ZUIKO AUTO-T 180mm F2.8で、鯉と睡蓮の撮影


今回は、α7RIIIにZUIKO 180mm/f2.8をくっつけて鯉と睡蓮を撮影にいったのでそのレポートだ。

OMズイコーの180にはf2.8とあわせ驚愕の白レンズ三兄弟のZUIKO 180mm/f2も用意されている。驚愕の白レンズ三兄弟のなかでは180mm/f2の場合は唯一持ちまわせれる重さ。(250/350は重すぎて三脚なしには使えない)こっちが高級なレンズだけに好んで使うことが多い。

だが一般的には180mm/f2.8だろう。f2.8でも十分な明るさと性能で使い勝手のいい手ごろな180mmの望遠だ。従って今回は、あえてこれを持ち出して作品作りにチャレンジだ。

今回のロケは、広島県廿日市市の極楽寺山の山頂付近にある蛇の池(じゃのいけ)と呼ばれる池だ。6月から7月にかけて約500本の睡蓮が見事に咲き誇り「睡蓮まつり」と称して近くの極楽寺の周辺の写生や写真、俳句をコンテストとして募集している。せっかくなので行ってみた。応募してみようかな。

蛇の池は山の頂上付近にある結構おおきな池だ。人工のものらしいが自然が見事。周囲おおよそ500mぐらいの遊歩道が整備され、ぐるっと一周しながら睡蓮を楽しむ事ができ、池には鯉、鮒、亀などの生き物がたくさんいる。7月ともなると山頂だが気温は暑かった。

周辺にはバーベキューやキャンプの施設があり、天気のいい日はファミリーが多い。睡蓮撮影をゆっくり楽しむなら早朝に行くのがよさそうだ。涼しいし。

7月中旬は睡蓮のみごろはちょっと過ぎていたかな。6月末ごろが一番見ごろのようだ。

さて、本題のZUIKO 180mm/f2.8だが、やはり持ちまわしがよくていい感じだ。

それにちょうど池の撮影にはこれぐらいの画角がちょうどよかった。

ただ池の鯉の泳ぎを狙た撮影では直進方向での泳ぎはピントがなかなか合わず苦労した。ジャスピンならある程度くっきりするのだが、もともと解像度が甘いレンズなので、絞ってもジャスピンでないと甘い印象だ。できるだけ感度を上げて絞りつつジャスピンをねらうように心がけけた。

明暗のきつい場合の撮影では開放時はにじみが目立った。F2.8だがf4ぐらいまでは絞ったほうがよさそうだ。

だが取り回しはとてもいい。色乗りもいい。とても楽しい撮影ができた。作例のとおりだ。この中のどれかをコンテストに応募しようかな~♪

OM-2N + H.ZUIKO AUTO-W 24mm F2.8でお散歩。

今回はひさびさに銀塩カメラでお散歩だ。

今回のお供は、OM-2N + H.ZUIKO AUTO-W 24mm F2.8 だ。この24mmは初期の銀縁タイプでモノコート。いい味を出してくれるに違いない。

さて本体のOM-2Nの方はというと、新宿のマッ〇スカメラで格安で購入したブツだ。

傷の微小な新品並みに綺麗な本体だったのだが「露出計が壊れているので飾りにしかなりません」とのことで格安だった。だが、直感的に調整で治るだろうと予測して即購入したのだ。

予想通り、露出感度のずれが原因で、ASA100(現在はISOと呼ぶ)のフィルムの場合400にセットすることでほぼ適正露出っぽくなった。今回の散歩はAE露出がちゃんと写せているかの実験である。なので全てAEオートで撮影した。

ところで、いずれまとめて記事にしたいと思っているのだが、OM-2は世界初のTTLダイレクト測光によるAEオート機だ。これは撮影時フィルムに写り込んだ光の量をフィルムからの反射光を利用してダイレクトに測定して速度調整して正確な露出にあわせるというもの。以降OMシリーズのAE機はこのTTLダイレクト測光が全て採用されており当時のオリンパスカメラの最大の特徴となっている

ところが現在ではこのTTLダイレクト測光が逆に仇となって「故障」と判断されることが多いのだ。

それはというと・・・OMのTTLダイレクト測光はフィルム面の反射する光の量をセンサーでとらえて測光している。つまり、フィルムを装填していないと正しい速度にはならない。フィルムからの反射光と空の場合の反射光では光の量がまるで違うのだ。

そのため、オートで露出計が示しているシャッター速度と、実際に(フィルム無しで)シャッターを押したときのシャッター速度が違うという現象が起こる。

私らOM現役時代の人間には「そんなことあたりまえじゃん」となるのだが、最近のデジタル世代には理解できていないことも多いのだろう。

で、「壊れている」「露出計がおかしい」「シャッターが不安定」というレッテルが貼られてしまうのだ。

今回購入したOM-2Nもマッ〇スカメラさんも同様の判断だったのだろう。しかも同時に露出調整が必要になっているので、「まちがいなく故障」と判断されたに違いない。

まあでも、そのおかげで安くて手にいれられたのだけどね・・・。

 

で、話は元に戻るが、今回のお散歩は柴又だ。

フィルムはキタ〇ラで買った富士フイルム業務用ISO100/24枚撮りこの日、柴又駅界隈は観光客でにぎわっていた。プリントからスキャンしたので、コントラストがキツイのだが、ご勘弁を。いずれフィルムスキャナーを手にいれて差し替えたい。

ここでの寅さんはある意味地元のヒーローだな。曇りの日の撮影となったのと逆光でモノコートの独特なにじみがでてしまった。色乗りが悪いのはフィルムのせいだろう。

こういうピントを活かした撮影が大好き。24mmF2.8だが開放で結構ボケてくれた。

沿道のお土産屋でみつけた大量のダルマ。色乗りがレトロ。レンズの影響なのかフィルムの影響なのかなぁ。

濡れた石像には銀塩カメラが似合う。

レトロなカメラにお似合いのレトロなお店。

参道はにぎわっています。

折角なので帰りはスカイツリーも。

レトロな銀塩カメラでの楽しみは、すぐに確認できないこと。あとで、現像した写真をみて、その時によみがえることだな。ああたのしかったー。

ボケないレンズをボケさせる!ティルトマウントアダプターのススメ

OM-ZUIKOシリーズではシフト機能のレンズは2本でているが、ティルト機能のレンズは発売されることはなかった。どちらかといえばティルトの方が面白いのにもかかわらずだ。

ティルト (tilt) とは、英語で「傾ける」という意味だ。 チルトともいう。

レンズのティルト機能とは、レンズを斜めに傾けピントの合う範囲を調整することだ。極端なボケ味を楽しむことができるようになる。

そこで、今回α7ii用のマウントアダブタ―でティルト機能のものがあったのでご紹介しよう。

シフトとの違い

シフト機能とはちょっと違うので注意しておきたい。シフト機能とはレンズの光軸と撮像面を意図的にずらして逆の歪みを発生させ、結果として像の歪みを補正することとなる。高いビルなどを、地上の近い距離から撮影した場合、上に行くに従い小さくなって写るが、シフトにより遠近感を補正することができる。 「あおり撮影」ともいう。

シフトがレンズの中心軸を「ずらす」のに対して、ティルトは「傾ける」もしくはレンズを「折る」イメージだ。ティルトすることで中心以外が極端にピントがあわなくなる。これを利用して風景をおもちゃのようにするミニチュア撮影をしたり、幻想的なポートレート撮影にも応用できるのだ。

Pixco製ティルトマウントアダプター

KIPON のTILT&SHIFTはしっかりした作りだ。

Pixco製はティルトに特化し安価なアダブタだ。

持っていたのはPixco製の安物だ。KIPONのTILT&SHIFT機能付きの立派なマウントアダブタももっていたのだが、Pixco製がシンプルなのでこれが使いやすいかと思って今回はこれで試してみた。

数字が1~8まであるが、このヘリコイドで傾き(tilt)量を調整する。1が傾きが大きく、8はなしだ。

傾く向きは回せば30°毎に簡単に移動できる。両手でレンズとボディを持って捻れば簡単だ。カチカチと回っていく。3回目のクリックで90°の移動。上下のティルトが左右のティルトに代わるのだ。とっても簡単でわかりやすい。

ところが、いかせん問題なのが、このティルト向きの回転機能だ。回転のロックがないのだ。レンズを交換しようと回すと一緒にティルト向きが回転してしまう。実にレンズ交換のしにくいマウントアダブタ―だ。。その点KIPONの方はロックがついていてレンズ交換は安心だった。使い心地は難しいが、、、

作例

気になるのが作例だ。

今回あえて、ボケないレンズとして、ZUIKO 35-105mm F3.5-5.6とZUIKO 24mm F2.8をつかってみた。「ボケないレンズをボケさせること」が目的だったが、「ボケるレンズをよりボケさせること」のほうがよりおもしろかったかもしれない。


渋谷の街をティルトした。おもちゃのように見えるだろうか? もっと明るいレンズのほうが効果がたかかったかもしれない。


銀座線をヒカリエから俯瞰した。Nゲージのようになった。


渋谷の街全体を俯瞰したほうがミニチュアらしくみえるかもしれない。


24mm2.8でティルトをためした。上下をぼかしている


ヒカリエの入り口を幻想的に。


左右のティルトでおもしろく。


こういうのもおもしろいかな。


左右のティルト。こういう使い方もできるわけだ。


上下のティルト


左右のティルト。上下と左右をつかいわけるのがおもしろい。いろいろためしてみよう。

あとで気づいたのだが、フードを付けてティルトしすぎると、フードでケラレてしまうので注意しよう。ティルト撮影の時のフード着用は十分に注意が必要だ。上記作例はケラレてしまっている。

ポートレート撮影でためしてみるのが面白いと思う。また1.2ぐらいの大口径でもためしてみたいものだ。