周魚眼の写真なので比較すること限り、非常にコンパクトで小さいということだ。また、パンフォーカスではなくきちんとピント合わせができる。全周魚眼だからと機構に手を抜いたりして作ってないのがオリンパスらしいところだ。
◆悪いところ
OMの8mm、全周魚眼・・・苦労して手に入れた割には使うことがとても少ない。全くのコレクションの一つとなったわけだ。他メーカの(同時期の)8mm全周魚眼と比較してコンパクトとはいえ、、はやりこれを使おうという場合には、あらかじめ専用のバックを用意して持っていかなければならなくなる。したがってなんだかんだと実際の使用する機会はぐっとすくなくなるのが残念だ。同じ魚眼のzuiko 16㎜/f3.5は非常にコンパクトでzuiko 50㎜/f1.8クラスの大きさなので、ひょいっと他のレンズに紛れ込ませることができるのだが。
◆エピソード
前述のとおり、私はこのzuiko 8mm/f2.8の全周魚眼を何カ月もかけて探してebayでやっとのこと競り落とした。うんじゅう万円もかかった個体はオーストリアから届けられた。相手との会話は全てグーグル先生が通訳してくれた。「The lens is in good condition. Very Clean. No scratches. No dust. 」とのことだったが、、、とどけられたお宝はカビだらけ、、(前の玉はキレイだったが後ろの方のカビだったのでわからなかったのだろう。)
現在修理中。。。しかもzuiko 8mm/f2.8の魚眼などそんじょそこらにあるレンズではないので修理できるかわからないそうだ。まあそういうのも含めて覚悟していたんだけどね。
<諸元>
ZUIKO AUTO-FISHEYE 8mm F2.8
コーティング
MC
画角
180°(円形)
レンズ構成
17群11枚
絞り・形式/範囲
自動/2.8-22
最短撮影距離
0.2m
最近接撮影範囲
–
ピント調節方式
直進ヘリコイド
全長/最大径
82mm/102mm
質量
640g
フード
不要
フィルター
組込み式 (L39,Y48, O56,R60)
発売時の価格
調査中
<所有レンズのデータ>
所有No
名称
コード
リア記号
製造年月
状態
用途
Z001
ZUIKO AUTO-FISHEYE 8mm F2.8
106440
SAU2
2001年2月製
良好
保存&常用
2015年8月30日
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カテゴリー : 魚眼
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