ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5

古く暗いレンズだがコンパクトで高描写力のある写り「伝説の銘玉」

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5 ズイコー 広角 28mm f3.5
ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★★★
  • 希少性  ★★★★
  • 人気度  ★★★★
  • 総合評価 ★★★★☆
ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5

◆愛称 「でんせつのたま」
ズイコーの銘玉を語る上でこのzuiko 28mm/f3.5というレンズは外せない。スペック的には「f3.5」というとても暗い普及型レンズで絞ってもf16だ。開放F値に無理がない機構にしているため画質が抜群によい。小型軽量でコントラストが高く、絞り開放からシャープな写りだ。

M-SYSTEM時代からリリースされ、80年代前半にf2.8の発表以降カタログからは消えてしまうが、いまだに人気も高く「伝説の銘玉」と呼ぶにふさわしい。

◆良いところ
小型軽量でコントラストが高く、絞り開放からシャープな写りだ。カリっと硬い写り。普及価格帯のレンズだが、古くからのOMファンから描写力があることで定評があるレンズだ。

色再現は古いレンズということもあり、やや温調な感じだが、嫌らしい感じではなく、むしろ落ち着きのあるものとして好感がもてる。

広角としてはとにかくコンパクトで、一見して広角に見えない。OLYMPUSらしい元祖普及レンズだ。パンフォーカス的にピントが合うので、人の多い場所でのスナップなどに重宝。集合写真もOK。パンにしてシャープ。使いやすいレンズだ。

最短撮影距離が0.3mと短いので人物に近寄ってのポートレートやスナップ撮影にも扱いやすい。

専用のメタルフードの質感も良い。(ちなみにメタルフードはf2.8でも兼用だが、2.8用のメタルフードは発売されていない)

赤城耕一氏は著書で「zuiko 28mm/f3.5はスペックにとらわれずに考えなければならない。OMユーザーならば必ず所有していなければならない1本なのである。」と述べている。

◆悪いところ
モノコートであることから逆光には少々弱いのでゴーストが出やすい。フードは必須だ。このモノコートなのが逆にいい雰囲気の演出になることがある。あえてフードをはずして逆光を狙ったとき、全体にやわらかなフレアがいい味にになったりする。短所は長所にもなるものだ。

zuiko 28mm/f2.8と比較すると発色はやや控えめ。前方から見ると、3枚目のレンズが目立つため小口径にみえるが、意外に大きい平面に近い前玉がついている。

開放では周辺光量の低下があるが、f5.6に絞れば問題ないだろう。

◆エピソード
zuiko 28mm/f2.8をすでに所有していたが、前述のとおり、赤城耕一氏の著書で「OMユーザーならば必ず所有していなければならない1本なのである。」とあるのを読んで「それならば買わねば」ということでzuiko 28mm/f3.5もネットオークションで入手した。

OM-1/2系標準のスクリーンでは、さすがに暗く感じるが、現在の技術の粋を集めたミラーレスならばEVFが明るくみせてくれるので、このレンズの能力をうまく活用できそうだ。


<諸元>

ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5

コーティング SC
画角  75°
レンズ構成  7群7枚
絞り・形式/範囲  自動/3.5-16
最短撮影距離  0.3m
最近接撮影範囲  18x27cm
ピント調節方式 直進ヘリコイド
全長/最大径  31mm/59mm
質量  180g
フード  φ49mmねじ込み
フィルター  φ49mmねじ込み
発売時の価格  調査中

 

<所有レンズのデータ>

所有No 名称 コード リア記号 製造年月 状態 用途
Z011 ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5  良好 保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-W 28mm F3.5」への3件のフィードバック

  1.  はじめまして。OM-1を今も×タムラ経由で修理しながら使っています。興味深い情報をありがとうございます。

     レンズは75-150/F4と50mm/F1.8を持っていて、シャープさでは上位らしい28mm/F3.5も使っていますが、絞りの大小に関わらず無限遠にピンボケ感があります。ISO二桁以下の”Cinestill 50D”や”KONO! Donau6″といったフィルムで写してみると、粒子っぽさが無くなるので尚更気になる。このレンズの限界でしょうか?

    • こんにちは。コメントありがとうございます。
      いまだにOM-1をご活用とは素晴らしいです!
      私と同じく、OMに対する愛情を感じますね。
      FacebookでOLD-OM ZUIKOのグループを作っていますので是非ご参加ください!
      https://www.facebook.com/groups/omzuiko/

      さて、「絞りの大小に関わらず無限遠にピンボケ感」とのこと
      うーん。どうなんでしょう。
      単にヘリコイドがずれて無限遠にピントが合わなくなったのではないでしょうか?
      マウントアタプターを使ってデジタルカメラでの撮影する場合によくあることです。
      マウントアダプターは製品差が大きくありますので、RAYQUAL(宮本製作所)か、METABONESがおすすめです。
      ちょっと高いですけどね。

  2.  mantaroさんFacebookをお勧めいただきありがとうございます。生憎SNS遣いではないので参加出来ません。後日談をこちらにて。

     両眼0.1未満の強近視で眼鏡必須な事が「無限遠にピンボケ感」の一因と薄々感じていたものの、ファインダーをなんとかしようと写真屋さんを巡って聞きまくっても解決には至らず。ただNikon製“マグニファイヤー”の話を出して来た人が居て、オリンパス製バリマグニファインダーを探したところ中古品を発見し、即購入しました。OMカメラに流用出来ると勧められがちなPentaxの視度調整レンズなど問題にならないほど、ピンボケが明確に認識出来ます。絞り込んだ時に焦点が動く(!?)特性も掴み易くなりました。

     そりゃあファインダー自体は暗くなるし、ひっくり返った天地にアングル追い込みの苦労を強いられ、視野も激狭になるのですが、五手間十手間掛かってもなお、ISO64以下のネガ/リバーサルフィルムを使ってデジタルでは得られない描写が得られた時の優越感には替え難いものがあります。御年40歳超えのカメラ+レンズでも露出とピントが適値に嵌まった時には、デジタルプロセスでアンシャープマスクを効かせず銀塩処理だけでも、中判カメラなど欲しくなくなるほど画質が高いのです。使いこなして行こうと思いました。

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