OMファンが憧れたOMズイコーを代表する「伝説の名珠」
OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-T 100mm F2 ズイコー 中望遠 100mm F2
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◆愛称 「レジェンド」
zuiko 100mm/f2といえば、OMズイコーを代表する銘玉としてOMファンが憧れた「歴史的名器」だ。zuiko 90mm/f2と人気を二分しているといっていい。なぜ同じ中望遠域で2本もの銘玉が存在するのか?
中望遠域の一般撮影向けとしてのプロ用としてOLYMPUSの技術を余すところなく注いだのがzuiko 100mm/f2だ。当然高い評価を得た。その後登場したのがポートレート用に特化したzuiko 85mm/f2、最後に登場したのがマクロ用に特化したzuiko 90mm/f2だった。
ところがこのルーキーzuiko 90mm/f2はマクロ域のみならず万能として高い評価を得た。よってzuiko 100mm/f2は「かつての銘玉」とよばれるある意味不遇な存在でもある。わたしは敬意を表して「レジェンド」と呼ぶことにしているのだ。
◆良いところ
このzuiko 100mm/f2は、前群に特殊低分散(ED)ガラスと異常分散レンズを採用したアポクロマート構成で、諸収差が極めて低く抑えてあるのが特長だ。
全体繰り出しと後2群フローティングのピント調節によって、0.7mの最短撮影距離を実現している。中望遠にしてはとても短くて便利だ。像倍率1/6まで寄れるのでマクロレンズ的にも使える。もちろん近距離収差補正機構(フローティング システム)も付いているので近接撮影でも性能劣化しずらい作りだ。
当時のOLYMPUSの技術を余すところなく費やした贅沢な作り最高の中望遠だ。極限の描写性能を追求したレンズといえる。
絞り開放から周辺まで極めて優秀な破錠のない写りを見せてくれる。シャープで階調描写(質感描写)も素晴らしい。何より色が良い。光量の少ない場面であっても色乗よく、色の抜けも抜群だ。さすが低分散ガラス!
◆悪いところ
zuiko 100mm/f2に組み込まれている内臓フードは、繰り出し部分が少ししかなくお飾り程度のものだ。レンズは結構大きく太い。なのにアンバランスなほど小さなフード。これはあまりあてにしない方がいい。やはりCONTAXメタルフードNo.5を使用しよう。かっこいいし。
重さはちょうどzuiko 80mm/f2の倍で、ずっしりしている。逆にこのずっしりした感じが高級レンズとしての神々しさをかもちだしているといえるのかも。
◆エピソード
辛口の評価本「写真術」の著者、日沖宗弘氏が著書のなかで絶賛している。「zuiko 100mm/f2は大変優秀と認められるレンズ」だそうだ。
それもそのはずだ。先にも述べたが、なんたって特殊低分散(ED)ガラスと異常分散レンズを採用したアポクロマート構成レンズだ。
普通だったら、このようなレンズの場合、「APO-XXXXX」とか「XXXXX-ED」とか、APO,EDの名称表記で性能を自己主張するものだが、このレンズの場合、そういった名称ではない。
オリンパスは実に謙虚で控えめな名称をつけるものだ。本来なら、
「APO-ZUIKO AUTO-T 100mm F2 ED L★」
とでも名乗ってもおかしくなかったのではないか。(笑)ごちゃまでだけど。
<諸元>
ZUIKO AUTO-T 100mm F2
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<所有レンズのデータ>
所有No | 名称 | コード | リア記号 | 製造年月 | 状態 | 用途 |
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Z0 | ZUIKO AUTO-T 100mm F2 | 良好 | 保存&常用 |